事務所で靴を履き替えるなら、外履きとスリッパを別々の棚へ置くより、一人分を上下で対応させると戻す場所が分かりやすくなります。9人までの固定席なら、3列3段で靴とスリッパを各9足収納できるシューズラックが候補です。
この記事では、事務所の靴とスリッパを同じ棚へ収納したい人に向けて、必要な区画数の数え方、玄関で測る場所、木製棚を避けたほうがよい環境を説明します。
人数ではなく「同時に置く最大足数」で決める
靴箱の人数表記は、常勤者数だけで決めないでください。次の人が同時に履き替える可能性を数えます。
- 普段その事務所で働く人
- 同じ時間帯に来るパート・アルバイト
- 定期的に入る清掃や保守の担当者
- 来客にもスリッパを用意する場合の最大人数
たとえば従業員7人の事務所でも、来客2人が同時に履き替えるなら9人分が必要です。反対に来客用スリッパを別のラックで管理するなら、従業員分だけで足ります。
空き区画を予備用品で埋めると、急な来客時に使えません。1~2区画は空けておく運用にすると対応しやすくなります。
外履きと内履きを上下で組にする
中棚があるシューズラックでは、一つの区画に外履きとスリッパを分けて置けます。誰の靴かを文字で表示しなくても、使用中のスリッパと残っている外履きの位置を対応させやすい構造です。
一方で、靴の向きや戻す場所を決めなければ、空いている区画へ置かれてしまいます。導入時に次のルールを決めます。
- 上段と下段のどちらを内履きにするか
- 左上から使うなど、使用順を決めるか
- 固定の区画にするか、空いている区画を使うか
- 来客用と従業員用をどの列で分けるか
- 濡れた靴を置く前に水分を拭くか、別の受け皿を使うか
固定メンバーが多いなら区画を固定し、来客が中心なら使用順を決めるほうが運用しやすくなります。
玄関で測る場所
本体寸法だけでなく、人が履き替える動線を含めて測ります。
棚の前に立てる奥行を残す
シューズラックの奥行に加え、扉の開閉、靴を脱ぐ人、後ろを通る人の空間が必要です。オープン棚は扉の開閉分を考えなくてよい一方、靴が棚から少し出ることがあります。
最も大きい靴を棚へ置いた状態を想定し、通路を狭めないか確認します。非常口や避難経路、扉の開閉範囲には置かないでください。
高さ1190mmが掲示物や窓を隠さない
棚の上に物を置く予定がなくても、壁のスイッチ、掲示板、窓、手すりと干渉しないか確認します。天板上を一時置き場にすると物が落ちることがあるため、基本は空けて運用します。
床の傾きと壁際のがたつきを確認する
玄関の床には水勾配や段差がある場合があります。アジャスターで微調整できる商品でも、大きな傾きや柔らかいマットの上では安定しません。硬く水平な場所を選び、必要な転倒対策は建物や製品の条件に合わせて検討します。
靴の高さを確認する
パンプスや短靴だけなら固定位置で収まりやすい一方、ショートブーツやハイカットシューズは高さが必要です。可動棚の調整段数を確認し、最も高さのある靴を実測します。
背の高い靴に合わせて中棚を動かすと、反対側のスリッパ収納が狭くなる可能性があります。靴とスリッパの両方を同時に置き、取り出すための手の空間も残るか考えます。
ロングブーツや安全靴のように大きく重い履物が中心なら、今回のような中棚付き木製ラックではなく、対応寸法が明示された業務用シューズボックスを検討します。
木製棚は濡れた靴を直接置く場所に向かない
今回紹介する商品ページには、濡れた靴や雪が付いた靴を直接置くと、棚の表面材が剥がれたり膨れたりする場合があるという注意書きがあります。
雨天時に濡れた靴をそのまま置く事務所、雪が多い地域、土や泥を持ち込みやすい現場では、水に強い樹脂棚タイプを優先します。木製の見た目だけで選ばず、日常の靴の状態を基準にしてください。
乾いた靴だけを置く運用でも、玄関マットで水分や汚れを落とし、棚を定期的に清掃します。オープン棚は中が見えるため、汚れに気づきやすい反面、整頓状態もそのまま見えます。
靴とスリッパを各9足置けるシューズラック
3列3段・9人用スリッパシューズラックは、外履きと内履きを一つの区画で分け、9人分をまとめたい場合の候補です。
オフィスコムの商品ページで確認できる主な仕様は次のとおりです。
- 本体外寸: 幅900×奥行350×高さ1190mm
- 収納数: スリッパ9足、シューズ9足
- 配列: 3列3段
- 中棚: 32mmピッチ、4段階調整
- 本体・棚板: 強化紙化粧板、パーティクルボード
- 本体重量: 31.94kg
- アジャスター付き
- 組み立てにプラスドライバーが必要
中棚の位置を変えることで、ショートブーツやハイカットシューズへ対応できます。ただし、濡れた靴を直接置く用途には向きません。
外履きを下、スリッパを上に置く
一つの区画を上下に分けるなら、屋外の汚れが付く靴を下、室内で使うスリッパを上にします。外履きから砂やごみが落ちても、スリッパへ直接かかりにくい配置です。利用者ごとに上下を逆にすると清掃時に迷うため、全区画で統一します。
靴底を棚の奥へ押し付けず、つま先と踵の向きも決めます。来客用は空いている場所へ自由に置くより、専用の列を表示したほうが、使用済みと未使用のスリッパを区別しやすくなります。
来客用スリッパの使用前後を混ぜない
来客が棚へ戻したスリッパを、未使用の物と同じ場所へ戻すと、次の人は清掃済みか判断できません。使用後は受付へ返す、専用の回収場所へ入れるなど、棚へ戻す前に状態を分けます。清掃方法と再配置の担当は、スリッパのメーカーが示す手入れ方法に合わせて決めます。
誰でも空き区画を使う運用なら、「空いている」と「清掃済み」を同じ意味にしないことが大切です。来客には入口で置き場所を案内し、外履きと内履きの向きを迷わせない表示を付けます。受付が無人になる時間帯でも同じ流れで使えるか確認してください。
靴を置くことを在席確認に使わない
商品ページでは、オープン棚なので出欠を確認しやすいと案内されています。ただし、外出時に靴を履く、別の出入口を使う、スリッパを使わない人がいると、棚だけでは正確な在席状況を判断できません。勤怠や災害時の安否確認は、会社の正式な仕組みを使います。
区画へ個人名を表示すると、玄関から在籍者や不在者が分かる場合もあります。固定区画にする場合は、社員番号や部署表示が本当に必要かを情報管理の観点から検討します。収納場所を分かりやすくする目的と、在席情報を公開することを分けて考えます。
履き替えに配慮が必要な人へ別の方法を用意する
立ったまま靴を脱ぐことが難しい人には、安定して座れる場所や、手すりを使える動線が必要です。棚の前へ椅子を置く場合も、通路や扉を塞がず、ほかの利用者と動作が重ならない位置にします。
業務上の安全靴、医療上の理由で指定された履物、装具を使う人へ、一律に同じ区画やスリッパを求めないようにします。本人と管理担当が必要な置き方を確認し、収納できない履物を棚の横へ無造作に置かない代替場所を決めます。
におい対策は物を入れて隠すだけにしない
芳香剤や消臭剤を棚へ入れても、濡れた靴や汚れを放置する問題は解決しません。まず水分と土を持ち込まない運用、棚を空にして清掃できる時間、室内の換気方法を整えます。薬剤を使う場合は、製品の注意表示と職場の衛生ルールに従います。
オープン棚は状態を見つけやすいため、異臭、汚れ、棚板の膨れや剥がれに気づいた人が管理担当へ連絡できるようにします。傷んだ棚をそのまま使い続けず、原因が水分なのか過度な荷重なのかを確認してから、補修や交換を判断します。
中棚の調整幅は最大で約96mm
中棚は32mmピッチの4段階です。最も低い位置から最も高い位置まで三つの間隔があるため、調整幅は単純計算で約96mmです。ショートブーツ側を広げるとスリッパ側は同じ分だけ狭くなるので、片方の履物だけを測って決められません。
最も高さのある外履きと、厚みのある来客用スリッパを上下へ重ね、必要な高さを測ります。約96mm動かしても収まらないロングブーツや大型安全靴があるなら、その人だけ別置きにするか、縦長区画のあるシューズボックスを選びます。
9人分を固定すると来客区画がなくなる
従業員9人へ一人一区画を固定すると、来客用の空きは残りません。来客も履き替える事務所では、従業員を7~8人までにするか、来客専用のスリッパラックを別に用意します。
反対に、毎日出社しない人同士で区画を共有すると、靴を置いたまま帰った日に重複します。共有するなら、外履きを退勤後に残さない、私物のスリッパを置かないなど、区画を空にする条件が必要です。人数表記より「同じ時刻に何区画が埋まるか」で決めます。
木製オープン棚は毎日の乾燥と清掃を前提にする
オープン棚は扉がないため中の状態を確認しやすい一方、玄関から靴の汚れやにおいが見える構造です。終業後も靴を入れたままにするなら、定期的に全区画を空け、棚板のごみや水分を確認します。
本体は空の状態でも31.94kgあります。清掃のたびに移動する家具ではないため、壁際や床との隙間を掃除できる設置方法も考えます。濡れた靴を日常的に扱う環境では、拭いてから置くルールだけに頼らず、水に強く棚板を外して洗える製品と比較してください。