机の裏へ手が届かない場所で使う上締め式2画面モニターアームの見極め方

机を壁際から動かしにくく、天板裏へ手が届きにくい場所で2画面モニターアームを設置したい担当者へ。上締め式を選ぶ際の天板寸法、各画面の重量・VESA、壁との可動域の確認方法を解説します。

机の裏へ手が届かない場所で使う上締め式2画面モニターアームの見極め方

壁際のデスクや横に連結したデスクでは、モニターアームのクランプを天板裏から締める姿勢を取りにくいことがあります。机を大きく引き出せない場所で2台のモニターを支えたいなら、机上側から組み付けや調整を進められる「上締め式」が候補です。

ただし、上から締められることと、どの机にも取り付けられることは別です。天板裏にはクランプの受けが必要で、壁との間には2本のアームが動く空間も要ります。この記事では、上締め式を選ぶ前に測る場所と、2画面それぞれの適合条件を整理します。

先に「手が届かない場所」を分ける

取り付け作業が難しい原因を、天板の縁、天板裏、壁との間の三か所に分けます。

天板の縁に幕板や丸みがある場合は、上締め式でもクランプが正対しません。天板裏に補強フレーム、引き出し、配線トレーがある場合は、クランプの受けを置く場所がありません。壁との隙間が狭い場合は取り付けられても、アームの関節やモニター背面が壁へ当たる可能性があります。

机上から工具を回せる商品は、天板裏へ腕を入れて締め続ける工程を減らす選択肢です。一方で、天板下面へ受けが正しく掛かっているかを目視できない配置なら、鏡やカメラで確認するか、一度机を動かして取り付け状態を確かめます。

厚さと奥行を天板の端で測る

メカニカルスプリング式デュアルモニターアームが対応する天板厚は10~50mm、取り付けに必要な天板の奥行は45mm以上です。

厚さは机の中央ではなく、クランプを付ける後端で測ります。縁だけ厚くした天板、斜めに面取りした天板、配線用の切り欠きがある天板では、ノギスや定規が当たる位置とクランプの接触位置を一致させます。

奥行45mmは、天板後端から手前へクランプが使う範囲です。厚紙へ後端から45mmの線を引いて天板へ置き、その範囲の下面にフレームやトレーが重ならないか確認します。寸法を満たしても、中空天板やガラス天板などへ取り付けられるとは限りません。机の説明書にモニターアームの可否がない場合は、机のメーカーへ確認します。

2台は画面サイズより重量を一台ずつ確認する

対応モニターは17~32インチで、耐荷重は各アーム2~10kgです。2台の合計が20kg以下ならよいという意味ではなく、左右それぞれが下限と上限の間に入る必要があります。

モニター重量は付属スタンドを外した本体の値を使います。ウェブカメラ、ライトなどを画面へ固定する場合は、それらを含めた扱いをアームの説明書で確かめます。同じ画面サイズでも重量と重心は異なるため、インチ数だけでは判定できません。

左右で異なるモニターを使うなら、型番、スタンドを除く重量、横幅、縦幅を書き出します。軽い側だけが跳ね上がる、重い側だけが下がる状態を避けるには、設置後に各アームのスプリングをそれぞれ調整できることが重要です。

VESA穴と背面形状を2台とも見る

対応するVESAのねじ穴間隔は75×75mmと100×100mmです。モニター背面の仕様表で穴間隔を確認し、取り付け穴がくぼんでいないか、端子や通気口と金具が干渉しないかを実機でも見ます。

2台を横に並べる場合は、画面の横幅も必要です。机上へ2台を希望する角度で仮置きし、左右端の位置と中央の継ぎ目を記録します。アームへ替えた後も、机の横幅を超える配置や隣席へ張り出す配置は避けます。

画面の高さをそろえたい場合、VESA穴の上下位置が異なる2台では、取り付け金具の高さが同じでも画面上端はそろいません。穴の中心から画面上端までを一台ずつ測り、アームの調整範囲で差を吸収できるか確認します。

壁際では後方へ折りたたむ空間を作る

商品の外寸は幅117×奥行983×高さ500mmですが、アームは姿勢によって前後左右の占有範囲が変わります。この奥行値だけを壁からの必要距離として使わず、取り付け位置を中心に実際の利用姿勢を考えます。

机を壁へ付けたままアームを後方へ折りたたむと、関節やモニター背面が壁へ当たることがあります。壁側へ逃がせない分を机上側へ折ると、画面が利用者へ近づきます。取り付け前に、支柱位置、モニター背面、着席した目の位置を平面図へ書き、普段使う画面位置が成立するか確認します。

2台を内向きに角度を付けると、外側の端は手前へ出ます。キーボードを通常位置へ置いた状態で、目から画面までの距離と、椅子を引く位置を試します。上締め式は取り付け工程を変えるもので、壁との可動域を増やす機能ではありません。

組み立てと調整に必要なものをそろえる

寸法や適合条件のほか、組み立て時には次の内容を確認します。

  • 本体: 幅117×奥行983×高さ500mm
  • 重量: 4.5kg
  • 方式: クランプ式、上締めタイプ、メカニカルスプリング式
  • 調整: 上下、前後、角度、スプリング
  • 配線: ケーブルホルダー付き
  • 組み立て: 利用者による組み立て、目安2人で10分
  • 工具: 六角レンチ付属、プラスドライバーを別途用意

本体の取り付け後は、六角レンチを収納できる構造です。調整工具を保管しておくと、モニターを交換した際にスプリングを合わせ直せます。

上締め式2画面モニターアームの商品詳細を確認する

初回設置とモニター交換の作業を分ける

メーカーの組立説明書では、まずベースを天板へ固定し、その後に机上で下アーム、上アーム、モニターの順に取り付けます。「上締め」は最初から最後まで天板裏を見なくてよいという意味ではありません。初回設置時はクランプが天板下面へ平らに掛かったことを確認し、以後のモニター取り付けや保持力調整を机上で進められる方式と捉えると、設置場所を誤りにくくなります。

モニター交換時は、以前のねじをそのまま使うのではなく、新しいモニターのVESA穴に合うねじを選び直します。説明書では背面がくぼんでいる場合にスペーサーを使い、ねじが長すぎる場合と短すぎる場合のどちらも避けるよう示されています。ねじを最後まで入れられるかだけで判断せず、モニター側の説明書に指定されたねじ径と深さを優先します。

保持力を合わせるときは、画面を付けた上アームを手で支えながら調整します。画面が下がる側は保持力を強め、浮く側は弱めますが、調整ねじを締めすぎないこともメーカーの注意事項です。左右を一度に動かさず、一方を支えて調整し、手を離した位置で止まることを確認してから反対側へ進みます。担当者が替わっても同じ手順にできるよう、組立説明書と付属レンチは設置したデスク単位で保管します。

配線は最も遠い画面位置で長さを決める

ケーブルホルダーへ収める前に、左右の画面を実際に使う最も遠い位置まで動かします。その状態で電源と映像の端子が引かれず、関節を曲げてもケーブルが挟まらない長さを残します。

2台分のケーブルを一本の束へ固くまとめると、片方だけ動かす際にもう一方の端子を引くことがあります。支柱まではまとめても、左右のアームへ分かれる位置から先は各画面が動く分を分けます。余った部分をクランプの受けや天板との間へ挟まないようにします。

設置直後は二人で作業し、一人がモニターを支え、もう一人が固定部とスプリングを確認します。手を離した位置で画面が下がる、支柱が傾く、クランプが浮く場合は使用を始めず、重量と取り付け状態を見直します。

上締め式を選ぶ判断

この商品を候補にできるのは、天板裏へ長時間手を入れにくくても、クランプの接触状態を確認できる場所です。さらに、2台がそれぞれ対応重量とVESA規格に収まり、壁を避けた可動域を作れる必要があります。

天板裏のフレームが固定位置をふさいでいる、または壁を避けると画面が近づきすぎる場合は、上締め式へ替えても解決しません。机の配置変更、据え置き型のモニタースタンド、1画面ずつの設置を比較します。条件がそろう場合は、上締め式デュアルモニターアームの形状を商品ページで確認し、天板の実測値と照合してください。

参考資料