書類の仕分け台と検品台など、高さの違う作業面を行き来する事務作業では、固定高の椅子を一方へ合わせると、もう一方で手元が高すぎたり低すぎたりすることがあります。椅子を持ち上げて移す運用も、足元の箱や配線へぶつける原因になります。
この記事では、複数の作業台で短時間の座位作業をするバックオフィス担当者に向けて、キャスター付き丸椅子の高さを合わせる手順を説明します。候補は、高さを415〜544mmの範囲で変えられるキャスター付き丸椅子 RFRCS-FPBK
です。
最初に座って行う作業を切り分ける
丸椅子を選ぶ前に、立って行う作業と座って行う作業を分けます。荷物を持ち上げる、上段の棚へ手を伸ばす、広い範囲を往復するといった作業まで座位へ変えるのではなく、同じ位置で手元を確認する短い作業を対象にしてください。
たとえば、次のような場面です。
- 仕分け台で封筒の宛先を確認し、区分ごとに分ける
- 検品台で書類の枚数や印字を確認する
- 複合機の近くで原稿の順番をそろえる
一回の着座時間と、一日に作業場所を替える回数も記録します。背もたれのない丸椅子を長時間のパソコン作業へ使う前提にはせず、短い手元作業へ用途を絞ると、必要な高さと移動範囲を判断しやすくなります。
作業台ごとに合う高さを実測する
作業台の高さだけから座面高を決めることはできません。天板の厚み、作業物の高さ、利用者の体格によって、手を置きやすい位置が変わるためです。
高さを変えられる既存の椅子があれば、予定する作業台の前で次の順に試します。
- 両足を床へ置き、作業台へ正面を向いて座る
- 肩を持ち上げず、肘を体の近くに置く
- 普段使う書類や道具へ手を伸ばす
- 前かがみになる、肩が上がる、天板下面へ膝が触れる高さを避ける
- 床から座面上端までを測って記録する
同じ人が仕分け台と検品台で試し、それぞれの記録が415〜544mmに収まるかを確認します。利用者が複数いる場合は、一人の結果を全員へ当てはめません。最も低い設定と最も高い設定を使う人にも同じ作業をしてもらい、足裏、膝、手元の三か所を見ます。
高さの差が調整範囲に収まるか比べる
二つの作業台で記録した座面高の差を求めます。
必要な調整幅 = 高い作業面に合った座面高 - 低い作業面に合った座面高
候補商品の調整範囲は129mmです。たとえば、実測した高さが一方で430mm、もう一方で500mmなら、差は70mmで数値上は範囲内です。ただし、数値が収まるだけでは採用を決めません。実際に円形ハンドルを操作して同じ位置へ戻せるか、調整後に両足を安定して置けるかも試します。
必要な座面高が415mmより低い、または544mmより高い作業面では、この丸椅子だけで合わせることはできません。作業台の高さを変える、用途ごとに別の椅子を使うなど、作業場所側も含めて見直します。
高くしたときほど足元の支持を確かめる
手元へ合わせて座面を上げても、足裏が床から離れ、座面の端へ体重が集中するなら、その高さは利用者に合っているとはいえません。紹介商品の仕様には足掛けが記載されていないため、足を置く場所が必要な利用者へ、椅子だけで対応できるとは判断しないでください。
高い作業面で手元と足元を同時に合わせられない場合は、作業面側を調整できる構成や、足元を支持できる作業椅子を比較します。足元の支持を別用品で補う場合も、キャスターの移動範囲へ干渉せず、作業場所を替えるたびに置き去りにならない運用まで確認が必要です。
反対に、座面を低くして膝が強く曲がる、作業台の下へ脚を入れられない場合も、調整範囲に数値上収まるだけでは不十分です。足裏、膝、手元の状態を同時に確認できる高さが見つからなければ、この丸椅子を候補から外します。
幅460×奥行443mmを床へ示す
候補商品の外寸は幅460×奥行443mmです。二つの作業場所と、その間の床へ同じ大きさの枠をテープで示します。丸い座面だけを見て小さいと判断せず、脚とキャスターが通る範囲として扱ってください。
枠を空席の椅子に見立て、作業台の下から引き出し、次の場所まで動かします。箱の角、机の脚、電源コード、床の継ぎ目へ触れないかを確認します。移動先では枠全体を作業台の前へ置けることに加え、人が正面から座る場所も必要です。
キャスターがあることは、段差を越えられることや、狭い隙間を横向きに通せることを意味しません。移動経路に敷居や傾斜がある場合は、候補を実際の床で試してから台数を決めます。
移動は空席で行い、着席時の動きを試す
商品ページで確認できるのはナイロンキャスターを備えることまでで、キャスターの固定機能は記載されていません。座ったまま足で床を蹴って作業場所を移る運用にはせず、いったん立ち、空席の椅子を手で動かします。
移動先では、座る、書類へ手を伸ばす、立ち上がるという一連の動作を試します。硬い床で椅子が意図せず動く場合は、キャスター付きという選択自体が場所に合わない可能性があります。反対に、毛足のある床や床の継ぎ目で動かしにくい場合も、毎回持ち上げる運用へ戻ってしまいます。
床を保護するマットを使う場合は、椅子の可動範囲を覆えるか、端を越えるときにキャスターが止まらないかを別に確認します。既存のチェアマットをそのまま使えるとは限りません。
作業場所を替えた直後に高さを合わせる
この商品の昇降操作は、座面下を囲む円形ハンドルで行います。椅子の向きが変わっても手を掛ける位置を探しやすい構成ですが、移動しながら操作するための機能ではありません。移動先へ空席で運び、作業台の正面に置いてから着席し、足元を安定させて高さを調整します。
作業台を替えたのに前の高さのまま作業を始めると、調整できる椅子を選んでも利点を生かせません。各作業場所に高さの数値だけを掲示するのではなく、「移動後、作業物を置く前に足元と手元を確認する」という動作を共用手順にします。利用者の体格や作業物が変わるため、前の人の設定を正解として引き継がないことが重要です。
円形ハンドルへ手を伸ばしたときに椅子が動く、操作後の高さを保てない、座面や脚部にがたつきがある場合は、そのまま共用を始めません。組み立て手順と部品の状態を確認し、解消しなければ販売元へ相談します。
直径335mmの座面で予定時間を試す
座面は直径335mmで、背もたれはありません。短い着座には使えても、予定する作業時間に合うかは利用者と作業内容で変わります。
同程度の座面を用意できるなら、封筒や検品票など普段の作業物を使って、予定する一回分の時間だけ座ります。座面の端が気になる、背を支える必要がある、姿勢を保つために作業台へ寄りかかる場合は、丸椅子を選ばず、背もたれ付きの作業椅子と比較してください。
座面の張地は合成皮革です。清掃に使える方法や薬剤は自己判断せず、取扱説明書または販売元へ確認します。共用する場合は、清掃後に座面が濡れたままにならない手順も決めます。
商品仕様は高さと設置範囲の判断に使う
キャスター付き丸椅子 RFRCS-FPBK
の商品ページで確認できる主な仕様は次のとおりです。
- 外寸: 幅460×奥行443×高さ415〜544mm
- 座面: 直径335mm
- 重量: 約5.5kg
- 座面: 合板、モールドウレタン、スチール
- 張地: 合成皮革
- 脚部: ガス圧式シリンダー、ナイロン
- キャスター: ナイロン
- 組み立て: 購入者による組み立て、プラスドライバーが必要
- 組立時間の目安: 2人で約15分
約5.5kgという重量は、誰でも片手で安全に持ち運べることを保証する値ではありません。通常は空席の状態でキャスターを使い、持ち上げる必要がある段差では、作業者と経路に合う方法を決めます。
高さの戻し方を共用ルールにする
複数人で使うと、前の利用者が設定した高さのまま次の人が座ることがあります。作業台ごとに一つの高さを固定するのではなく、利用者が着席後に足と手元を確認して調整する手順を共有してください。
高さを変える前には、天板下へ膝が入る空間を確認します。円形ハンドルを操作した後は、座面へ荷重をかけた状態と空席の状態で高さが変わる仕組みを取扱説明書で確かめ、急に姿勢を崩さないようにします。
作業終了後は、次の場所へ動かす人が扱いやすい基準位置へ戻すか、使った場所へ置いたままにするかを決めます。椅子が通路に残る運用は避け、保管位置までの床面も幅460×奥行443mmの外形で確認します。
二つの条件が合えば候補にできる
この丸椅子を候補にできるのは、利用者ごとに実測した必要座面高が415〜544mmに収まり、実際の床で空席時は移動できても着席動作では意図せず動かない場合です。
この二条件を予定する作業台で確認できたら、キャスター付き丸椅子 RFRCS-FPBK
の外観と最新の販売状態を確認し、複数の短時間作業に一脚を使う選択肢を検討できます。
参考資料
- キャスター付き丸椅子 RFRCS-FPBK
(オフィスコム商品ページ)