前傾できるオフィスチェアは必要?書類作業とPC入力で動きを比べる

前傾できる椅子が必要かを、書類記入とPC入力で比較。RIDEの前後各5度と水平固定、座面高410〜500mm、肘なし仕様を試す手順を解説します。

前傾できるオフィスチェアは必要?書類作業とPC入力で動きを比べる

書類に記入するたび机へ近づき、入力へ戻るたびに座り直す。そんな席では、前傾できる椅子を比べる意味があります。ただし、紙やキーボードの置き場所を変えるだけで作業を切り替えられるなら、前傾機能を優先する必要はありません。

候補のライオン事務器 RIDE No.3560F-K は、重心の移動に応じて座面が前後へ動き、水平位置では固定できる肘なしチェアです。同じ机と道具で水平固定と可動状態を比べ、動きが仕事に合うか、必要なときに止められるかを確認して選びます。

前傾した位置で固定する椅子とは動きが違う

RIDEのスイングスライド機構は、座面が前後へ各5度傾きながら動く方式です。作業ごとに角度を選んで固定するのではなく、座る人の重心位置に応じてシートが揺れます。固定できるのは水平位置で、座面左下のスイングロックレバーを使います。

そのため、書いている間は前傾角度を一定に保ちたい人と、手書きから画面を見る動きに追従してほしい人では、比較する機能が違います。前者なら前傾位置で固定できるか、後者なら自然な作業の切り替えで座面が動くかが判断点になります。

「前傾対応」と書かれた椅子でも、動く部位や固定できる位置は同じではありません。候補を並べる際は、座面が傾くのか、背もたれが傾くのか、両方がどう連動するのかを分けて確認してください。RIDEの前後各5度は機構の動く範囲を示す数値であり、全員がその角度まで動かして使う必要はありません。

まず今の席で書類とキーボードの場所を決める

試座へ行く前に、普段の仕事を一つ用意します。例えば、紙の申請書へ数項目を書き、記入した内容をパソコンへ入力し、再び紙を確認する作業です。いつも使うペン、同じ大きさの用紙、入力機器を使うと、展示場だけの印象で決めずに済みます。

現在の椅子で作業し、切り替えのたびに何を動かしているかを見ます。紙をキーボードの奥へ置いているため腕を伸ばしているなら、紙を手前へ移す場所を作ります。キーボードを脇へずらして筆記面を空ける方法も、道具が収まる机であれば試せます。

配置を変えたら同じ作業をもう一度行います。書く場所が近づいたことで座り直しが減るなら、購入前に机上配置で対応できる部分が見つかったことになります。配置を変えても書き始めと入力時で体の位置を行き来するなら、その動きに可動座面が合うかを比べる理由が残ります。

一度に机の高さ、椅子の高さ、画面の位置まで変えると、どの変更が影響したか分かりにくくなります。まずは道具の置き方を決め、その配置を試座へ持ち込む条件として記録しておきましょう。

座面高410〜500mmと机の関係を先に確かめる

販売ページの寸法図では、座面高は410〜500mm、座幅は480mm、座面の奥行きは430mmと表示されています。高さ調整のストローク90mmだけを見るより、現在使っている座面の高さがこの範囲に含まれるかを比べると候補を絞れます。

もっとも、クッションの形や座ったときの沈み込みは椅子によって異なります。同じ表示高さでも足の置き方や机との関係がそのまま再現されるとは限らないため、普段の靴で座り、使う位置に高さを合わせてください。座面右下が上下昇降レバーで、左側のスイング固定とは役割が別です。

水平に固定した状態で、足を置く場所、膝と机下の部材との距離、キーボードまでの手の届き方を見ます。机へ近づけない原因が引き出しやワゴンなら、座面を傾ける前にその位置を見直します。水平の状態で仕事を行う位置が作れないまま、可動機構の比較へ進めないようにしましょう。

座幅480mmや座面奥行430mmも、全員に合うことを示す値ではありません。座ったときに座面の前縁や左右がどこへ触れるかを確認します。奥行の合わなさが残る場合は、座面奥行を調整できる別の椅子も比較対象になります。

水平固定と可動状態で同じ一連の作業を行う

準備ができたら、最初は水平固定で、紙への記入、PC入力、紙の再確認を続けて行います。書き始めに椅子を前へ動かすか、入力へ戻ると座り直すか、道具の位置を直すかを短くメモします。単に「座りやすい」だけでなく、仕事中に何が起きたかを残すのが比較の要点です。

次に、机と道具の配置、座面高を変えず、スイングの固定だけを解除します。同じ順番で作業を行い、切り替えるときに座面がどう動くかを見ます。機構を試すために大きく体を揺らすのではなく、普段どおりに書き始め、入力へ戻ってみてください。

例えば水平固定では毎回座り直していたところ、可動状態ではそのまま道具へ手を移せるなら、切り替えに合う可能性があります。一方、書く位置へ移るたび椅子全体が後ろへ転がる、手を止めても揺れが気になるなどの変化があれば、それも比較結果です。

最後に水平固定へ戻し、もう一度同じ作業をします。新しい動きへの興味だけで評価していなかったかを確かめるとともに、可動を使わない状態でも日常の椅子として使えるかを見ます。可動状態が合わない仕事があっても、固定との切り替えで使い分けられるかが分かります。

肘なしの仕様は筆記とマウス操作の両方で試す

No.3560F-Kは肘掛けのないタイプです。机へ寄せるときに肘掛けが天板へ当たることはありませんが、腕を椅子の肘へ置く使い方はできません。肘付きモデルの写真や試座結果だけで、この仕様も同じと判断しないでください。

手書きでは、用紙の上端から下端までペンを動かし、前腕を置く場所が残るかを確認します。書き始めは収まっていても、下の欄へ移ると机の縁が腕に当たることがあります。紙を動かして書けるか、筆記面を広げる必要があるかも一緒に見ます。

PC入力では、キーボードとマウスを交互に操作します。座面が動いたときに腕と天板の位置関係が変わり、マウスへ手を伸ばし直すなら、道具の位置を調整して再確認します。筆記がしやすくなっても入力のたび位置を直すなら、二つの仕事を切り替える目的に合うか考え直す必要があります。

机上配置を変更した場合は、変更後の配置で水平固定と可動状態の両方を試します。片方だけ道具を近づけて比較すると、椅子の機構による違いと配置による違いを分けられなくなるためです。

奥行530〜625mmは座面の深さの調整幅ではない

商品仕様の奥行は530〜625mmですが、これは椅子上部が前後に動いた状態を含む外寸です。座面の奥行きを95mm調整できるという意味ではありません。寸法図では水平時580mm、前傾時530mm、後傾時625mmと区別されています。

床に置くときは、上部の奥行だけでなく幅640mmの脚部も見ます。座面が前へ動く軌跡、背もたれが後ろへ動く軌跡、椅子を回転させる範囲は、ひとつの長方形だけでは表し切れません。机下のワゴン、後ろの書庫、隣席の椅子がある状態で試すと、実際の干渉を見つけやすくなります。

また、立ち座りで椅子を引く範囲は別に必要です。使用中は当たらなくても、立つたびに後ろの通路へ張り出すなら、机の位置や席の間隔を見直します。静止状態で収納できることと、前後に動きながら仕事を続けられることを分けて確認してください。

標準キャスターは直径60mmのナイロン双輪です。展示場所と導入場所で床が異なる場合は、転がり方も同じとは限りません。可動座面が揺れているのか、キャスターごと椅子が動いているのかを見分け、可能なら導入先と同じ床条件で確かめます。

固定へ戻す操作と共有席での使い分けを確認する

細かなマウス操作や、画面を見ながら話す時間には、座面を固定したい人もいます。スイングを動かせるかだけでなく、水平位置へ戻して固定できるかを試座に含めます。レバーの位置は販売ページで確認できますが、具体的な操作は実機の説明や取扱説明書に従ってください。

共有席なら、前の人が残した高さと固定状態を、次の人が確認できることも必要です。座った人が最初に高さを合わせ、固定か可動かを選べるよう、二つのレバーの役割を案内します。全員に可動状態を使ってもらう運用にする必要はありません。

購入者による組み立て品なので、導入日には組み立てと操作確認の時間を取ります。使用説明を受けずに繁忙日の朝から使い始めるより、普段の作業を試せる日に一脚で確認すると、固定状態の案内や机上配置も含めて導入条件を決められます。

比較結果を機構を選ぶ理由にする

配置を整えた水平固定で十分に作業できるなら、前傾機能の優先度は下げられます。可動状態のほうが書類とPCの間を行き来しやすく、不要な場面では水平固定へ戻せるなら、RIDEを候補に残す理由になります。前傾角度を一定に固定したい場合は、その位置で固定できる別方式を比べます。

試座の記録には、使った書類と入力機器、座面高、固定状態、切り替えで起きた動作を残してください。その記録を手元に置いてRIDE No.3560F-Kの商品ページ を確認すると、前後各5度という数値だけでなく、自分の仕事に必要な機能として選びやすくなります。

参考資料