共有書庫の鍵を使う人同士で渡したり、返却場所を探したりする手間は、ダイヤル錠へ替えると減らせます。部署で同じ書類や備品を取り出すなら、共通の番号で開ける方式が候補になります。購入前に決めたいのは、番号を知らせる範囲と、変更・番号忘れに対応する担当者です。
候補は、オカムラ「レクトライン」4B33ZG ZA75のダイヤル錠付き両開き書庫。オフィスコムで扱う下置き用セットは、幅900×奥行450×高さ1100mmで、設置用のベースを含みます。鍵の受け渡しを減らせても、壁固定できない場所や、開ける人を一人ずつ識別したい用途には合いません。
なお、いま使っている書庫の鍵を紛失して開けられない場合は、買い替えの検討とは分けて、管理者からメーカー・販売元へ正規の対応を依頼してください。ここでは、今後の日常利用で鍵を配らずに済む書庫の選び方を扱います。
部署で共用するなら、同じ番号を使う方式から考える
レクトラインの取扱説明書・ダイヤル錠の操作手順(冊子9ページ)には、同じ番号を継続して使う「固定式」と、利用のたびに番号を変えられる「自由変換式」が載っています。前者は設定した番号を繰り返し使い、後者は施錠時に合わせた番号で解錠する方式です。
部署の複数人が一日に何度も備品を出し入れするなら、固定式を使い、必要な人が同じ番号を知っている形が運用に合います。たとえば午前にAさんがファイルを戻し、午後にBさんが取り出す場面でも、鍵を受け取る相手を探さずに済みます。
自由変換式を選び、Aさんが自分だけの番号で施錠すると、次のBさんはその番号を知らない限り開けられません。一人が一時的に使って明け渡す収納とは違い、部署の共有書庫では「毎回番号を変えられる」ことが利点になるとは限らないのです。
説明書には形状の異なる錠タイプA・Bが示されています。注文時は型番を伝え、納入される錠のタイプと固定式で使う際の設定方法を確認しておくと、受け取り後の担当者への説明まで準備できます。
決めるのは、利用者・番号を変える人・不在時の連絡先
まず、入れる物を普段使う人が、全員同じ番号で開けられてよいかを考えます。部署共通の用紙やファイルをまとめる書庫なら利用者をそろえやすい一方、一部の担当者だけが見る資料まで同居させると、番号を誰に知らせるかが決まりません。利用者の範囲が違う物は、収納場所を分ける必要があります。
次に、番号を設定・変更する担当者と、その人が不在のときの連絡先を決めます。これは製品が利用者を制限する機能ではなく、職場でそろえる使い方です。使う人全員がその場の判断で番号を変える運用では、鍵を探す代わりに「いまの番号を知る人」を探すことになります。
番号の保管・伝達は社内の決まりに合わせ、書庫に貼って誰でも見られる状態にはしません。利用する部署や担当者が変わるときは、番号をそのまま引き継ぐのか、管理担当が変更して現在の利用者へ伝えるのかまで決めておきます。
例えば、担当者が入れ替わる日に番号を変更するなら、書庫を使わない時間に設定し、変更後の番号を必要な人へ伝え、実際に開け閉めできるところまでを一つの作業にします。番号を変える人が出勤する前から別の人が使う職場では、変更時刻も共有が必要です。これは設定手順の代わりではなく、共有物を取り出せない時間を作らないための運用案です。
同じ番号を共有する方式では、番号だけで個人を区別できません。この商品の公開仕様には、個人ごとの利用者認証や開閉履歴の機能は示されていません。「誰がいつ開けたか」を自動で記録することが必要なら、このダイヤル錠書庫は候補から外し、その機能が明記された方式を探す方が目的に合います。
日常の鍵は減っても、番号忘れへの備えは残る
固定式の日常操作は、設定した番号に合わせて解錠し、使い終えたら扉を閉めて施錠位置へ戻し、最後に数字を暗証番号以外へ動かす流れです。扉を閉めただけ、数字を合わせたまま、という状態で終わらないよう、納入時に利用者と操作をそろえます。初期設定や番号変更は実物の錠に対応した説明書を見ながら行ってください。
同じ説明書は、番号を忘れた場合などに、有料の非常解錠キーで番号を検索できることと、販売窓口へ問い合わせることを案内しています。錠タイプによって非常解錠キーも異なります。通常の利用者へ鍵を配らなくても、こうした例外対応までなくなるわけではありません。
注文前に、非常解錠キーの手配方法を確認し、社内で保管するなら通常利用とは別に保管担当を決めます。販売元への依頼で対応するなら、番号が分からない間は書庫を開けられなくても困らない収納物かを考えておきましょう。取り出せないと直ちに業務が止まる物を入れる予定なら、この対応が決まるまで購入判断を保留する理由になります。
高さ1100mmはベース込み。収納幅には表記差がある
オフィスコムの下置き用セットは、高さ50mmのベースを含めて高さ1100mmです。一方、メーカーの同型番の製品情報は本体の高さを1050mmとしています。設置場所はセットの1100mmで考え、この販売セットにベースを別途足す必要はありません。
収納内部は、販売ページ・メーカー情報ともに奥行411mm、高さ996mm、可動棚2枚です。ただし有効な内幅は販売ページが864mm、メーカーが857mmと記載し、一致していません。幅いっぱいに収納する計画は、この7mmの差を解消してから立てます。
たとえば、実際に測った背幅が86mmのファイルボックスを10個並べると、必要幅は860mmです。販売ページの864mmなら計算上は収まりますが、メーカーの857mmでは収まりません。さらに取り出す余白も要るため、ぎりぎりの個数を前提に買わず、箱の合計幅を伝えて納入品の有効内寸を販売元へ確認してください。この数値は収納例であり、ファイルボックスの規格を示すものではありません。
棚は販売ページで16mm間隔の位置調整ができ、棚板1枚あたりの耐荷重は51kgとされています。実際に使うファイルの高さに、上から指を掛けて取り出す余白を加えて棚位置を考えます。奥行もファイル本体だけでなく、見出しや取っ手の張り出しを含めて測ります。耐荷重は収納できる冊数を表す値ではないので、保存書類の寸法と重さをそれぞれ確認しましょう。
棚を割り当てるときは、毎日使うファイルと、保管が中心の書類を分けます。よく使う一冊を出すために手前の箱をいくつも動かす配置では、鍵を渡す手間が減っても取り出しは短くなりません。同じ棚へ並べる物の高さをそろえ、戻す場所を決められるかまで見てください。固定した後で収納物を移す前に、日常使う物だけを仮に並べて確かめると、棚位置の見直しができます。
壁固定と扉を開ける場所まで確保する
この販売セットは壁固定が必須です。固定金具が付属していても、希望する壁に取り付けられるかは別の判断になります。賃貸などで壁に固定できない場合、この商品を単に床へ置く前提では選べません。
販売ページでは壁の種類をコンクリート・ボード壁から選ぶ形になっていますが、固定に必要な壁の強度や下地は、施設管理者・施工担当者に確認する事項です。壁固定の作業に壁の補強は含まれないため、下地や内部の配線・配管への影響も含めて、設置可能な場所を先に決めます。床の水平を保つことも条件です。
外寸900×450mmの場所が空いていても、両開きの扉を開けて人が立つ場所がなければ使えません。書庫前の椅子や通路との位置関係を確認し、扉を開けた状態でファイルを出せるかを見ます。外寸の奥行450mmだけを、使用時に必要な奥行として扱わないことが大切です。
搬入の計画に重量を使う場合も注意が必要です。販売ページは書庫39.5kg・ベース3kg、メーカーは本体35kgと記載しているため、納入されるセットの重量を確認します。現地で業者が組み立てる商品なので、壁固定と搬入条件を合わせて販売元へ伝えると、設置準備を進められます。
共通番号で使える物を、固定できる場所へ収める
この書庫が候補になるのは、同じ番号を共有してよい利用者と収納物が決まり、番号の変更・忘失に対応する担当を置ける職場です。そのうえで壁固定が可能で、扉の開閉と収納量に余裕があることが必要です。
条件が合いそうなら、商品ページで下置き用セットの構成を確かめ、番号忘れへの対応と、収納計画に影響する内寸の表記差を販売元へ確認してください。日常の鍵の受け渡しを減らした後も、使う人が迷わず開け閉めできるかを基準に選べます。