会社のルーターを停電から守るUPS|消費電力と運転時間で選ぶ

会社のルーターとONUに使うUPSを、425VA・255Wの容量、負荷別運転時間、バックアップ4口、矩形波の適合から検討。BE425M-JPの初回充電とバッテリー交換不可の条件も解説します。

会社のルーターを停電から守るUPS|消費電力と運転時間で選ぶ

短い停電で会社のルーターやONUが止まるのを防ぎたいなら、UPS(無停電電源装置)で通信経路に必要な機器へ給電を続ける方法があります。選ぶ順序は、残す機器、合計負荷、必要な運転時間です。「小さなルーターだから足りる」とは決めず、差込口と出力波形の適合も照合します。

APC ES 425VA/255W BE425M-JP は、バックアップ用の4口へ少数の通信機器をつなぎ、短時間の給電を確保したい場合の候補です。容量は最大425VA・255W。長時間の停電を乗り切る電源としてではなく、必要な作業を終えるまで何分持たせたいかを先に決めると、選定条件を整理できます。

ルーターの手前と先にある機器も拾う

まず、壁の回線端子から普段使う端末までの接続をたどります。光回線の終端装置であるONUがルーターと別に置かれている場合、ルーターだけ通電しても、ONUが止まれば外部との通信は続きません。途中にLANスイッチがあれば、その電源も対象になるかを判断します。

小規模オフィスなら、ONU、Wi-Fiルーター、LANスイッチ、必要なIP電話機器が候補になります。ただし、今つながっている物をすべてUPSへ移すのではなく、停電中に行う作業から絞ります。たとえば「通話を終えて業務システムからログアウトするまで10分ほしい」という目的なら、その通信に必要な機器を残す考え方です。

パソコン側の電源も別に確認します。バッテリーのあるノートパソコンと、電源が切れるデスクトップでは、同じ通信環境を残しても続けられる作業が異なります。後からパソコンまで追加すると、UPSの負荷と必要口数が変わるため、当初のルーター用の計算を流用しません。

また、このUPSが給電するのは接続した社内機器です。建物外や通信事業者の設備が停止した場合まで、インターネットやIP電話の継続を保証するものではありません。外部回線が使えない場合の連絡方法は別に用意します。

容量はWとVAの両方を照合する

BE425M-JPには、425VAと255Wという二つの出力上限があります。Wは実際に消費される電力、VAは交流の電圧と電流に基づく容量を表す単位です。片方をもう片方と同じ数字として扱わず、接続機器の合計が両方の上限に収まることを確認します。

機器の仕様書に消費電力や最大消費電力があれば、まずそのW数を一覧にします。次は仮の計算例です。

  • ONU:12W
  • Wi-Fiルーター:18W
  • LANスイッチ:15W
  • IP電話機器:10W

合計は12+18+15+10=55Wです。これは手元の機器の実測値ではありません。実際には型番ごとの値を使い、平常時の低い値だけを上限として計算しないでください。55Wなら255Wを下回りますが、それだけでVA側の確認や運転時間の確認を終えたことにはなりません。

ACアダプターは、コンセントから受ける「入力」と、通信機器へ渡す「出力」を区別します。たとえば出力にDC12V・1Aと書かれていても、その12WをUPSから受ける電力の確定値として使うことはできません。変換するアダプターを含めた交流入力側で考える必要があります。

入力にAしか書かれていない場合、使用電圧との積で得られるのはVA側の値です。Wと同一視したり、出力の電流を入力電圧へ掛けたりしません。必要な値が資料で分からなければ、機器とアダプターの型番、使用する100V電源を伝えてメーカーへ確認します。ここはUPS側の容量不足ではなく、接続する機器側の負荷を確定する工程です。

255W以内でも10分動くとは限らない

容量の条件を通過したら、同じ機器構成で必要な時間を給電できるかを見ます。メーカーのBE425M-JP用バックアップ時間表には、次の標準値が掲載されています。

  • 100VA・60W:28分
  • 200VA・120W:12分
  • 300VA・180W:6分
  • 400VA・240W:3.4分

表の負荷が120Wなら標準値は12分なので、10分という目的に対して検討を進められます。一方、180Wは255W以内でも標準6分であり、10分の目的には届きません。この場合は接続対象を減らすか、同じ負荷でもっと長く給電できるUPSを比較します。

12分という標準値も、10分を必ず確保できる保証ではありません。メーカーは、充電状態、周囲温度、使用年数などで実際の時間が変わると案内しています。新品時の表の数字と必要時間が近い場合は、その余裕をどう評価するかが購入判断になります。

先ほどの55W例について、60W・28分の行から比例計算で正確な時間を出すことはしません。手元の負荷に対応するメーカーのランタイム情報と照合し、表にない条件は確認してから候補を絞ります。この記事では特定の機器構成を実測していません。

さらに、この型番はバッテリー運転が連続140分になると出力を停止する仕様です。極めて小さい負荷なら何時間でも延ばせるわけではなく、140分は標準的な運転時間でも最低保証時間でもありません。長時間の給電を目的にする場合は、この上限も選択を分けます。

六つの差込口のうち停電時に使えるのは四つ

本体上面には六つの差込口がありますが、役割は次の二種類です。

  • バッテリーバックアップとサージ保護の4口:停電時にバッテリーから給電する接続先。
  • サージ保護のみの2口:停電時のバッテリー給電は行わない接続先。

ONUやルーターなど、停止させたくない対象は前者へ割り当てます。サージ保護は一時的な電圧の急上昇に対する機能で、バッテリー給電とは役割が異なります。外見が似た六口を数えただけでは、停電時の接続計画になりません。

四台なら必ず四口に収まるとも限りません。大きなACアダプターが隣の口をふさがないか、コードが抜き差しの邪魔にならないかを、接続する実物の幅と向きで見ます。商品画像とマニュアルの口配置を参照し、本体のバックアップ表示で接続先を確かめます。

必要なプラグが五本なら、合計W数に余裕があっても本体のバックアップ口は不足です。この記事の選定ではタップ増設を前提にせず、対象を絞るか必要口数を持つUPSへ変えます。外した一台が通信経路に必要なら、台数だけを減らして目的を失わないようにしてください。

矩形波と切替時間が機器の条件に合うかを見る

BE425M-JPは常時商用給電方式で、通常時は商用電源を使い、停電時などにバッテリー運転へ切り替えます。バッテリー出力は矩形波で、メーカーはPFC(力率改善回路)電源を使う機器にはESシリーズ以外を選ぶよう案内しています。

ルーターやONUという機器名だけでは、接続できると判断しません。実際に使うACアダプターも含めて出力波形への対応を確認し、PFC電源や正弦波指定など、この製品に合わない条件があれば候補から外します。容量が小さいことと、波形が適合することは別です。

切替時間もゼロではなく、販売仕様は標準4ミリ秒・最大8ミリ秒、ユーザーズマニュアルは通常4ミリ秒としています。瞬断を許容できない用途では、UPSという名称だけで選ばず、機器側の条件に合う方式を比較します。仕様上の適合を調べた後も、導入時には対象機器が再起動しないかを確認します。

設置場所と初回充電の時間を用意する

メーカー資料による本体寸法は幅253.5×奥行105×高さ140.2mm、重量2.95kgです。販売ページの寸法は幅253×奥行105×高さ140mmと丸められています。上面のプラグやアダプターを加えた高さ、コードの経路、表示を見る場所まで含めて設置面を決めます。

電源コードは1.5mです。マニュアルは壁のコンセントへ直接接続し、通気をふさがず適切な空間を確保するよう指定しています。入力プラグはメーカー一覧ではNEMA 5-15Pですが、販売ページには2ピンとの表記があります。販売側の表記だけで二口の壁コンセントに合うと決めず、メーカー指定の形状・接地条件と設置先を照合してください。

出荷時はバッテリーコネクターが外されているため、届いたまま接続して運用を始めません。接続はマニュアルの手順に従います。仕様欄の充電時間は8時間ですが、初回についてはAC電源につないで24時間充電した後にフル稼働すると案内されています。到着当日の短い作業時間だけで導入を終える予定にはしないほうがよいでしょう。

切替と復電を試し、本体更新まで見込む

導入時は社内ネットワークや電話を止められる時間を取り、接続図、機器型番、合計負荷、確認日時を残します。マニュアルに沿って動作を確認し、UPSがバッテリー運転になったことに加え、ルーター・ONUが再起動しないこと、必要な席で通信や通話ができることを見ます。

長い停電で給電が終わった場合を考え、復電後に機器の表示と通信が戻るかも確認します。給電できることとネットワークが復旧することは別の確認項目です。接続機器を追加したら、以前の運転時間をそのまま使わず、負荷と口数から評価し直します。

BE425M-JPはバッテリー交換不可のモデルです。メーカーは交換時期にUPS本体を買い替えるよう案内しています。保証は3年間ですが、保証期間中ずっと同じ運転時間が得られるという意味ではありません。交換用バッテリーだけを買って使い続ける計画にはせず、本体の更新費用と入替時の通信停止時間も見込んで候補にします。

必要時間と四口の接続計画で絞る

機器の波形・容量条件に合うことを前提に、必要な負荷で給電時間を確保でき、対象のプラグがバックアップ4口へ収まるなら、BE425M-JPの仕様を詳しく比較する段階です。負荷一覧と必要な分数を手元に置き、商品画像の口配置と現在の販売状態を確認してください。

BE425M-JPの商品画像と販売状態を確認する

参考資料