オフィスで穴を開けずにフックを付けるなら、まず掛けたい物よりも取付面を確認します。粘着式でも、一般的な壁紙へ使えるとは限りません。滑らかな対応面があり、掛ける物を中身込みで1.3kg以内にできるなら、3M コマンドフック CMR6
が候補です。
CMR6は、白いMサイズのフック2個と専用の粘着テープ「タブ」6枚を組み合わせた屋内用の商品です。不要になったらタブを引き伸ばして外す仕組みなので、貼る面だけでなく、取り外すときの手の動きまで含めて場所を決めます。
賃貸オフィスでクリップボードや軽い備品の定位置を作りたい担当者向けに、使える面、重量の数え方、設置場所と交換方法を順に整理します。壁紙しかない場合や、毎日違う荷物を掛けたい場合は、別方式を選ぶ判断もできます。
白い壁でも壁紙ならCMR6は使わない
3Mが取付可能としているのは、凹凸のない滑らかな面です。板壁や柱、木製・スチール製の家具や机、ステンレス、金属塗装面、ガラス、プラスチック、化粧板などが含まれます。タイルも対象ですが、タブより大きく、接着部分が目地をまたがない場所を選びます。
一方、塩ビ・布・紙などの壁紙、土壁、砂壁、ざらざらした面、曲面には取り付けられません。白く平らに見える壁でも、石こうボードの表面にビニールクロスが貼ってあれば対象外です。CMR6を「壁紙用のコマンドフック」と取り違えないでください。
同じ素材でも表面の仕上げで判断が変わります。ワックス・フッ素・防カビなどの特殊加工面、塗装がはがれやすい面、水分・油分・汚れのある面は適しません。天然大理石、直射日光の当たるガラス、レンジまわり、40℃以上になる場所、雨や水がかかる浴室・屋外もメーカーの対象外です。
例えば、執務室の壁がクロスでも、近くの収納庫側面が滑らかな金属塗装面なら、取付先をそちらへ移せます。ただし「スチールだから大丈夫」と即決せず、表面の加工や傷み、施設の粘着物に関するルールも確かめます。材質が分からない壁は、内装資料や施設管理者に確認してから選びます。
穴を開けないことと、どんな面でも跡なく外せることは別です。退去時の原状回復を考えるなら、取付不可の面へ試し貼りして判断するより、最初から対応する家具側面などに場所を絞るほうが選定を進めやすくなります。
1.3kgは袋や中身を含む一か所の重量
CMR6の耐荷重はフック1個あたり1.3kgです。クリップボードなら用紙やペン、収納袋なら袋と中身、ひもを使うならそのひもまで含めた状態で量ります。商品名に「軽量」とあっても、実際に掛ける一式の重さとは一致しません。
例えば袋が0.25kg、中身が0.7kgなら合計0.95kgです。この例では1.3kgの範囲内ですが、後から0.5kgの備品を足すと1.45kgになり、条件を超えます。空の袋だけを量って設置を決めず、補充後に最も重くなる状態を基準にしてください。細かい重量はキッチンスケールや荷物用のはかりで確かめられます。
一式の内容を固定しやすいクリップボードや軽い清掃小物は、用途を決めやすい候補です。反対に、来客の鞄や従業員のコートを自由に掛ける場所では、毎回の重量が変わります。耐荷重以内かをその都度確かめにくいなら、CMR6を共用の荷物掛けとして選ばない判断になります。
フックが2個入っていても、一つの荷物を2個で支えれば2.6kgまで使えるという意味ではありません。高さやひもの掛かり方が違えば、一方へ荷重が偏ります。2個を使う場合も、それぞれに別の軽い物の定位置を作ると、どこに何を掛けるかが明確になります。
また、公称の耐荷重から、手前へ強く引く動作まで問題ないとは判断できません。掛けた袋から中身を引き抜くより、袋ごと一度外して取り出す使い方にします。掛ける物の種類を表示しておくのは、最初に決めた重量条件が別の利用者によって変わるのを避けるためです。
位置は掛けた姿と取り外す動作で決める
CMR6を外すときは、本体を上へスライドしてベースから外し、残ったタブを壁に沿って下へ伸ばします。したがって、フックが収まる小さな面積だけでは設置場所を決められません。本体を上げる余地と、タブを下へ引く余地の両方が必要です。
メーカーのレギュラータイプの説明図では、引き伸ばす方向にタブの長さ以上の空間を確保するよう示されています。棚板のすぐ上、配線モールの上端、家具と壁の狭い隙間などは、貼れても指を動かせない場合があります。固定の「下に何cm」という自己流の基準に置き換えず、付属タブの長さと手の動きを合わせて見ます。
貼る前に本体を仮に当て、片手でベースに触れながら、もう一方の手を下へ動かせるか確かめます。レイアウト変更時に家具を動かさないと外せない位置なら、先に位置を変えるほうが合理的です。後から棚を増設する予定がある場合も、その棚で取り外す方向を塞がない配置にします。
次に、実際に掛ける物を同じ高さへ当てます。クリップボードの下端が天板へ当たる、袋が引出しの前を塞ぐ、扉の開閉に巻き込まれる位置では、フックを固定できても収納として使いにくくなります。掛けた状態と持ち上げて外す状態の両方で、家具の動作を邪魔しない場所を選びます。
取り外しのために空ける場所と、物を取り出すために空ける場所は役割が違います。この二つを先に確かめれば、見栄えだけで高さを決めてから貼り直す手間を減らせます。
取り付けは30秒押し付け、1時間以上待つ
位置が決まったら、取付面をきれいにし、十分に乾かします。汚れた面へそのまま貼ることも、清掃直後の水分が残った面へ貼ることも避けます。表面を整えても、もともと対象外の壁材が対応面へ変わるわけではありません。
メーカーのレギュラータイプの手順では、タブの赤字の面のはくり紙をはがしてフック裏のベースへ貼り、黒字の面のはくり紙をはがして取付面へ接着します。約30秒間強く押し付け、その後は1時間以上置いてから使用します。手元のパッケージと同梱手順を見ながら、貼る面を取り違えないように進めてください。
粘着面には触れず、一度貼ったタブを位置合わせのためにはがして使い直しません。位置を決める作業は、はくり紙を取る前に済ませます。複数個を並べるなら、掛ける物同士の間隔もこの段階で決めておきます。
例えば終業前に設置して翌朝から使うようにすれば、待機時間と使用開始を分けられます。日中に取り付ける場合は設置時刻を残し、1時間が過ぎるまでは備品を元の置き場に置きます。待っている間だけ軽い物を掛ける、という使い始め方にはしません。
設置した当日に別の担当者が使うなら、場所だけでなく使用開始時刻も伝えます。手順を増やすためではなく、接着直後のフックが完成した収納場所に見えてしまう点を補うためです。
フック2個とタブ6枚は、六か所分ではない
OfficeComのCMR6は1パックにフック2個、タブ6枚です。同時に設置できるフックは2個であり、6枚のタブを六つのフックと数えないようにします。例えば四か所へ一つずつ設置したいなら、必要な本体数から2パックと数えます。
タブは、フックを取り外して別の対応面へ付け直す際に交換する部材です。3Mは本体の再利用ができると案内していますが、使用済みタブを繰り返し貼るという意味ではありません。残ったタブを本体と一緒に保管しておけば、移設のときに必要な部材を探し直さずに済みます。
取り外すときは、掛けた物を先に下ろし、本体を上へ外してからベースを軽く支えます。タブは壁面に沿ってゆっくり下へ伸ばします。ベースを強く押さえ込んだり、タブを斜め手前へ引いたりすると、タブが切れる原因になるため、通常の両面テープのように引きはがしません。
移設先でも、表面と重量、取り外し空間の条件はあらためて確認します。以前うまく使えた本体だからといって、壁紙や別の加工面へそのまま適用はできません。ベースの浮きやタブのずれが見られた場合も、物を下ろし、押し戻すだけで使い続けないようにします。
メーカー側の表示には「10パック/箱」という流通単位があります。紹介先の「1パック2個入」と区別し、CMR6の商品内容と注文単位を確認する
際は、必要な本体数から注文数量を照合してください。
対応面がなければ、穴を開けない別方式へ
滑らかなスチール家具が使え、頻繁に位置を変えたいなら、磁石で付ける方式も比較できます。CMR6はタブの交換と接着後の待機が必要なので、毎日のように付け替える使い方より、軽い備品の定位置を作る使い方に向きます。
壁紙しか使える面がない場合は、自立式の収納や家具へ固定する方式を検討します。重量が大きく変わる鞄置き場なら、物を載せる収納に変えることも選択肢です。別方式にも対応寸法や耐荷重があるため、穴を開けない条件と、収納したい物の条件を一緒に比べます。
CMR6を選ぶ条件がそろったら、3M コマンドフック CMR6の内容を商品ページで確認する
と、同じ型番で必要な個数を手配できます。
結論
CMR6は、対応する滑らかな面に、重量を把握できる軽い備品の定位置を作るための候補です。壁紙や変動の大きい荷物置き場には選ばず、取り外す方向まで確保できる場所に絞ります。
場所と用途が決まったら、Mサイズ・耐荷重1.3kg・1パックの内容を商品ページで確認
してください。