電話応対やWeb会議をする席の近くにシュレッダーがあれば、不要な書類をすぐ処理できます。しかし、静音という表示だけで、通話しながら使える機種や置き場所を決めることはできません。紙を切る音と、受話器やマイクへ入る音を分けて考える必要があります。
GBC スーパーサイレントシュレッダ クロス GSHM3525X
の約40dBは、紙を入れない空転時の値です。確認した資料では細断中の騒音値と測定条件が分からず、電話席のすぐ横で使えるとは断定できません。公称値の限界を踏まえ、配置、使う時間、処理量、通話への影響から候補を絞る方法を説明します。
空転時約40dBは、紙を切る音の上限ではない
メーカーは約40dBを、空転時のモーター音として案内しています。紙が刃を通る際の音や、紙の厚み・投入枚数が変わったときの音まで含む値ではありません。「細断中も40dB以下」「何m離せば会話を妨げない」という読み替えはできません。
メーカーの発売案内には、紙の細断で生じる高い響く音を軽減する設計という説明もあります。ただし、これは設計の特徴であり、細断中の条件付き測定値や、職場の通話に支障がないという検証結果ではありません。音へ配慮した機種として比較する材料と、設置可否の結論を分けて扱います。
他機種のdB値と比べる場合も、空転時なのか紙を切っているときなのかが違えば、数字だけを並べられません。測定距離、紙質、枚数などがそろっているかを見る必要があります。本記事では未確認の細断音を推定せず、図書館などの環境音の例から電話適合を決めることもしません。
距離だけでなく、誰がどのマイクで話すかを見る
候補位置を考えるときは、電話席だけでなく、Web会議席、集中作業席、紙を持ち込む人の動線を分けます。電話の真横は移動が少ない反面、使用する人が近くへ立ち、投入から後処理までを通話の近くで行う配置になります。
複合機の近くや収納列の端など、少し離れた共用の紙処理場所も候補です。ただし、複合機の音がすでに大きい場所なら、音源をまとめることがそのまま聞き取りやすさにつながるとは限りません。電話席へ向かう音の経路と、そこに滞在する人の動きの両方を見ます。
受話器、ヘッドセット、PC内蔵マイク、会議用スピーカーフォンでは、音を拾う場所や向きが異なります。席にいる人が気にならなくても、通話相手へ細断音が伝わる場合があります。ある一席で問題がなかった結果を、違う通話機器を使う全席へ広げないことが大切です。
間に書庫やパーテーションがあることも配置の特徴ですが、それだけで遮音を保証できません。必要な距離を一律に決めるより、通話が続く区域と紙を処理する区域を分けられるかを先に考えます。常に重要な通話が続き、同じ室内で音を出す余地がないなら、扉で分かれた別の場所も含めて検討します。
その場で処理するか、静かな時間へまとめるか
少量をその都度処理する方法は、未処理書類をためにくい一方、短い動作音が一日に何度も発生します。時間を決めてまとめる方法は、細断する時間帯を共有しやすい反面、一回の処理が長くなります。どちらが通話業務に合うかは、電話の入り方と紙の量で変わります。
例えば、午前中に電話が集中し午後に空き時間がある職場と、交代制で終日応対する職場では、同じ時間制限を使えません。静かな時間がほとんどないのに「電話が終わるまで待つ」だけでは、処理待ちの紙が残り続けます。その場合は、機種の静音表示より配置の分離を優先する判断になります。
一時的に使用を控えてほしいときは、通話する人が席を立たずに伝えられる合図や既存の連絡方法を決めます。合図が出たら追加の紙を入れず、処理中の紙の扱いは説明書に従います。静かにするために、途中の紙を引っ張って止めるといった独自操作はしません。
待機する書類は本体の上や共用机へ積まず、持ち込んだ人の管理場所へ戻すか、社内で定めた施錠できる容器などへ保管します。音への配慮と引き換えに、書類の所在や責任者が分からなくなる運用にはしないようにします。
定格15枚と10分運転は、まとめ処理の限界にも関わる
本機の定格細断枚数は15枚、最大は17枚です。説明書の枚数条件は64g/㎡のA4コピー用紙で、厚い紙や付属物のある書類へそのまま当てはめる数値ではありません。日常の量を考える際は最大値で詰め込まず、定格条件と紙の種類を合わせます。
例えば150枚を15枚ずつ分ければ、投入は計算上10回です。ただし、これは10回という回数であり、何分で終わるかを示しません。紙をそろえる時間、投入の間隔、機械の動作があるため、枚数だけで電話の合間に収まるとは判断できません。
定格連続運転は10分で、説明書では運転後に50分以上休止する条件があります。電話の少ない時間へ一日分を集めても、10分を超えて続けて処理する計画にはできません。何人も続けて使う共用機では、一人ごとの時間ではなく、機械として続けて動いている時間を管理する必要があります。
細断速度は、メーカーの同型番ページと説明書では紙1枚時に毎分1.8m、販売本文では毎分1.7mと記載が異なります。本記事ではメーカーの条件付き値を参照しますが、どちらの速度も束の投入や準備を含む業務全体の処理速度ではありません。静かな時間帯に何枚処理できるかを、この値だけで確定しないでください。
本体の床面に加え、前へ引き出すごみ箱の場所を残す
外寸は幅377×奥行282×高さ540mm、重量は10.1kgです。床に置ける小さな範囲があっても、上から紙を投入する場所と、前面のダストボックスを引き出す場所を別に確保する必要があります。収納列の狭い隙間へ入れると、処理のたびではなく、ごみ捨てのたびに本体を動かすことになりかねません。
高さ540mmは机上へ載せる前提の寸法ではありません。床置き位置で紙と手が上面の投入口へ届き、近くの机や棚に遮られない配置を考えます。用紙の投入幅は220mmでA4に対応していますが、紙を持つ人が前へ立つ範囲まで本体外寸に含まれるわけではありません。
キャスターはありますが、10.1kgの本体を通話のたびに動かしたり持ち上げたりする運用は避け、通常の場所を決めます。電源コードを通路へ横切らせず、電話席や椅子の動きと重ならない位置を選びます。音の都合で離した結果、紙を持つ人が出入口で立ち止まるなら、その動線も見直します。
ダストボックス容量は25Lです。説明書では確認窓の7割付近を目安にくずを捨てる案内があるため、満杯まで押し込む扱いにはしません。廃棄時は電源を切ってプラグを抜き、説明書の手順で前方へ引き出します。袋やくずを扱う場所も含め、電話のすぐ横で後処理が続かない配置が考えられます。
紙の細断寸法と、社内の廃棄条件を合わせる
紙は4×38mmのクロスカットです。この寸法があれば社内のすべての機密書類を処理できる、とは判断しません。保存期限や廃棄承認、社内の文書区分に従い、処理してよい書類と別の廃棄方法が必要な書類を分けます。確認が済んでいない原本を、投入待ちの紙へ混ぜないことが前提です。
CD・DVD・カードにも対応していますが、紙用とメディア用の投入口は別です。紙の4×38mmという細断寸法を、カードにも同じように当てはめることはできません。メーカー発売案内と説明書ではカードの細断表記に差があるため、本記事ではカードの破砕寸法を断定しません。
メディアの投入方法や枚数、専用容器への分別は、対象機の説明書に従います。紙と同時に別の投入口へ入れる使い方や、対応外の物を混ぜる扱いはしません。10・11号のステープル針への対応も、すべての金属クリップを処理できるという意味ではありません。
一定回数の細断後には、オートクリーニングが動作します。自動清掃があるから手入れやくずの回収が不要というわけではなく、ランプ表示と説明書に従って扱います。共用時は清掃中の状態も分かるようにし、使えないからと続けて紙を追加しない運用にします。
現場で見るのは、聞こえるかより仕事が妨げられるか
実機を確認できる段階では、普段の通話機器と紙を使い、空転時と細断時を分けて見ます。一枚と日常の束を定格条件内で比べ、席にいる本人の聞き取り、通話相手へ伝わる音、隣席への影響を確かめます。本記事で実測した結果ではなく、未知の設置適合を最終確認するための観点です。
音が少し聞こえたことだけでなく、相手の言葉を聞き返す、通話の音声が途切れる、隣席の会話が止まるなど、業務への支障があるかで判断します。位置を変えて比べるときは、紙の条件やマイク設定まで同時に変えず、何を変えた結果なのかが分かるようにします。スマートフォンの簡易騒音値だけを適合判定には使いません。
普段より大きな異音、紙の進み方の変化、自動停止は、単に席から遠ざければよい問題ではありません。追加投入を止め、過負荷時の自動逆転、過熱時の停止などを表示と説明書で区別します。過熱による停止後は主電源を切って抜栓し、説明書の冷却条件に従います。投入口へ手や工具を入れて解消しようとしないでください。
不具合が疑われる場合は使用停止を分かるようにし、管理担当へ引き継ぎます。正常な作動へ戻った後も、以前の通話条件と違いがないかを見ます。音の配慮、定格運転、点検を別々に扱うことが、共用機としての管理につながります。
約40dBだけで電話席の隣へ決めず、配置と運用で選ぶ
GSHM3525Xは空転音に配慮した候補ですが、細断中の騒音値が未確認のため、電話と同時に使える距離は断定できません。通話区域との分け方、紙を処理する時間、定格15枚・10分運転と休止、前面のごみ捨てまでを合わせて判断します。
同時使用が必須で音の確認ができない場合は、静音表示を根拠に隣接配置を決めないことが重要です。GSHM3525Xの商品画像と現在の仕様を確認する
際には、音の数値の条件と、自分たちの通話・処理の流れの両方を照らし合わせてください。