小規模オフィスで1台のUSBプリンターを共有していると、印刷する人が変わるたびにケーブルを抜き差しすることがあります。差し替える場所がパソコンの背面なら作業が止まりやすく、どのパソコンにつながっているかも分かりにくくなります。
パソコンが近くにまとまり、同時ではなく順番に印刷できるなら、USB2.0手動切替器 4回路で接続先だけを選ぶ方法があります。この記事では、ネットワーク共有との違い、必要なケーブルの本数と長さ、切り替え時の運用を整理します。
手動切替器が合うのは同じ場所にある2~4台で使う場合
この商品は、4台までのパソコンからUSB周辺機器1台を選んで接続する機器です。4人が同時にプリンターへつながる装置ではなく、ボタンで有効なパソコンを1台に絞ります。
導入を考えやすいのは、次の条件がそろう場面です。
- プリンターにUSB接続口があり、現在もUSBケーブルで印刷できる
- 利用する2~4台のパソコンとプリンターが、ケーブルで直接届く範囲にある
- 印刷する前に接続先を選び、ほかの人の印刷が終わるまで待てる
別室のパソコンからも印刷したい場合や、複数人の印刷データをプリンター側で順番待ちさせたい場合は、USBケーブルを集める方法より、LAN・Wi-Fi対応プリンターを使う方法を先に比較します。
ネットワークを使わない共有方法かを先に決める
プリンターを複数のパソコンで使う方法は、主に三つあります。
LANまたはWi-Fiに対応するプリンターなら、各パソコンをネットワーク経由で接続できます。パソコン同士が離れていても使いやすく、印刷データの待ち行列も扱えます。
1台のパソコンへプリンターをつなぎ、OSの共有機能を使う方法では、そのパソコンの電源や共有設定にほかの利用者が影響されます。社内ネットワークの設定変更が必要なら、IT管理者との調整も必要です。
USB手動切替器は、ネットワーク接続に対応しないプリンターを、近くのパソコンから順番に使う構成です。ボタンを押す手間は残りますが、印刷のたびにUSBプラグを抜き差しせずに済みます。紹介する商品は選択中のパソコンをLEDで確認できます。
必要なUSBケーブルは最大5本になる
本体には、周辺機器側のUSB Aメス端子が1個、パソコン側のUSB Bメス端子が4個あります。一般的なUSB B端子付きプリンターとUSB A端子付きパソコンをつなぐ場合、両端がUSB Aオス・USB Bオスのケーブルを使います。
4台すべてのパソコンをつなぐ構成では、ケーブルを次のように数えます。
- プリンターから切替器まで: 1本
- パソコンから切替器まで: 4本
- 合計: 5本
商品に付属するUSB2.0対応ケーブルは1.8mが1本です。現在プリンターに使っているケーブルを1本流用できるなら、4台構成では残り3本を追加します。既存ケーブルを使えない場合は4本が別途必要です。
USB Type-C端子しかないパソコンや、USB B端子を持たないプリンターでは、この接続例をそのまま使えません。変換アダプターを前提に適合すると判断せず、パソコンとプリンターの端子を実物または取扱説明書で確認してください。
1台ごとの有効経路を4.5m以下に収める
メーカーの取扱説明書は、「パソコン―切替器―USB機器」のケーブル合計を4.5m以下にするよう案内しています。ケーブルの品質や接続機器の組み合わせでも動作が変わるため、単に各ケーブルが机まで届けばよいわけではありません。
たとえば、切替器からプリンターまでが1.8mなら、各パソコンから切替器までに使える長さは、計算上2.7m以下です。
4.5m - 1.8m = 2.7m
この計算を4台分それぞれに行います。机の直線距離ではなく、モニター台やデスクの脚を避けて通す実際の経路をひもで測ります。本体とパソコンはUSBハブを挟まず、直接つなぐことも取扱説明書の条件です。
切り替える前に印刷が終わったことを確認する
使用するパソコンにつながるボタンを約0.5秒押すと、LEDが切り替わり、そのパソコンからUSB機器を使える状態になります。軽く触れるだけでは切り替わらない設計なので、LEDを見てから印刷を実行します。
プリンターとデータ通信中に別のパソコンへ切り替えると、印刷失敗や機器の不具合につながるおそれがあります。利用者が迷わないよう、次の順序を切替器の近くへ掲示しておくと運用しやすくなります。
- プリンターが印刷中ではないことを確認する
- 使うパソコンの番号に対応するボタンを約0.5秒押す
- 該当番号のLEDが点灯したことを確認する
- パソコンでプリンターが使用可能になったことを確かめて印刷する
- 印刷とデータ通信が終わるまで切り替えない
パソコンとボタン番号の対応は、「受付PC」「経理PC」のように役割名で決めます。共有プリンターの近くに切替器を置くなら、印刷する人が席を立たずに押せる位置かも確認してください。
切替前に各パソコンの印刷待ちを確認する
切替器は有効なUSB経路を選ぶ機器であり、複数のパソコンから送られた印刷データの順番を管理する機器ではありません。選ばれていないパソコンで印刷を実行すると、そのパソコン側に文書が残り、後で接続が戻ったときに意図せず出力されることがあります。
切り替える担当者は、前の利用者へ印刷完了を聞くだけでなく、前のパソコンで印刷待ちの文書が残っていないことも確認します。機密資料を扱う職場では、出力物をすぐ回収できる人だけが切り替えと印刷を行うようにすると、遅れて出た文書の放置を防げます。待ち行列を利用者間で管理できない職場には、各パソコンの印刷を受け付けるネットワーク方式のほうが適します。
SW-US24Nの仕様を接続環境に照らす
USB2.0手動切替器 4回路の主な仕様は次のとおりです。
- メーカー品番: SW-US24N
- 切替内容: パソコン4台対USB周辺機器1台
- 対応規格: USB 2.0準拠、USB 1.1上位互換
- 転送速度: USB 2.0環境で最大480Mbps
- 周辺機器側: USB Aメス×1
- パソコン側: USB Bメス×4
- 本体寸法: 幅83.6×奥行83.6×高さ22mm
- 本体重量: 95g
- 付属品: USB2.0対応USB接続ケーブル1.8m×1本、スタンド、取扱説明書、保証書
メーカーの現行製品情報には、Windows 11・10・8.1・8と、macOS 10.12~10.15およびBig Sur 11以降の各バージョンが掲載されています。ただし、USB機器、パソコン、ケーブルの組み合わせによっては正常に動作しない場合があるとも案内されています。使用するプリンターの型番とOSをそろえ、まとめて導入する前に実機で確認します。
最初の1台から順に接続テストをする
初回は4台を一度につながず、プリンターと1台目のパソコンだけで印刷します。正常に印刷できたら2台目以降を1台ずつ追加し、各ボタンとLEDの番号を確認します。この順なら、認識しないときに新しく加えたパソコン、ケーブル、ポートへ原因を絞れます。
テストでは短い文書を1枚印刷するだけでなく、連続した複数ページがすべて出力され、印刷完了後に別のパソコンへ切り替えられることまで確かめます。スリープ復帰後やパソコン再起動後も、同じ番号で認識するか確認してください。
すべてのパソコンには、使用するプリンターのドライバーと社内で許可された設定が必要です。切替器をつなげば未設定のパソコンでも印刷できるわけではありません。管理者権限が必要な環境では、設置前にIT管理者へ導入を依頼し、利用者が自己判断でドライバーや変換機器を追加しない運用にします。
利用するパソコンがすべて近くにあり、1人ずつ印刷する運用を受け入れられるなら、手動切替器がケーブルの差し替えをなくす候補になります。4台用USB手動切替器の商品画像と端子配置を確認する際は、5本分のケーブル構成を手元の機器に置き換えて判断してください。