オープンな事務所でWeb会議をすると、自分の話す声が隣席まで届く。空き会議室がなく、机の周りに吸音パーテーションを置けば改善するのか迷う場面です。先に結論を言うと、吸音パネルは反響を和らげる候補ですが、周囲に会話が聞こえなくなる設備としては選べません。
スレディ 3連吸音パーテーション
は、高さ1800mmのフェルト面と角度を変えられる三連構造を備えた商品です。反響と視線を区切る補助として検討するなら、音の限界に加え、一面の幅、脚の張り出し、収納時の奥行きまで見ておきたいところです。「三連で幅1800mm」という数字だけでは、手持ちの机を囲えるかは分かりません。
吸音率のグラフは隣席への声漏れ量を示していない
商品ページでは、ポリエステル繊維の圧縮フェルトが音を吸収し、パネル内の反響音を減らすと説明されています。硬い面で跳ね返る音を減らす働きと、壁を通り抜ける音を小さくする遮音は、同じ性能ではありません。販売元も、完全に遮音する効果はないと明記しています。
掲載グラフは「残響室法吸音率」で、吸音タイプと同シリーズの木目調タイプの比較です。人の話し声を多く含む帯域にも吸音の特徴が示されていますが、隣席で何dB下がるか、話の内容がどこまで聞き取れなくなるかの測定値ではありません。グラフが高いから声漏れも同じ割合で減る、とは読めません。
したがって、「会議場所の響きを和らげたい」なら検討できますが、「隣の人に内容を聞かれたくない」が必須なら、この商品の説明だけでは採用条件を満たしません。天井まで閉じた構造ではなく、上部や開いた側から音が届く経路も残ります。内容を聞こえなくする必要がある会議は、適切な遮音性能を確認できる会議室や個室設備へ分ける判断になります。
また、周囲が気にしている音が、自分の声なのかパソコンのスピーカー音なのかも分けます。相手の声をスピーカーで流しているなら、イヤホンやヘッドセットへの変更が先です。それで自分の話し声まで消えるわけではありませんが、吸音パネルに期待する仕事を絞れます。
パネルの向きは声が気になる席との位置関係で決める
配置を考える出発点は、話し手の背後を見栄えよく隠すことではなく、会議席と周りの執務席の位置関係です。机、話し手、特に声が気になる席を簡単に描き、その間にパネル面を置けるかを考えます。
たとえば右隣の席への配慮が主なら右側、正面にも執務席があれば正面と側面を使うL字が配置の候補になります。ただし、これは置く方向を絞る考え方であり、その配置で声が一定量小さくなる保証ではありません。周囲の壁や机の位置によっても聞こえ方は変わります。
出入り口は会議をする人が使える幅を残し、可能なら声が気になる席へ開口が正対しない向きにします。ノートパソコンの画面を見る向きと話す向きも一緒に考えると、パネルを背後に置いたのに発声方向は開いたまま、という配置を避けやすくなります。マイクを単にパネルへ近づける必要はありません。マイクの使い方は機器の指定に従い、パネルの配置とは分けて調整します。
幅1200mmの机を一台のコの字で囲えるとは限らない
スレディは左右のパネルが360度動き、直線、L字、コの字に近い形へ変えられます。ただし、幅1800mmは三面を一直線に展開したときの全幅です。三面それぞれが1800mmあるわけではありません。
商品寸法図では、左右の面は各588mm、中央は595mmです。両側を折って中央面を机の正面へ置く形では、正面を覆う幅はおよそ595mmになります。たとえば幅1200mmの机を、そのまま中央面の内側へ収めるようなコの字配置は想定できません。一台で机全体を三方向から囲うつもりなら、ここが購入前の分かれ目です。
正面を広く覆いたい場合は、二面を直線に近く使い、残り一面を側面へ曲げるL字が候補になります。その場合も、継ぎ目や角度で実際に覆える範囲は変わります。各面の幅を足した数字を、そのまま机が入る有効内寸として扱わないことが大切です。
まず机全体を囲う必要があるのか、話し手の正面と一方の側面を区切ればよいのかを決めます。一台で足りないからとすぐ二台に増やすと、脚と出入り口に必要な床面積も増えます。パネル枚数の多さより、机と人が収まる配置かを先に見ます。
脚の奥行500mmと椅子を引く範囲を重ねて見る
展開時の外寸は幅1800×奥行500×高さ1800mmです。パネル一枚の厚みは20mmですが、床で場所を取るのは薄いパネル面だけではありません。脚を含む奥行500mmを見落とすと、机の横へ置いた脚が椅子の移動範囲に重なることがあります。
寸法図を見ながら、床にパネル面の位置と脚の張り出す範囲を仮置きします。そのうえで、机に座る、椅子を引く、立って出るまでの動きを重ねます。幅のある脚を机の下へ入れられるかは、机側の脚や配線トレーとの位置関係次第です。天板の輪郭に沿わせれば収まるとは限りません。
この段階では、次の三点をまとめて確認すると配置を決めやすくなります。
- 曲げた各面の脚が、机の脚や椅子のキャスターと重ならないか
- 出入りするときにパネルを毎回動かさず使えるか
- ストッパーを操作する手が届き、端末のコードを踏まずに座れるか
高さ1800mmは視線を区切りやすい一方、カメラに映る背景や顔に当たる照明も変えます。音のために決めた角度で画面が暗くなるなら、端末の置き方も含めて調整します。会議のたびに大きく組み替える必要がある配置は、短い打ち合わせを繰り返す席には手間が残ります。
折りたたんでも奥行500mmの収納場所が必要
商品説明の「折りたたみ時の幅595mm」は、収納を考えるうえで便利な数字です。ただし、収納時に奥行きまで薄い板状になるわけではありません。寸法図では、折りたたみ時も脚を含む奥行は500mmです。高さ1800mmも残るため、収納先は幅595×奥行500×高さ1800mmを基準に考えます。
同じ図にある62mmは、重なったパネル部分の寸法です。本体全体を奥行62mmの隙間に入れられるという意味ではありません。棚と壁の細い隙間へしまうつもりなら、パネル面ではなく脚が収まるかが先になります。
重量は15.4kgでキャスター付きです。会議のときだけ出すなら、収納場所から設置場所まで転がして運べる動線を用意します。折りたたんだ外寸が通れても、曲がる場所や開く場所には別の余地が必要です。頻繁に段差を越えて持ち上げる運用を前提にするより、同じフロアで出し入れを完結できるかを考えたい商品です。
横に重ねて保管できる説明もありますが、複数台の収納寸法は一台分と同じではありません。増設を考える場合は、会議中の設置図と使わない時間の収納図をセットで作ります。収納の往復が負担になるなら、会議用の定位置を設けるほうが運用に合うこともあります。
台同士は直線連結、一台の中で角度をつける
両端のマグネットで複数台をつなげられますが、販売元の説明ではマグネット部分の連結は直線のみです。台と台の境目を自由な角度の接続点にできるわけではありません。曲げるのは一台の中のヒンジ部分、と分けると増設後の形を考えやすくなります。
たとえば長い会議スペースの一辺を延ばす使い方は候補になります。一方、机の角ぴったりに台同士の連結部を合わせて曲げたい場合は、その配置を前提に買い足さないほうがよいでしょう。接続箇所、曲げる箇所、開口部の位置を決めてから台数を判断します。連結しただけで個室相当の遮音性能が得られるわけでもありません。
本体は利用者組み立てで、付属スパナのほかにプラスドライバーが必要です。キャスターにはストッパー付きが二個あります。届いた直後から会議に使う予定なら、組み立てと配置を決める時間も見込みます。仕様と形状は3連吸音パーテーションの商品詳細を確認する
で照合できます。
試用では増設する前に角度と会議場所を比べる
現場で試せる場合は、同じ人が同じ位置から同じ短い文章を、普段の声量で話して比較します。会議内容そのものを使う必要はありません。パネルなしと候補の配置を比べ、周囲の人には同じ席で、反響の気になり方や作業中の話し声の感じ方を確認してもらいます。
一度に席も声量も変えると、何が効いたのか分かりにくくなります。まずパネルの有無、次に角度、必要なら会議席の位置と、一つずつ変えます。「話し手側は響きにくくなったが、隣席では言葉がはっきり聞こえる」という結果もあり得ます。その場合、反響への効果と声漏れへの要求を混同しないことが大切です。
変化が目的に足りないときは、台数追加だけに進まず、執務席から離れた会議場所へ移せるかも比較します。試用で静かに感じたとしても、会話の秘匿性を確認したことにはなりません。採用できた配置は、机との位置関係と角度を写真などで残すと、毎回の出し入れでも戻しやすくなります。
音の要求と置ける形が合う場合に選ぶ
スレディが合うのは、会話が外へ聞こえなくなることを必須にせず、会議場所の反響と視線を区切る補助を求める職場です。そのうえで、一面約600mmの三連構造と脚の奥行500mmが、机・椅子・収納先に収まることが条件になります。
この条件が合うなら、Web会議用の3連吸音パーテーションを確認する
から設置図と照合できます。現在の色や販売条件は商品ページで確認
してください。隣席へ会話内容を聞こえなくすることが最優先なら、吸音パネルを増やす判断の前に、会議場所そのものを見直します。