職場の話し声で集中できないなら、机上の二方向をパネルで区切る

職場の話し声で集中しにくい人向けに、調査結果の限界を踏まえ、会話が届く方向の見極め方、L型デスクパネルの寸法確認、仮置きと一席試用の手順を解説します。

職場の話し声で集中できないなら、机上の二方向をパネルで区切る

複数人が同じ空間で働く職場では、電話や近くの会話の内容が聞き取れ、文書確認や数値照合へ意識を戻しにくいことがあります。全面的な工事をする前に、会話が届く方向を確かめ、一つの集中席を机上パネルで区切る方法は試せます。

ただし、今回確認した研究は一つのパネルの効果を測ったものではありません。この記事では、研究が示した問題と商品ページの仕様を分け、L型の向き、高さで変わる見通し、一席で比較する方法を整理します。

1078人の調査では集中の損失が多く自己申告された

2019年に公開されたイタリアの横断調査は、19企業、5研究センター、1大学で働く人へオンライン質問紙を実施しました。2〜5人の共有オフィスの597人と6人以上のオープンプランオフィスの481人、合計1078人の回答を分析しています。

調査では、会話、電話、笑い声からなる、自分の作業には無関係な話し声を対象にしました。主な影響として「集中の損失」を選んだ人は、共有オフィスで69%、オープンプランオフィスで66%でした。

これは自己申告で、客観的な作業成績の低下率ではありません。回答率は17%で、話し声が気になる人ほど回答した可能性もあります。横断調査のため因果関係も確定できません。

会話が発生する場所と集中席を先に分ける

調査では、話し声への対処として、ヘッドホンの使用、休憩、作業場所や作業内容の変更、同僚へ声量を下げるよう頼むなどが自己申告されています。つまり、商品だけではなく、場所と行動も分けて考える必要があります。

今回の環境では、電話や二人以上の相談が多い席を確認し、読解や数値照合をする席をその正面と隣に置かないことを優先します。電話の場所を移せない場合は、会話が聞こえる方向を席で記録し、パネルの二面を向ける候補にします。

ここで分けたいのは「音がする席」と「内容を追わずに済む席」です。話し声が背後、通路側、正面など複数方向から同程度に届くなら、二面だけを区切るL型より、電話場所の集約や集中作業の時間帯を分けるほうを先に検討します。反対に、隣席と正面の打ち合わせが主な中断要因なら、二方向を限定できるため試用条件を作りやすくなります。

また、顧客情報や人事情報を扱う会話を周囲に聞かせないことが目的なら、この記事の選び方は適しません。販売ページには遮音性能や音声の秘匿性を保証する記載がないため、吸音パネルを機密会話の対策へ読み替えず、会話する場所そのものを分ける必要があります。

L型の向きと開口側を決める

正面右側から会話が届くなら、パネルの二面を正面と右側へ向け、出入りや連絡に使う左側を開ける、というように使います。会話の発生場所が開口側に集中する配置では、L型の向きと目的が合いません。

この向きは、調査が推奨した配置ではなく、話し声が届く方向と商品の形を照合した記事としての考察です。天井、床、開口部を回り込む音もあるため、二面を置けば会話が聞こえなくなるとは断定できません。

吸音L型デスクパネルの仕様

DORIX フェルメノン 吸音L型デスクパネル の販売ページで確認できる主な仕様は次のとおりです。

  • 外寸: 幅800×奥行60×高さ800mm
  • パネルの厚さ: 18mm
  • パネル材: ポリエステルの硬質フェルトボード
  • スタンド: 粉体塗装したスチール
  • 梱包重量: 2.37kg
  • 組み立て: お客様組立品

販売ページでは「吸音フェルトパネル」としていますが、設置後に会話が何dB下がるか、言葉が聞き取れなくなるかを示す値は掲載されていません。機密保持や遮音の設備としては選びません。

販売ページは、スタンド型で、軽量のため場所を移して使えることも特徴に挙げています。机へ金具で固定するクランプ式とは用途が異なり、集中作業をする席へ移す運用には合わせやすい一方、誰でも動かせることを前提に置き場所を管理する必要があります。常時同じ境界を保ちたい、意図せず位置が変わるのを避けたい場合は、固定方法が明示された別方式も比較対象にします。

商品説明から確認できるのはパネルとスタンドの構成までで、既存の机との一体性や、個々の機器を置いた状態での安定性までは保証していません。机上の書類、モニター、デスクライト、ケーブルを残したまま置けるかは、製品名だけで決めず、実際の作業面を空けた状態で判断します。

置き型と固定式を使い分ける

置き型を選ぶ理由は、工事なしで移動し、一席から試しやすいことです。席の用途が日によって変わるフリーアドレスや、集中作業の時間だけ区切りたい運用では、この可動性を生かせます。反対に、パネルを動かすたびに電源ケーブルへ触れる、通路へ一時置きする、利用者ごとに向きが変わる環境では、可動性が管理上の弱点になります。

固定式を先に比較したいのは、同じ席で境界を維持する必要があり、机側の対応条件を確認できる場合です。ただし、固定式なら話し声の問題が自動的に解決するわけではありません。ここでの比較軸は吸音効果の大小ではなく、パネルの向きを試しながら変えたいか、一定位置から動かしたくないかです。

机上へ置く前には、スタンドの接地を妨げる段差や配線がないかを確認します。移動するときはパネルを引きずらず、書類や飲み物を先に退避させます。これは製品固有の安全性能を示す説明ではなく、置き型を共用する際に、机上の作業と移動を衝突させないための運用条件です。

高さ800mmで変わる見通しを確かめる

机上に高さ800mmの面を置くと、着席時の目線だけでなく、モニターの上端、デスクライト、空調の流れ、周囲への連絡方法も変わります。幅800mmの線とパネルの上端を段ボールなどで仮置きし、実際の席から確かめます。

避難の呼びかけや緊急時の合図が見えなくなる場合は、常設しません。集中時間だけ使う場合も、使用後に戻す位置を決め、机の縁からはみ出したままにしないようにします。

一席で設置前後を比べる

話し声の大きさと頻度は時間帯で変わるため、同じ席、同じ作業、同じ時間帯で設置前後を比べます。会話が「聞こえるか」だけではなく、内容まで判別できた回数、文書確認の手を止めた回数を記録します。

試用結果が変わなければ、同じパネルを増やす前に、電話席と集中席の距離、会話の声量、作業時間の分け方を見直します。閉じた場所が必要な作業を、机上パネルで代替することはできません。

比較中は、パネルの向きを途中で変えないようにします。向き、席、作業内容が同時に変わると、どの条件が中断の減少につながったか判断できません。まず会話が届く二方向を決め、その配置で作業を続けられるかを見ます。見通しや連絡に支障が出たなら、話し声への体感だけが改善しても採用条件を満たしません。

共用するなら移動後の定位置まで決める

軽量で移動できる製品は、利用者が集中席へ持って行ける一方、使い終わった後の置き場所が曖昧だと別の机へ残りやすくなります。導入前に、使える席、開口側の向き、未使用時の定位置、移動を担当する人を決めます。机の端や通路へ仮置きする運用は避け、次の利用者が探さず戻せる状態にします。

電話や短い相談のたびに周囲からパネルを動かす運用では、集中する人の環境が他者の都合で変わります。その場合は、パネルを共有備品にするより集中席へひもづけるか、会話する側を別の場所へ移すほうが目的に合います。「動かせること」と「頻繁に動かしてよいこと」を同じにしないのが、継続利用の分かれ目です。

二方向と高さが合う席で試す

このL型パネルを候補にできるのは、会話が届く主な二方向へパネル面を向けられ、高さ800mmで必要な見通しや照明を妨げない席です。

二方向と仮置きの高さを確認できたら、DORIX フェルメノン 吸音L型デスクパネルの現行仕様を確認する と、一席での試用を具体化できます。

参考資料