棚の区画表示やファイルの管理シールをはがすと、紙は取れたのに粘着剤だけが残ることがあります。新しいラベルを重ねる前に、残っているものと貼付面の素材を確認しましょう。古いのりの段差を残したままでは、貼り直しても凹凸が目立ったり、端が浮いたりすることがあります。
コクヨのスプレー式シールはがし「TW-202」
は、粘着シール・ラベルをはがし、のり残りを除去する180mlの製品です。用途に合う備品なら候補になりますが、素材名が合うだけで全面に使わず、表面の変化と貼り直しまで小さな範囲で確かめてから作業を広げます。
紙片、粘着剤、色の違いを分けて見る
まず、何が残っているかを見ます。ラベルの紙が厚く残っている場合は、浮いている端を無理のない範囲ではがし、紙の下の状態を確認します。固着している部分を金属工具で削り取ろうとすると、のりと一緒に塗装や樹脂面を傷付けるおそれがあります。
紙がなく、触れた物が張り付くような粘りが残っていれば、のり残りの除去を検討する場面です。一方、粘りや盛り上がりはなく、四角く色だけが違う場合は、ラベルに覆われていた部分と周囲の色の差かもしれません。見た目だけで断定はできませんが、色をそろえるためにこすり続けるのは避けます。シールはがしを、日焼けや表面処理の傷みを修復する用品としては選びません。
まだシールが付いている備品は、はがしてよい表示かも確認します。メーカーの型番・製造番号・注意表示は修理や管理に必要なことがあり、社内の備品番号も台帳と対応しています。貼り替えるなら、元の番号と位置を写真などに残して新しい表示へ引き継ぎます。リース品・借用品や用途不明の表示は、管理担当者や所有者の確認を先に済ませてください。
「スチール」「木目」だけで使えると決めない
コクヨの製品情報では、用途例にプラスチック、ガラス、スチール、メラミン化粧合板、ファイル表紙が挙げられています。メラミン化粧合板は表面にメラミン樹脂の化粧材を使った板で、木目に見える板すべてを指す名称ではありません。
例えば棚の表示をはがすなら、棚本体の素材だけでなく、シールが付いている面の仕上げを調べます。スチール製でも塗装面があり、プラスチック製でも印刷やコーティングが施されていることがあります。備品の仕様書や取扱説明書に手入れ方法・使用できない溶剤の指定がある場合は、それと矛盾する使い方をしないことが先です。
素材や表面処理が分からない面、変化が出ると困る印刷部分には、そのまま使用しません。とくに木目の外観だけを見て、天然木や塗装された板をメラミン化粧合板と同じ扱いにしないようにします。この記事では棚、書庫、ファイル表紙など通電しない備品を対象とし、機器の操作部や電源につながる製品への使用は扱いません。
用途例と手持ちの面を照合できたら、目立たない小さな箇所で、容器表示に従って表面への影響を試します。その箇所も、実際に処理する面と同じ仕上げであることが必要です。棚板の裏が無塗装なら、裏面で変化がなかったことだけで表側の塗装まで判断できません。色落ち、つやの変化、表面の軟化などが出たら、その面への作業は広げないでください。
付属ヘラで除去できる作業場所を用意する
TW-202はスプレーを吹き付け、ヘラでこすって除去する方式です。ヘラが1本付属するため、別に金属の刃物を用意して削ることを前提に買う必要はありません。ただし、ヘラ付きでも、どんな力でこすっても表面を傷めないという意味ではありません。
棚の前で作業するなら、周囲の書類や収納物、新しく貼るラベルを先に移します。書庫の利用中に噴霧すると、処理中の面に書類や手が触れることもあるため、対象の区画を空け、処理と乾燥が終わるまでは使わない範囲を決めます。持ち運べるファイルは、書類を外すなどして作業できる状態にしておくと、除去した紙片やのりを片付けやすくなります。
主成分はミネラルスピリットとLPGです。使用前に容器の注意表示を読み、換気し、火気や暖房器具の近くでは作業しません。日本エアゾール協会の案内にも、換気や火気への注意、高温になる場所での保管を避けることが示されています。
表面への試験で問題がなければ、古いシールやのり残りに容器表示の方法で使い、付属ヘラで少しずつ除去します。広い面へ一度に吹き付けるより、処理する箇所を区切って、取れた紙片や粘着剤を回収できる状態で進めます。ヘラに付いたものを隣の面へ押し広げないよう、汚れ具合も見ながら作業してください。
噴射距離や待ち時間、仕上げの方法は手元の容器表示に従います。他のシールはがしの「何分置く」という説明を流用したり、取れにくいからと長時間浸したりはしません。強く押し付けないと取れない、表面まで削れているように見える場合は、力を増やす前に作業を止めます。
のりが取れたあとに、貼り直せる面か確かめる
試す範囲では、除去だけで終わらず、新しいラベルを貼るところまで確認します。旧ラベルをはがせても、粘着剤の塊やはがし剤が残ったままでは貼り直しに向きません。容器表示に沿って仕上げ、面が清潔で乾いた状態になってから、残り方と外観を見ます。
見るポイントは、のりの段差が残っていないか、周囲に粘着剤を広げていないか、色やつやが変わっていないかです。まだ粘りが残る箇所と、粘りはなく色だけが違う箇所では次の対応が違います。前者は取り残しの処理を検討できますが、後者を同じ調子で削り続けても、求める外観へ戻るとは限りません。補修が必要な状態なら、ラベル貼り替えの作業とは分けて考えます。
新しいラベルも、貼る面に対応した製品を使います。例えば棚の区画表示を一斉に替えるなら、実際に使うラベルを試した箇所へ貼り、凹凸が透けないか、端が浮かないかを見る方法があります。ラベル側に貼付面の清掃や定着までの時間の指定がある場合は、それに従います。除去剤だけで、新しいラベルの接着まで保証できるわけではありません。
端が浮く場合は、すぐ全数に貼り進めず、残留物、乾燥状態、ラベルと面の組み合わせを見直します。強く押し付けたり、さらにラベルを重ねたりして隠すと、貼り替えの目的だった平らな表示面を作れません。また、一度はがしたシールは再使用できないため、元のシールを戻す予定で作業せず、必要な表示の代わりを先に用意します。
180mlを何枚分と考えず、一区画の仕上がりから見積もる
内容量180mlから、処理できるラベルの枚数は一律に決められません。小さな備品番号シールと大きな棚表示では面積が違い、紙が残っているか、粘着剤だけかでも作業は変わります。同じ枚数だから同じ量で足りるとは考えず、まず作業内容を分けて見積もります。
例えば同じ棚の同種ラベルをまとめて替えるなら、一つの区画で除去から新しいラベルの貼付確認まで行い、手間やスプレーの減り方を見て、残りの区画へ広げる範囲を決める方法があります。最初の区画だけで除去に時間がかかるなら、初めから全棚の表示をはがさず、その日に戻せる範囲へ区切るほうが進めやすくなります。
同じ建物内でも、スチール棚で問題がなかった結果を、別素材のファイル表紙へそのまま使わないでください。記録を残すなら「プラスチックは使えた」ではなく、備品名、処理した面、ラベルの種類、除去後の変化と貼り直しの結果を残します。次の担当者が、条件の違う備品まで同じ方法で処理するのを避けられます。
容器外寸は直径53×高さ148mmなので、購入前には缶を置く場所も確認できます。これは容器の寸法で、作業時の周囲の空きや保管条件を表す数値ではありません。保管は容器表示に従い、直射日光や暖房器具のそば、40℃以上になる場所を避けます。使ったヘラやシール片を棚上に残さず片付け、処理・乾燥・表示の貼り直しが済んだ区画から共用へ戻します。
素材と貼り直しの結果が合えば、残りへ広げる
TW-202を選ぶ判断は、用途に合う面ののり残りを除去したいことと、小さな範囲で表面を保ったまま貼り直せることです。除去後の状態まで確認できれば、その条件が共通する備品へ作業を広げられます。表面が変化する面や、色の復元が目的になる状態には、スプレーを追加して解決しようとしないでください。
購入時はTW-202の180ml・ヘラ付きという仕様と、処理する備品の素材を照合し、必要な新しいラベルも用意してから進めましょう。