デスクワーク中に座りっぱなしになっていても、立つたびに作業場所を移るのでは切り替えを続けにくいものです。電動昇降デスクなら同じ天板で着座と立位を切り替えられますが、昇降範囲に自分の二つの高さが入らなければ目的を果たせません。
この記事では、デスクワーカーを対象とした無作為化比較試験から分かる範囲を確認し、着座時と立位時の高さ、設置面、配線の動作範囲へ置き換えて判断します。
756人の試験では行動介入と高さ調節デスクを組み合わせた
2022年にThe BMJへ掲載された研究は、英国の6つの地方自治体で働くデスクワーカー756人を78クラスターに分け、12か月追跡したものです。通常運用、座位を減らす行動介入、その行動介入に高さ調節デスクを加えた三群を比較しました。
12か月後の1日の座位時間は、通常運用と比べて行動介入群で22.2分、高さ調節デスク付きの群で63.7分少なくなりました。デスク付き群は行動介入だけの群より41.7分少ない結果でした。座位時間は加速度計で評価されています。
ただし、デスク付きの群には教育、目標設定、メール、職場内の取り組みも含まれます。特定の電動昇降デスクを置くだけで同じ結果になることや、幅広い健康効果が得られることを示した試験ではありません。
今回は作業を止めずに立てる環境を作る
この研究と今回の固定席に共通するのは、デスクワーカーが仕事中の座位を中断したい点です。そこで今回は、作業を別の場所へ移さず、同じキーボードとモニターのまま立てることを商品条件にします。
これは研究が特定の昇降範囲やメモリー数を示したという意味ではありません。作業者が切り替えを続けられるよう、研究の知見を実際の購入条件へ置き換えた記事としての考察です。
電動昇降式が必要かを先に分ける
同じ場所で仕事を続けたまま、キーボード、マウス、画面をまとめて上下させたいなら、天板全体が動く電動昇降式が候補です。立つ場所へノートパソコンを持って移れる人や、立位では閲覧や短い打ち合わせだけをする人は、固定の立ち作業台を別に用意する方法でも目的を満たせます。
既存机の上へ置く昇降台は、机を入れ替えずに試せる一方、下げた状態でも作業面が高くなる製品があります。現在の着座位置を変えたくない人は、昇降台を載せた後の高さが合うかを確認しなければなりません。机ごと交換する方式と、既存机へ追加する方式を、立位にできるかだけで同じものとして比較しないことが大切です。
PABLO-3Dのような電動式は、座位と立位を頻繁に切り替えたい場合に操作を簡略化できます。ただし、電源を確保できない席や、天板を動かせない造作家具に囲まれた席では適合しません。先に席側の制約を確認すれば、昇降機能を使えないまま固定机として運用する失敗を避けられます。
着座時と立位時の高さを別々に測る
まず現在の椅子を普段の状態へ調節し、肩をすくめずにキーボードを操作できる着座時の天板高を測ります。次に普段の靴で立ち、前かがみにならず、肩が上がらない位置まで仮の作業面を上げて立位時の高さを測ります。
数値は身長だけから決めず、実際の椅子、靴、キーボード、マウスで確かめます。二つの高さが商品の昇降範囲内に入ることが最初の合否条件です。天板高だけでモニターの位置を合わせられない場合は、画面の調節を分けて考えます。
PABLO-3Dは610〜1270mmで昇降する
幅1000mmの電動昇降デスク PABLO-3D
は、商品ページで次の仕様を確認できます。
- 外寸: 幅1000×奥行700×高さ610〜1270mm
- 重量: 33.24kg
- 耐荷重: 100kg(天板を含む)
- 昇降: ダブルモーター、1mm単位で調節
- 高さメモリー: 3パターン
- 安全装置: 昇降中の障害物を検知すると動作を停止
- 組み立て: お客様組立品、付属の六角レンチとプラスドライバーを使用
高さメモリーに着座と立位を登録すれば、毎回数値を探す操作は省けます。ただし、表示値は高さの目安で、実際の高さと若干ずれる場合があると販売ページに注記があります。登録後にメジャーと実際の姿勢で確かめます。
共用席で使う場合は、メモリーを人ごとの固定枠にするのか、その都度上書きしてよいのかを決めます。登録値だけを頼りに上昇させると、前の利用者が置いたワゴンや機器へ接触するおそれがあります。利用者が変わるたびに天板の上下を見渡し、障害物がないことを確認してから操作する手順は省けません。
幅1000×奥行700mmを床と天板で確かめる
設置場所の床に幅1000×奥行700mmの範囲を示し、椅子を引いたときの範囲と背後の通路を重ねます。天板の上ではモニター、キーボード、マウス、日常的に開く書類を仮置きし、奥行700mm内で操作できるかを見ます。
耐荷重100kgは天板を含む値です。モニター、パソコン、アーム、デスク上の機器を合計し、使用者が天板へ体重をかける使い方は避けます。
最上位と最下位の間を一往復させる
天板が610mmから1270mmまで動くと、モニターやパソコンから壁のコンセントへ伸びるコードの必要長も変わります。最上位でコードが張らず、最下位で余ったコードが脚や床に絡まない経路を作ります。ワゴン、窓台、棚、椅子の肘が天板の途中の高さで触れないことも確認します。
商品ページには、障害物の当たり方によっては安全装置が検知しない場合があると記載されています。安全装置を空間確認の代わりにせず、機器を接続した後に低速で全範囲を一往復させます。
動く物と動かない物を配線ごとに分ける
モニター、ドッキングステーション、電源タップなどを天板へ固定すると、それらは天板と一緒に動きます。一方、床置きのパソコン本体、壁のコンセント、有線LANの端子は動きません。一本のケーブルでも両側がどちらに属するかを確認し、途中で別の家具へ固定しないようにします。
余ったコードを床へ置くだけでは、天板を下げたときに脚部へ入り込むことがあります。反対に、見た目を整えるためコードを短く束ねすぎると、立位へ上げたときに端子へ力がかかります。天板側でまとめる配線と、床や壁まで余裕を持たせる区間を分け、別売の配線用品が必要かも机と同時に判断します。
デスクライトや充電器など後から増えた機器も、追加時に昇降確認の対象へ戻します。最初の設置時だけ問題がなくても、机の下へワゴンを足したり、モニターの配線を交換したりすれば動作範囲は変わります。模様替えのたびに全範囲を確認する管理者を決めておくと、安全装置へ頼り切らない運用になります。
昇降の時間ではなく作業の区切りを合図にする
研究は電動昇降デスク単体ではなく、行動介入と組み合わせていました。今回の職場でも「思い出したら立つ」ではなく、メール処理を終えた後、定例会議の前後など、既存の作業の区切りを切り替えの合図にします。
立つ時間を長くすること自体を目標にせず、疲れや不快感が出る前に座位へ戻ります。座位が立位に置き換わっても歩行の代わりにはならないため、休憩や移動も別に組み込みます。
導入直後だけ切り替えて、その後は同じ高さで固定されるなら、機能ではなく運用が止まっています。個人席では普段の作業順序へ切替の合図を組み込み、共用席では利用開始時に自分の姿勢へ合わせることを席のルールにします。研究でも机だけでなく、教育や目標設定などを組み合わせていたため、購入後に使う場面を決めることまでが導入です。
一方、立位にすると集中しにくい作業まで無理に続ける必要はありません。立位で行いやすい作業と、着座して行う作業を本人が分け、切替によって作業が止まらない範囲で運用します。健康上の事情がある人へ一律の立位ルールを課さず、必要に応じて職場の安全衛生担当者や医療専門職へ相談してください。
二つの高さが610〜1270mmに入るかで決める
PABLO-3Dを候補にできるのは、実際の椅子と靴で測った着座・立位の両高さが610〜1270mmに入り、天板の全動作範囲から配線と周辺家具を外せる場合です。
二つの高さの実測値が揃ったら、電動昇降デスク PABLO-3Dの昇降範囲と操作部を確認する
と、現在の席で切り替えられるかを具体化できます。