A4資料と小型本を前後に分けるスライド本棚

A4資料と小型本を一つの本棚へ収めたい人に、前後で収納を分けるスライド書棚の選び方を解説。奥行と棚幅、取り出す頻度を整理し、A4資料が多い場合に別方式を選ぶ判断も紹介します。

A4資料と小型本を前後に分けるスライド本棚

仕事で使う小さな参考書とA4の資料を一台へまとめたい。けれど、奥行の深い棚へ前後二列に並べると、後ろの資料を取るたびに手前の本をどけることになります。こうした使い方では、本だけを動かす代わりに、手前の収納棚ごと左右へ動かすスライド本棚が候補になります。

フナモコのスライド書棚 ダブル PRO・A4小型本収納タイプ は、浅い前棚と深い後棚を組み合わせた製品です。前へ置ける小型本と、後ろへ回す大きな資料を分けられる人に向いています。すべての棚が同じ奥行ではないため、「A4対応」という言葉だけで、どこへでも手持ちのファイルを収められるとは考えません。

前の本をどけずに、棚を動かして後ろへ届く

この書棚の前面には、左右へスライドする収納箱が二つあります。引戸書庫のように扉だけを動かす構造ではなく、本を入れた前棚が動き、その後ろの収納へ手を入れる形です。前棚と後棚を、使い方の違う二つの置き場として考えることから始めます。

例えば、文庫判の参考書を前へ、大きな業務資料を後ろへまとめる使い方です。後ろの資料を取りたいときに、前の本を机へ一冊ずつ移す手間を避けられます。一方、前棚がある以上、後ろのすべての背表紙を常に同時に見られるわけではありません。物を動かす回数だけでなく、探すときの見通しも変わります。

まず手持ちの本を、小型本と大判の本・ファイルに分けてみます。小型本がまとまってあるなら、浅い前棚を収納として使う意味があります。ほとんどがA4ファイルなら、前棚に割り当てられる物が少なくなり、前後二列の利点を十分に使えない可能性があります。

本品の商品ページにはA4収納、小型本収納などの別仕様もあります。名前が似ていても、同じ外寸・同じ奥行とは限りません。この記事の対象は幅880mmの「A4・小型本収納」です。大きな資料ばかりを入れる場合は、この仕様に合わせて無理に資料を分けず、A4を主に収める棚や一列の書庫を比較します。

前棚143mmと後棚264mmへ、実物の奥行を合わせる

前棚・後棚の寸法図では、前棚の奥行は143mm、後棚は264mmです。本体の外寸奥行418mmを、本一冊に使える棚の奥行として考えないことが要点です。この前後の差が、小型本とA4資料を分ける理由になります。

本を立てる場合、ここで比べる奥行は、背表紙からページの端へ向かう寸法です。本の背の高さや厚さとは別に測ります。ファイルなら中の用紙ではなく、表紙や綴じ具を含む実際の外形を使います。A4用紙が入るファイルにも、表紙の張り出しやケースの有無による違いがあります。

仮に、立てたときの前後寸法が130mmの小型本と、240mmのファイルを持っているとします。前棚143mmと比べれば、小型本は奥行の面で候補に残り、ファイルは前棚へ収まりません。後棚264mmなら、240mmのファイルは奥行の面で比較を続けられます。これは編集上の寸法例で、特定の本やファイルの収納を保証するものではありません。高さや取り出す余裕も続けて照合します。

前棚から少し出てもよいと考える前に、スライドする構造へ目を向けます。普通の一列棚と違い、隣の箱や後ろの収納物との間を前棚が移動します。今回確認した資料では、物がどこまで飛び出しても干渉しないかという許容値は示されていません。奥行の大きな本を斜めに入れたり、前後の隙間へ押し込んだりして解決する前提にはしないでください。

ここで行うのは、手持ちの資料をすべて一台へ押し込む計算ではなく、前後へ無理なく分けられるかの確認です。厚い見本帳や大判カタログなど、後棚の奥行でも余裕がない物が多ければ、それだけを別の深い棚へ分ける案があります。小型本の量が少ない場合と、大判資料の外形が大き過ぎる場合では、選び直す理由が異なります。

外幅880mmではなく、区画幅と棚の高さで量を考える

前棚の収納幅はそれぞれ252mm、後棚には幅252mmと566mmの区画があります。外幅880mmの棚へ本を一列に並べる感覚で冊数を割り算すると、側板や区画の境目を無視することになります。本を並べる量は、使う区画ごとに考えます。

例えば、一緒に参照する本を並べた背幅の合計が300mmなら、幅252mmの前棚一区画へ一組で収める計画はできません。二つの区画へ分けても探しやすいのか、それとも同じ場所へ一組で置くほうが仕事に合うのかを決めます。空いている区画の幅を合計すれば足りることと、一まとまりを分断せず収納できることは別です。

図では可動棚が示され、商品仕様には棚板14枚、30mmピッチで調整する構成が案内されています。付属棚板は大1枚、中1枚、小12枚です。棚板を全部使うことから始めるより、背の高い資料の段を確保し、その上で小型本の段を割り当てるほうが、収納物との関係を整理できます。

30mmピッチは、棚の高さを1mm単位で自由に変えられるという意味ではありません。また、棚板そのものにも厚みがあります。必要な内高と同じ数値へ棚を付ければ入る、と読み替えず、本を取り出すための上側の余地まで含めて位置を決めます。固定されている区切りを越えて、一つの長い空間に変えられるとも考えません。

同じ段へ高さの大きく違う本を混ぜると、一番高い物に合わせて棚間を取ることになります。小型本は前棚、背の高いファイルは後棚という役割を保つと、前側の段まで大判資料に合わせる必要がなくなります。反対に、判型より案件ごとに全部まとめたい仕事では、前後へ分けること自体が使いにくくないかを先に考えます。

よく取る資料を、どちら側へ置くか

奥行が合うことを確認したら、実際に取り出す順序を考えます。前棚には直接手を伸ばせる一方、後棚では前の収納箱を移動させる場面があります。同じ頻度で使う本でも、置く前後によって一冊へ到達する動作が違います。

例えば、日常の調べ物で小型の用語集を使い、ときどきA4の原本を確認するなら、用語集を前、原本を後ろへ置く構成が考えられます。前の棚を使う時間が長く、必要なときだけ後ろを開けるので、二列収納の特徴と使い方が合います。

一方、一つの作業で前の参考書と後ろのファイルを交互に何度も取り替える場合は、棚を動かす回数が増えます。必要な一組を仕事の開始時に取り出して机へ置く方法はありますが、机上へ資料を広げる場所がないなら、それだけで解決したとはいえません。こうした使い方では、一列で背表紙を見渡せる棚も比較対象になります。

後ろをあまり使わないからといって、何が入っているか分からない保管場所にする必要もありません。例えば後棚の段ごとに業務の種類をそろえ、前棚の本とは別の分類として覚える方法があります。これは製品に分類機能が付くという話ではなく、見える範囲が変わる棚に合わせた使い方の提案です。

前棚を動かすたびに大きな物が当たる、後ろのファイルを抜くために手前の本まで外す必要があるなら、前後の割り当てを見直します。収納量だけでなく、「奥の一冊を取って元へ戻す」動作が続けられるかが、この方式を選ぶ分かれ目です。

前棚10kg、後棚15kgは別々の条件

商品案内と寸法図に示された棚板の耐荷重は、前棚が10kg、後棚が15kgで、いずれも等分布です。前後で同じ冊数を置けるという意味でも、書棚全体へ15kgしか載せられないという意味でもありません。物を置く棚板ごとの条件として読みます。

前部の棚板厚は17mm、後部は25mmと案内されています。ただし、厚さの比から耐荷重を自分で計算したり、前の一枚が空いている分を別の棚へ上乗せしたりはできません。棚板の枚数に表示荷重を掛けて、本体全体の上限を独自に作ることも避けます。

仕事資料では、薄く見えるファイルでも中に紙が入ると重くなります。収納する一まとまりを、中身のある状態で量ると、棚幅には余裕があっても荷重の面で減らすべきかが分かります。同じ幅に収まる文庫本と厚い紙の見本帳を、冊数だけで入れ替えられるとは考えないでください。

等分布という条件は、重さを狭い一点へ集中させない載せ方を前提とします。重い資料だけを片側の端へ詰める計画ではなく、棚板上のまとまりを見ます。大量の重い資料をまとめたい場合は、浅い前棚を増やして補うのではなく、その荷物に対応する保管用の書庫を選ぶほうが相談に合います。

棚の前には、人が立って取り出す場所を残す

本体の外寸は幅880×奥行418×高さ1800mmです。設置場所では、この寸法の家具が収まることに加え、前に立って棚を動かし、資料を手元へ出す場所があるかを確認します。前へ開く扉がないことは、前方の空間が不要であることとは違います。

机の背後へ置く場合は、いつもの椅子を引いた状態と、書棚の前に人が立つ状態を同じ配置で考えます。椅子を机へ戻さなければ一冊も取れないなら、頻繁に参照する本の置き場として不便になる可能性があります。通路側へ向ける場合も、資料を取り出す人が通行を塞がない位置を選びます。

高さ1800mmの棚は、上段まで同じ姿勢で使えるわけではありません。身長や棚の設定によって手の届き方が異なるため、よく使う物を無理なく取れる高さへ、取り出す機会の少ない物をそれ以外へ割り振ります。重い物を高い所へ置いて収納量を稼ぐ計画ではなく、扱いやすい高さの区画から使い道を決めます。

商品には固定金具の案内がありますが、今回確認した資料だけでは、壁ごとの固定方法や必要な下地までは判断できません。付属品があることを理由に、どの壁でも同じように設置できるとは考えず、設置先と付属の説明に合う方法を確認します。前棚の動きだけでなく、本体を据える条件もそろえて使う家具です。

小型本とA4を分けられるなら候補に残す

このスライド本棚が合うのは、浅い前棚へ小型本をまとめ、後ろの大きな資料へは棚を動かしてアクセスする使い方ができる場合です。資料の判型と取り出す順序が合えば、限られた壁幅の中で前後を使い分ける理由になります。

大判資料ばかりを並べたい場合や、すべての背表紙を一度に見ながら選びたい場合は、奥行の合う一列棚を比較します。前後へ割り当てる物が決まったら、A4・小型本収納タイプの商品ページで棚構成と選択肢を確認する と、別仕様との取り違えを避けて検討できます。