通話しながら入力すると首が傾くなら、4極ヘッドセットで両手を空ける

PC通話と応対記録を同時に行い、受話機を肩へ挟んで首が傾く担当者向け。OSHAのチェック項目の適用範囲、4極端子、イヤーキャップ、2mケーブル、実際の通話アプリで試す手順を解説します。

通話しながら入力すると首が傾くなら、4極ヘッドセットで両手を空ける

問い合わせを受けながら応対記録を入力するとき、受話機を片手で持つと入力できる手が限られます。頭と肩で挟めば両手は空きますが、会話の間は首を傾けた姿勢になりがちです。

この記事では、電話機全般ではなく、Windows PCのソフトフォンで通話と記録入力を同時に行う場面を扱います。着脱式マイクを備えた有線ヘッドセット を候補に、端子と装着方法を確かめ、頭を起こしたまま入力できるかを実際の通話で判断します。

OSHAのチェック項目は姿勢を見直す起点にする

米国労働安全衛生局(OSHA)のコンピューター作業環境チェックリストは、頭と首が胴体に沿い、肩が楽な状態であることを評価項目にしています。電話についても、頭を起こし肩を楽にした状態で使えること、電話とコンピューターを同時に使う場合はヘッドセットが必要になることがあると記載しています。

ただし、これは作業環境を点検するための米国の公的なチェックリストです。日本の職場へそのまま法的義務として適用する資料でも、特定のヘッドセットが痛みや疾病を防ぐと示した比較試験でもありません。受話機を挟んでいる現在の動作を見つけ、機器と作業方法を見直す起点として使います。

痛みやしびれが続く場合は、製品の交換だけで済ませず、職場の安全衛生担当者や医療専門職へ相談してください。

先に通話端末を特定する

候補商品を選ぶ前に、応対で使う電話番号がどの機器へ着信するかを確認します。固定電話機の受話機へ着信しているなら、PC用ヘッドセットをパソコンへ挿しても通話できません。電話機側のヘッドセット端子や対応機種を別に調べる必要があります。

今回の候補は、対応する音声端子を備えたWindows PCなどを対象とする製品です。ブラウザーや専用アプリで受発信するソフトフォンを使い、同じPCで記録を入力する場面に限って比較します。

今の作業を一件だけ観察し、通話開始、本人確認、検索、記録入力、保留、終話のどこで受話機を持ち替えるかを書き出します。通話と入力がほとんど重ならないなら、常時装着するヘッドセットが必要かも再検討できます。重なる時間に首を傾けているなら、その部分を両手が空いた状態で再現します。

4極端子は形だけでなく規格を照合する

候補商品の接続端子は、CTIA規格の3.5mm・4極ミニプラグです。ヘッドホン出力とマイク入力を一つにまとめた対応端子がPCにあれば、そこへ接続します。

音声出力とマイク入力が別々のPCには、付属の変換ケーブルを使い、二つの3極プラグへ分けられます。一方、USB端子だけのPCへ直接挿すことはできません。端子穴の直径が同じに見えても、対応規格や入出力が異なる場合があるため、PCの型番と取扱説明書で確認してください。

社内で複数型番のPCを使っている場合は、一台で動いた結果を全席へ広げません。導入予定の型番ごとに、ソフトフォンがマイクとイヤホンを認識するかを記録します。OSの音声設定とアプリ内の入出力先が別になっていないことも確かめます。

有線式を残す条件と別方式へ替える条件を分ける

この製品は音声用ミニジャックへ接続する有線式です。決まったPCの前で通話と入力を続け、充電や無線接続の管理を増やしたくない席では候補にしやすい方式です。着脱式マイクと専用ポーチが付属するため、個人へ割り当てて終業時に収納する運用にも合わせられます。

一方、USB端子しかないPCや、ドッキングステーションの交換によって音声端子の有無が変わる席では、この製品だけで接続条件を統一できません。付属の変換ケーブルは4極端子をマイク入力とヘッドホン出力へ分けるもので、USBへ変換するものではないからです。この場合は、会社で動作確認したUSB接続式または音声変換アダプターを含めて比較します。

通話中に資料棚や別の端末へ移動する業務では、ケーブルの届く範囲に動作が制限されます。無線式も候補になりますが、充電、ペアリング先、終業時の戻し先を管理できることが前提です。接続の確実さを優先する固定席なら有線式、席や通話中の移動を優先するなら別方式という順で選ぶと、装着感だけで方式を決める失敗を避けられます。

マイクとイヤーキャップを短時間で合わせる

候補商品の本体質量はケーブルを除いて約12gで、着脱式のマイクアームは約130mmです。マイクアームを取り付け、口元へ近づけても頬や衣服へ頻繁に触れない位置を探します。相手に聞こえる音量は、マイクを口へ密着させるのではなく、実際の通話テストで調整します。

付属するイヤーキャップはXS、S、M、Lの4サイズです。左右とも同じサイズに固定せず、軽く頭を動かしても外れにくく、圧迫感が続かない組み合わせを短時間ずつ試します。耳への合い方は個人差があるため、強く押し込まなければ安定しない場合は候補から外します。

この製品は両耳をふさぐカナル型です。周囲からの呼びかけ、警報音、来客対応などを聞く必要がある席では、両耳装着が職場の運用に合うかを先に確認します。周囲音を常時聞く必要があるなら、片耳型など別方式を比較してください。

2mケーブルを入力の邪魔にならない経路へ通す

ケーブル長は約2mです。PCの端子へ届く余裕があっても、余った部分をキーボードと体の間へ垂らすと、入力中に腕や椅子へ引っ掛かります。

PCの端子から机の奥または側面を通し、インラインコントローラーを手で確認できる位置へ置きます。ケーブルを張った状態にせず、マイクアームやイヤホンを引っ張らない余長を残してください。机の角で強く折れる、キャスターが通る床へ垂れる、引き出しへ挟まる経路は避けます。

インラインコントローラーでは音量調整とマイクミュートを操作できます。保留や終話まで同じ部分で操作できるとは限らないため、ソフトフォン側で必要な操作と分けて覚えます。ミュート表示は、相手を待たせない短い社内テストで、実際に送話が止まることまで確認します。

実際の通話と入力を一件分だけ再現する

接続後は、業務で使うソフトフォンを開き、入力先と出力先へ候補商品を指定します。社内のテスト相手と通話し、次の順で一件分の動作を再現します。

  1. 着信へ応答し、相手の声量を調整する
  2. 普段使う入力画面を開き、会話内容を両手で入力する
  3. 保留とマイクミュートをそれぞれ操作し、違いを確認する
  4. 相手に声の大きさ、途切れ、衣服やケーブルの擦れ音を聞く
  5. 終話後、耳、首、肩に気になる圧迫や姿勢の崩れがないか記録する

入力中は、画面へ顔を近づけていないか、マイクへ口を寄せるため首を傾けていないかを横から確認します。ヘッドセットを着けたという事実ではなく、頭を起こし、肩をすくめず、両手で入力を続けられることが判断材料です。

短いテストで成立しても、連続して何件も応対する運用では装着時間が長くなります。休憩、清掃、個人割り当て、交換時の連絡先を職場で決めます。イヤーキャップを共用する必要がある場合は、製品の案内と職場の衛生管理方法に沿って運用できるかも確認してください。

接続と一件分の姿勢を確認できれば候補になる

この有線ヘッドセットを候補にできるのは、利用するWindows PCの4極端子、または付属変換ケーブルを使う二つの3極端子へ適合し、実際のソフトフォンで通話と記録入力を同時に行える場合です。

さらに、一件分のテスト中に受話機を持ったり頭を傾けたりせず、イヤーキャップの圧迫と周囲音の聞こえ方が職場の条件に合うことを確認します。この二条件を満たしたら、有線ヘッドセットの現行仕様と販売状態 を確認して判断してください。

参考資料