受付票を立ったまま書ける?高さ950mm記載台を仮設して試す

紙の受付票を書く台がなく、来訪者が低い机へかがんだり手荷物を床へ置いたりするオフィスへ。高さ950mmの記載台を仮設し、筆記姿勢、A4用紙の配置、個人情報と手荷物棚の適合を判断する方法を解説します。

受付票を立ったまま書ける?高さ950mm記載台を仮設して試す

オフィス受付で来訪者に紙の受付票を渡しても、書く台がなければ、クリップボードを手で支えるか、低いテーブルへかがむことになります。バッグを置く面もなければ、筆記中だけ床置きになりがちです。

候補とするのは、筆記天板の下に手荷物棚がある幅1200mmのハイタイプ記載台です。ただし、天板の固定高は950mmなので、「立位用」という名前だけで選べません。実際の受付票、ペン、来訪者の動きを仮設面で試し、受付に合うかを判断します。

まず紙の受付で必要な動作を一枚に絞る

受付票の記入欄が氏名と訪問先だけなら、筆記は短時間で終わります。一方、複数の同意欄、アンケート、資料の参照が必要なら、同じ立位でも必要な時間と紙の面積が増えます。

最も項目の多い受付票を一枚用意し、次の物だけで全工程を試します。

  • 記入中の受付票またはクリップボード
  • ペンと予備のペン
  • 未記入の用紙を置く場所
  • 記入済み用紙を他の来訪者から見えなくする回収容器

会社案内やパンフレットまで同じ台に置くと、筆記面を広くしても紙が混ざります。この記載台は受付票の受け渡しと記入に絞り、配布資料は別のスタンドへ分けると、必要な天板面積を判断しやすくなります。

高さ950mmの仮設面で実際の文字を書く

記載台は高さを変えられないため、購入後の調整で姿勢のずれを解決できません。まず、高さを調整できる昇降デスクや、床から天面まで950mmにできる安定した作業台を使います。段ボールを積み上げた不安定な台の上では、筆記を試さないでください。

来訪者役は普段のバッグを持って台の前へ立ち、空欄ではなく、実際に記入する文字数と同程度のテスト文を書きます。ペンを持った手だけでなく、用紙を押さえる手も置いた状態で確認するのが要点です。

そのとき、肩を上げ続ける、背中を大きく曲げる、用紙を見るために顔を天板へ近づける、本体に体重を預けるといった動きが出ないかを見ます。小柄な人と大柄な人の両方で同じテストを行えば、一人だけの感想で固定高を決めずに済みます。

幅1200×奥行450mmを紙で再現する

筆記面の判断には、幅1200×奥行450mmの範囲をテープで示すか、同じ大きさの紙を仮設面へ載せます。A4用紙は210×297mmなので、縦向きの用紙を平らに置くと、奥行450mmから長辺297mmを引いた153mmが残ります。この153mmには、手前の縁から用紙までの空きと、用紙の奥に置く回収容器や備品の寸法が含まれます。

二人が横並びで同時に書く想定なら、一人分の幅は1200÷2=600mmです。ただし、600mmずつあれば個人情報を互いに見られないとは判断できません。受付票、クリップボード、腕、仕切りが一人分の範囲に収まるかを二人で再現し、隣の記入欄が視界に入るなら一人用として運用します。

手荷物棚は商品写真だけで適合を決めない

候補商品の天板下には、スチールのバーが並ぶ手荷物棚があります。来訪者が筆記する間、バッグを天板の上や床に置かずに分けるための構造です。

ただし、商品ページには棚の有効幅、奥行、天板下の高さ、耐荷重が記載されていません。ノートパソコン入りのバッグ、マチの広いかばん、キャリーケースまで置けると推測してはいけません。想定する最も大きいバッグの底面、高さ、中身を入れた重量を測り、その数値を販売元に伝えて適合を確認します。

バー状の棚では、小さな脚付きのバッグや細い底面が隙間に入らないかも見ます。荷物を置いたまま受付から離れる保管棚ではなく、一人の筆記が終わるまでの一時置きとして運用しましょう。

記載台の仕様を設置面と照合する

手荷物棚付きハイタイプ記載台について、商品ページで確認できる主な仕様は次のとおりです。

  • 外寸: 幅1200×奥行450×高さ950mm
  • 天板: 厚さ25mmの低圧メラミン化粧板、ローカンエッジ
  • 本体: 粉体塗装のスチール
  • 足元: アジャスター付き
  • 生産国: 日本
  • 組み立て: 購入者による組み立て

設置予定地の床へ、幅1200×奥行450mmをテープで示します。さらに、来訪者が立つ場所、待つ人の列、受付後に進む方向を床の上で再現してください。本体が収まっても、記入中の人が扉の開閉範囲や通路に立つ配置では使えません。

アジャスターは四脚の接地を調整する部品です。傾斜した床を平らにする用途とは分け、組み立て後に天板の四隅を軽く押し、がたつきがないかを確認します。

受付票の個人情報は書いた後の置き場で守る

氏名、連絡先、訪問先などを記入した紙を天板に置いたままにすると、次の来訪者の視界に入ります。空欄の用紙と記入済みの用紙を重ねず、投函式の回収容器または受付スタッフへ直接渡す流れを決めます。

二人用として使うなら、仕切りの高さと奥行を紙で仮設し、横に立った人から氏名欄が読めないかを確認します。仕切りを置くと腕やクリップボードが600mmの範囲から出る場合は、同時使用数を一人にします。台の幅を使い切ることより、他人の受付票を覗き込めない配置を優先してください。

固定高を唯一の受付方法にしない

国土交通省の建築設計標準では、立位用のサービスカウンターや記載台には、高齢者や障害のある人が利用できるローカウンターを併設する考え方が示されています。この商品は固定高の立位台で、天板下には手荷物棚があります。座位で使う人の膝が天板下へ入るかは商品ページで確認できないため、椅子を前へ置くだけで座位用に転用できると判断してはいけません。

立った姿勢を保ちにくい人、車椅子を使用する人、手で紙を押さえにくい人には、座位で使える別の机、受付スタッフへの口頭伝達、本人が内容を確認できる形での記入補助など、受付票と同じ手続きを完了できる方法を用意します。政府広報も、合理的配慮は申出のあった場面で対話し、共に対応を検討することが重要だと説明しています。来訪者に一律の代替方法を押し付けず、どの方法なら手続きできるかを確認します。

代替方法は担当者だけが知っている状態にせず、記載台の近くに呼び出し方法を表示し、受付担当者の引き継ぎにも含めます。通常時に座位用の机までの経路と書類の回収方法を試しておけば、申出を受けてから机を探したり、記入済み用紙を持って受付内を移動したりせずに済みます。

固定高と受付票の配置が合えば候補にできる

この記載台を候補にできるのは、小柄な人と大柄な人の両方が仮設面で実際の受付票を書けることと、使う紙・ペン・回収容器を置いても記入済みの個人情報を隠せる配置を作れる場合です。

この二条件を仮設で確認できたら、手荷物棚付き記載台の仕様と販売状態を確認すると、紙の受付を立位で行う場所の候補にできます。立位での筆記が難しい来訪者のためには、この固定高だけを受付方法とせず、座って記入できる案内も用意してください。

参考資料