オープンな事務所でWeb会議をすると、自分の声が周りの席まで聞こえ、近くで働く人の集中を妨げることがあります。空いている会議室がなく、工事を伴う個室ブースもすぐには用意できない場合は、移動式の吸音パーテーションで会議場所を囲う方法が候補です。
ただし、吸音は防音と同じではありません。パネルは内側の反響を和らげるためのもので、声が外へまったく聞こえなくなるわけではありません。この記事では、Web会議の声が周りに聞こえる職場で、吸音パーテーションを置く位置と、導入前に確認する寸法を整理します。
最初に声が届く方向を確認する
Web会議をしている席から、誰に声が聞こえているかを確認します。パーテーションを置くべき場所は、会議をする人と、声を小さくしたい相手との間です。
たとえば、正面と右側に執務席が並んでいるなら、その二方向をL字に囲います。背後だけを囲っても、正面の同僚へ届く声は遮りにくいままです。会議場所を決めるときは、近くの人に協力してもらい、普段の声量で話した際に気になる席を特定します。
一方、声が天井や壁で反射して部屋全体へ響いている場合は、一枚の間仕切りだけで解決するとは限りません。パネルの開いている側、上部、床や壁を経由して届く音も残ります。
吸音パネルは「声を消す壁」ではない
吸音材は、表面へ届いた音の反射を減らすために使います。今回紹介する商品の説明では、圧縮フェルトがパネル内の反響音を減らし、人の話し声を多く含む周波数帯域の音を、同シリーズの木目調パネルより吸収するとされています。
商品ページには遮音性能や、設置後に隣席の音が何dB下がるかを示す値は掲載されていません。そのため、機密性の高い会話を外へ聞こえなくする用途や、隣席へ声が届かないことを保証する設備としては選べません。
狙うのは、話し手の周囲にある反射面を減らし、Web会議をする場所の反響を和らげることです。声漏れをさらに抑えたい場合は、会議場所を執務席から離す、マイクを口元へ近づける、ヘッドセットを使うといった対策も組み合わせます。
3連パネルはL字かコの字に曲げて使う
スレディ 3連吸音パーテーションは、左右のパネルを360度動かせる折りたたみ式です。一直線に広げるだけでなく、L字やコの字に近い形へ曲げられます。
Web会議用の机を囲うなら、一直線よりも、話し手の正面と側面を囲う配置が候補です。三面で完全に閉じるのではなく、人が出入りする開口部と、キャスター脚が机や椅子に当たらない空間を残します。
マイクの位置もパネル側へ寄せます。ノートパソコンを開口部へ向け、話し手が開口部へ声を出す配置では、囲った効果を活かしにくくなります。画面、カメラ、照明との向きを確認しながら、声を小さくしたい席との間にパネル面が来るよう調整します。
幅1800mmではなく設置時の外周を測る
商品の外寸は、幅1800×奥行500×高さ1800mmです。ただし、幅1800mmは広げた状態の目安で、L字やコの字にすると横方向の占有幅は変わります。必要なのは商品寸法だけでなく、実際に曲げた形の外周と、キャスター脚を含む床面です。
導入前に、床へ養生テープなどで仮の輪郭を作ります。確認する範囲は次のとおりです。
- 机と椅子を置いた状態で人が出入りできる開口部
- 椅子を後ろへ引く距離
- 幅500mmの脚部が通路へ張り出す位置
- キャスターのストッパーを操作する場所
- コンセントや配線をふさがない経路
高さは1800mmあるため、座った人の口元より上まで覆いやすい一方、空調の吹き出し、火災報知設備、スプリンクラーなどとの関係は建物の管理者へ確認します。避難通路や出入口へ常設しないことも重要です。
使わない時間は幅595mmの収納場所が要る
商品説明では、折りたたむと幅595mmになり、横へ重ねて保管できます。会議のたびに移動する運用なら、設置場所だけでなく収納場所から会議場所までの経路も測ります。
本体重量は15.4kgです。キャスター付きでも、段差、厚いカーペット、床見切り、狭い曲がり角があると移動しにくくなります。収納場所から実際に運ぶ経路で、幅595mmの本体が通れるかを確認します。
折りたたんだまま通路脇へ置くと、転倒や接触の原因になります。使用後に戻す定位置を決め、ストッパーをかけても避難動線を狭めない場所へ保管します。
スレディ 3連吸音パーテーションの仕様
主な仕様は次のとおりです。
- 外寸: 幅1800×奥行500×高さ1800mm
- 折りたたみ時の幅: 595mm
- 重量: 15.4kg
- パネル面: ポリエステル繊維の圧縮フェルト
- パネル角度: 左右とも360度調整可能
- キャスター: ストッパー付き2個を含むキャスター仕様
- 連結: 両側のマグネットで直線連結が可能
- 組み立て: 利用者による組み立て
- 必要工具: 付属スパナ、プラスドライバー
マグネットで複数台をつなげられますが、商品説明ではマグネット部分の連結は直線のみです。二台をつないだ境目で曲げられる前提にはせず、一台ごとのヒンジ部分で角度を作ります。
導入前に一台で試す範囲を決める
吸音効果は、部屋の広さ、壁や床の材質、話す向き、声量、パネルとの距離で変わります。複数台を一度に配置する前に、Web会議をする頻度が高い一席で試すと、追加が必要な方向を判断しやすくなります。
比較するときは、同じ人が同じ位置で同じ文章を読み、近隣の席で聞こえ方を確認します。設置前、一直線、L字、コの字に近い配置の順に比べれば、どの面が必要かを切り分けられます。録音する場合は、参加者や周囲の人へ事前に知らせ、会議内容ではなくテスト用の文章を使います。
「聞こえるか、聞こえないか」だけでなく、近隣席で言葉の内容まで判別できるか、話し声が作業の妨げになるかを記録します。機密会議では、この簡易テストの結果にかかわらず、閉じた会議室や遮音性能を確認できる設備を使います。
マイクを口元へ近づけて声量を下げる
パーテーションを置いても、話し手が大きな声を出せば周囲へ届きます。ノートパソコン内蔵マイクが遠く、相手から聞き返されるために声量が上がっているなら、口元に近いヘッドセットや外付けマイクを試します。
マイク入力を上げすぎると周囲の話し声や反響音も拾いやすくなります。Web会議アプリのテスト機能で自分の声を確認し、口元とマイクの距離、入力レベル、ノイズ抑制を調整します。音声が安定すれば、必要以上に声を張らずに済みます。
スピーカーから相手の声を流すと、会議の往復音声が周囲へ聞こえます。ヘッドセットを使えば、少なくとも相手側の音声は周囲へ広がりにくくなります。
会議場所の運用を一緒に決める
移動式パーテーションは、使う人が毎回正しい位置へ置かなければ効果を比べられません。床へ恒久的な線を引かなくても、机の脚や壁からの距離を設置ルールとして共有できます。
Web会議が重なる時間帯は、パネルだけでなく席の割り当ても調整します。声量が大きくなりやすい商談と、聞くだけの会議を隣り合わせにしない、長時間の会議は閉じた部屋を優先するなど、会議の種類で場所を分けます。
囲った内側の環境も確認する
パネルを曲げて話し手の周囲を囲うと、音だけでなく、照明や空調の感じ方、周囲からの見通しも変わります。パネルの影で顔が暗くなると、Web会議の映像品質を補うために照明を追加したくなり、配線が出入口を横切ることがあります。会議端末、ヘッドセット、照明を実際に動かし、開口部へコードを渡さず使えるか確認します。
閉鎖感を覚える人もいるため、利用者がパネルの角度を変更できる運用にします。ただし、角度を変えた結果キャスター脚が通路へ出たり、避難誘導表示を隠したりしない範囲を管理者が定めます。音への配慮と、安全な出入りの両方を維持できる配置でなければ常設しません。
組み立て後と移動前に接続部を点検する
商品は利用者による組み立てで、付属スパナのほかにプラスドライバーが必要です。組み立て直後は脚部、キャスター、パネルの接続を点検し、ヒンジを動かしたときに異音や緩みがないか確認します。折りたたみ操作は周囲の人や家具から離れた場所で行います。
会議のたびに移動する場合は、動かす前にストッパーを解除し、移動後に再び固定します。固定したまま引く、パネル面だけを持って強く押すといった扱いを避け、担当者へ正しい動かし方を共有します。設置ルールだけでなく、収納へ戻すところまでを運用に含めます。
この商品を選ぶ理由があるのは、高さ1800mmの三連パネルを置ける床面と収納場所があり、主な目的がWeb会議場所の反響を和らげながら視線も区切ることである場合です。声を外へ聞こえなくすることが目的なら、吸音パーテーションだけで完結させず、遮音性能の分かる個室設備を検討します。
結論
スレディを候補にできるのは、声が届く方向へパネル面を置き、安全な開口部と収納場所を確保したうえで、目的を反響の軽減と視線の区切りに限定できる場合です。会話内容を聞こえなくする必要があるなら、閉じた部屋か遮音性能を確認できる設備を選びます。
移動と収納まで担当を決められるなら、現行仕様と色を商品ページで確認してください。