研修机の高さ調整は640〜740mmで足りる?椅子を先に合わせて試す

ノートPCを使う研修で机の高さが受講者に合わない担当者へ。椅子を先に合わせる手順、64〜74cmと公的資料の目安の違い、段階調整を実地確認する方法を解説します。

研修机の高さ調整は640〜740mmで足りる?椅子を先に合わせて試す

ノートパソコンと資料を使う社内研修では、同じ机でも、受講者によって手元が高すぎたり低すぎたりします。椅子だけを上下させると、腕は置きやすくなっても足裏が床から離れることがあります。

この記事では、体格の異なる受講者が交代で使う研修室を想定し、椅子を先に合わせてから机の高さを決める手順を説明します。候補にするのは、床から天板までを段階式で変えられる一人用研修デスクです。商品の調整範囲に入れば全員に合うという意味ではありません。

現在の机で合わない場面を受講者ごとに記録する

高さ調整式へ替える前に、現在の机と椅子で何が起きているかを分けます。対象は、研修中にノートパソコンへ入力し、配布資料へ書き込む場面です。

受講者には普段の位置へ座ってもらい、次の状態を確認します。

  • 足裏全体が床へ着いているか
  • 膝裏が座面前端へ強く当たっていないか
  • キーボードへ手を置いたときに肩が上がらないか
  • 前腕を支えるために上体を机へ寄せていないか
  • 天板下の部材へ膝や靴が当たらないか

「高い」「低い」という感想だけでなく、椅子の座面高、天板高、使った靴、ノートパソコンと資料の置き方も記録します。同じ人でも、厚いキーボードを使う場合と紙へ筆記する場合では、手元に合う高さが変わるためです。

椅子を先に合わせてから机を近づける

厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」は、事務所でパソコンなどを使う作業について、椅子の座面、机の作業面、入力機器、ディスプレイを総合的に調整するよう示しています。座位では、背もたれに背を当て、履物を履いた足裏全体が床へ接する姿勢が基本です。

同資料の解説では、高さを変えられる机は、椅子を最適な高さへ調整した後に机を調整するとよいとしています。そこで、研修机も次の順で試します。

  1. 受講者が椅子へ深く座り、足裏が床へ着く座面高にする
  2. 背もたれへ背を当て、膝裏と座面前端の間を確認する
  3. ノートパソコンと資料を置き、肩を上げずに手を載せられる机高を探す
  4. 膝と靴を動かし、天板下で窮屈にならないか確かめる

この公的資料は、研修家具や紹介商品を推奨するものではありません。ノートパソコンを使う研修で、椅子と机のどちらから合わせるかを決める判断材料として使います。筆記だけの研修へ数値をそのまま当てはめず、実際の教材を置いて試してください。

商品の調整範囲は公的資料の目安全体を覆わない

厚生労働省の解説では、情報機器作業に使う高さ調整式の机について、大部分の作業者の体形に合わせるため、床から60〜72cm程度の範囲で調整できることが望ましいとしています。

一方、候補商品の調整範囲は640〜740mmです。単位をそろえると64〜74cmであり、公的資料が示す60〜72cmのうち、低い側の60〜63cmを含みません。上限が74cmまであることは、高い設定を必要とする人には選択肢になりますが、低い机を必要とする人への対応にはなりません。

したがって「公的資料の範囲と一部重なるから全員に合う」とは判断できません。現在の机で手元が高いと感じる受講者を含め、椅子を合わせた後に必要となる机高を実測します。必要な高さが640mm未満なら、この商品の調整範囲では対応できません。

段階数より実際に止まる高さを確かめる

商品ページには、ラチェット式の高さ調節、5段階、20mmピッチ、全体の高さ640〜740mmと記載されています。ただし、最下段から最上段まで100mmあるため、20mmごとの位置を単純に数えた結果と「5段階」の表現には確認が必要です。商品ページだけでは各停止位置が列挙されていません。

購入判断では、中間位置を推測して受講者へ割り当てないでください。販売元へ各段階の天板高と調整方法を確認するか、実物で床から天板上面までを測ります。最下段、中央付近、最上段だけでなく、必要と記録した高さに最も近い段で普段の入力と筆記を再現します。

ラチェット式という名称だけから、着席したまま安全に動かせる、片手で調整できる、左右を別々に変更できるとは判断できません。受講者を立たせ、机上の機器や資料を移した状態で、取扱説明書に従って担当者が調整する運用を想定します。

ノートパソコンでは手元と画面を同時に確認する

ノートパソコンはキーボードと画面が一体なので、机を下げると手元だけでなく画面も一緒に下がります。肩が上がらない高さへ合わせても、画面を見るために頭を前へ倒し続けるなら、その設定で研修を続けるとは決められません。

候補の高さを試すときは、入力姿勢だけを撮影して終えず、教材を読んでから入力し、画面と配布資料を見比べる一連の作業を行います。手元と足元は合うが画面だけが低い場合は、机を再び高くして椅子で埋め合わせるのではなく、ノートパソコンの置き方や外付け機器を含む別の構成を検討します。

厚生労働省のガイドラインも、ノート型は画面とキーボードを分離できず姿勢の自由度が小さくなること、長時間の情報機器作業では作業内容に応じて外付け機器を利用することが望ましいと説明しています。高さ調整机はこの制約を単独で解消する製品ではありません。

幅900×奥行500mmへ研修道具を実寸配置する

高さが合っても、研修に使う物を置けなければ一人用机として採用できません。候補商品の天板外形に合わせ、幅900×奥行500mmの範囲を既存机へテープで示します。

実際に使うノートパソコン、A4資料、筆記具、マウスを置き、入力と記入を切り替えます。資料をパソコンの上へ重ねる、マウスを天板端へ追い出す、肘を後ろへ引かないと入力できない場合は、机高を調整しても作業面の問題が残ります。

厚生労働省のガイドラインも、キーボード、書類、マウスなどを配置できる作業面と、脚が窮屈にならない空間を求めています。ただし、候補の商品ページには脚間の有効幅や天板下の有効高さが記載されていません。外寸から差し引いて推測せず、販売元への確認または実物測定で、使用する椅子と膝が収まるかを確かめます。

受講者の交代前に高さを戻す運用を決める

共用机は調整できることより、研修開始前に調整する時間と担当を確保できることが重要です。開始後に机上のパソコンを載せたまま高さを変える運用では、調整機能が使われなくなる可能性があります。

試験導入では、入室から着席、椅子調整、机調整、教材配置までにかかる時間を測ります。各段階に記号を付ける場合も、「小柄な人はA」のように体格だけで固定せず、受講者本人が足元と手元を確認して選ぶ手順にします。

研修終了後は、次回の調整を始めやすい基準位置へ戻すのか、使用した位置を残すのかを決めます。同じ受講者が連日使うなら設定を記録でき、毎回利用者が替わるなら開始前の調整案内が必要です。机を動かす作業と高さを変える作業を同時に行わず、一つずつ固定状態を確認します。

キャスターは移動と水平調整の役割を分ける

候補商品には、直径50mmの双輪ナイロンキャスターがあり、商品ページではアジャスト機能とリフトロック式が案内されています。これは研修レイアウトを変えるときの移動や設置に関わる仕様であり、ラチェット式の天板高調整とは別に確認します。

幅900×奥行500mmの床枠を作り、机を並べた状態と移動経路を再現します。床の継ぎ目、電源コード、隣の机、受講者の椅子へキャスターが当たらないかを見てください。使用位置へ動かした後は、取扱説明書どおりに固定し、筆記やタイピングで机が動かず、四隅にがたつきがないことを確かめます。

床の傾きや大きな段差をキャスターのアジャスト機能だけで補えるとは限りません。設定方法と調整量は販売元へ確認し、予定する床で一台を試してから必要台数を決めます。

高さ調節式研修デスクの仕様

ワークデスク VFM 幅900mmの商品ページ で確認できる主な仕様は次のとおりです。

  • 外寸: 幅900×奥行500×高さ640〜740mm
  • 高さ調節: ラチェット式、5段階、20mmピッチ
  • 天板: メラミン化粧板、29mm厚ソフトエッジ巻き
  • 脚部支柱: D型パイプ50×36mm
  • 脚部ベース: スチールパイプ40×20mm、粉体塗装
  • キャスター: 直径50mm双輪ナイロン、アジャスト機能付き、リフトロック式
  • 組み立て: 購入者による組み立て
  • 生産国: 日本

同じ商品ページには幅750mmの選択肢もあります。幅を変える場合は、900mm幅で行った机上配置と床枠を流用せず、購入する外寸で試し直します。

低い側の必要高と調整運用が合えば候補になる

この研修デスクを候補にできるのは、椅子を先に合わせた受講者の必要机高が640mm以上に収まり、研修開始前に机上を空けて段階調整できる場合です。

低い側が足りない受講者がいる、または利用者交代のたびに調整する時間を取れない場合は、範囲の広い別の机や、利用者ごとに席を分ける方法も比較してください。二つの条件を一台で試せたら、商品ページで各段階の高さと最新の仕様を確認します。

参考資料