オフィスのネットワーク機器を10Uラックへまとめる|使用U数と棚の分け方

小規模オフィスのネットワーク機器を一か所へまとめたいIT・総務担当者へ。10Uラックに載せる機器の使用U数、棚置き、総耐荷重、配線余長、キャスター移動を確認する方法を解説します。

オフィスのネットワーク機器を10Uラックへまとめる|使用U数と棚の分け方

スイッチ、録画機器、配線用の部品が別々の棚や床へ置かれていると、障害時に接続先をたどりにくく、点検のたびに周囲の物を動かすことになります。これらを一台へまとめるなら、19インチマウント対応の小型ラックが候補です。

ただし、「10U」は機器10台を載せられるという意味ではありません。この記事では、小規模オフィスのIT・総務担当者に向けて、機器の使用U数、棚置きする物、重量、配線、移動経路から10Uラックへ収まるかを判断する方法を説明します。

マウントする機器と棚へ置く機器を分ける

最初に、まとめたい機器を接続順に書き出します。機器名だけでなく、型番、電源、接続先、現在の設置場所も記録してください。通信を止められない時間帯に、接続先が不明なケーブルを抜いて確認することは避けます。

一覧を作ったら、次の二つへ分けます。

  • 19インチマウント対応機器: 本体のラック取付部を使って支柱へ固定する
  • ラックへ直接固定できない機器: 付属棚へ置く

「幅が19インチくらいある」という見た目では判断できません。各機器の仕様書でEIA規格19インチラックへの対応、使用U数、固定方法を確認します。取付金具やレールが別売りの場合は、それらを含めた構成で考えます。

卓上型のルーターや小型装置は、幅が狭くてもマウント対応とは限りません。棚へ置く場合は、本体の脚が棚面へすべて載るか、前後のコネクターへ手が届くか、吸排気口を塞がないかを確認します。

10Uは機器の使用U数から割り当てる

ラックへ直接固定する機器には、1U、2Uなどの使用ユニット数が示されています。10Uへ収まるかは、台数ではなく、この数を合計して判断します。

たとえば、1U機器が3台、2U機器が1台なら、機器本体の合計は5Uです。

1U × 3台 + 2U × 1台 = 5U

残り5Uをそのまま空きと数える前に、棚板を取り付ける位置と、棚上の機器が占める高さを配置図へ加えます。棚置き機器は仕様に使用U数がないことがあるため、本体高だけからU数へ丸めず、ラック支柱のユニット番号と棚の取付位置を使って実際の占有範囲を確認します。

電源やLANケーブルを接続した状態も図へ反映します。機器本体が収まっても、背面プラグを急角度に曲げる、隣の機器を外さないとケーブルを抜けない配置では、点検しやすい集約にはなりません。

付属棚2枚の使い道を先に決める

ネットワークラックキャビネット(10U)には、マウント式の棚板が2枚付属します。メーカーは、機器の熱を逃がすスリットがある2種類の棚板と案内しています。

棚へ置く候補は、19インチマウントへ直接固定できない小型機器です。一枚に何台置けるかは、各機器の底面寸法とケーブルの張り出しを紙上へ写して決めます。機器を重ねて台数を増やす前提にはせず、それぞれの説明書にある設置姿勢と周囲の空間を守ってください。

商品ページで確認できるのはラック全体の総耐荷重100kgで、棚一枚ごとの耐荷重は示されていません。100kgを棚板の枚数で割ったり、一枚へ100kgを載せられると解釈したりせず、棚ごとの許容荷重が判断に必要なら販売店またはメーカーへ確認します。

商品仕様は搭載予定の機器一覧と照合する

CP-NWR10UBKについて、オフィスコムとメーカーのページで確認できる主な仕様は次のとおりです。

  • 本体外寸: 幅520×奥行510×高さ657.5mm
  • 本体重量: 12.5kg
  • ユニット数: 10U
  • 総耐荷重: 100kg
  • 対応: EIA規格準拠の19インチマウント
  • 棚板: マウント式2枚
  • 付属する機器取付用ネジ: M6ネジ10個
  • キャスター: 直径50mm、ストッパー付き4個
  • 組み立て: お客様組立品

付属ネジが10個あることと、機器を10台固定できることは同じではありません。各機器が必要とするネジ数、取付位置、取付金具を機器側の説明書で確認します。メーカーはケージナットを挿入せずネジで固定できる構造と説明していますが、搭載機器が別の支持方法やレールを必要とする場合は、その条件を優先してください。

また、総耐荷重にはラックへ載せる機器、棚板、追加部品を含めて考えます。本体へ総耐荷重分を載せた場合、単純合計は112.5kgです。床の許容条件やエレベーターの利用可否を数値だけで判断できない場合は、施設管理者へ設置位置と移動経路を確認します。

奥行510mmに配線と操作空間を足す

設置面を幅520×奥行510mmだけで確保すると、前後のケーブルや点検作業が通路へはみ出すことがあります。搭載予定の機器ごとに、本体奥行へ次を加えてください。

  • 前面のスイッチ、表示、端子を操作する手の空間
  • 背面コネクターと、ケーブルを無理に曲げない範囲
  • 電源タップやACアダプターを固定する場所
  • ラックを手前へ引いたときに必要なケーブルの余長

オープンラックは前後から機器へ触れやすい一方、扉や背板で人の接触を防ぐ収納ではありません。通路沿い、不特定の人が入る場所、清掃道具が当たりやすい場所では、機器を露出したまま置くリスクがあります。施錠、防じん、防音が必要なら、10Uという容量が合っていても別構造のラックを比較します。

キャスターは点検位置まで動かすために使う

4個のキャスターにはストッパーが付いています。普段は決めた位置で固定し、背面配線の点検時だけ手前へ動かす運用にすると、キャスターの役割が明確になります。

購入前に、床へ本体の輪郭を示し、点検位置まで動かしてみます。実物の代わりに幅520×奥行510mmの型を作り、次を確かめてください。

  • キャスターが床の段差、溝、厚いマットへ引っかからない
  • 手前へ動かしても避難経路や扉を塞がない
  • 移動中に電源、LAN、映像ケーブルが張らない
  • 通常位置へ戻した後に4個のストッパーを操作できる

ラックが動いても、壁側のケーブル接続点は動きません。接続したまま点検位置まで引き出すなら、必要な余長を先に決め、床へ垂れたケーブルをキャスターで踏まない経路へまとめます。別室へ機器を載せたまま運ぶ用途は、敷居や傾斜を含む経路と、各機器の移動条件を別に確認する必要があります。

実機を載せる前に配置図と停止手順を作る

導入時は、通信を止められる時間帯を決めてから作業します。配置図には、上から順にユニット番号、機器名、電源の接続先、LANポートの接続先、棚板の位置を記録します。

組み立てはメーカーの説明書に従い、空の状態でがたつき、ネジの固定、キャスターとストッパーを確認します。次に、一度にすべてを移さず、接続関係を記録した機器から順番に搭載します。重い機器をどの位置へ置くか、持ち上げを何人で行うかは機器側の説明書と社内の安全手順に合わせます。

移設後は、通常位置へ戻してストッパーを固定し、ネットワーク、録画、監視など必要な機能を確認します。表示が見えない、一本のケーブルを追えない、棚上の機器を外さないと隣へ触れない場合は、その状態を完成とせず配置を直します。

配線変更と障害復旧を同じ記録で追えるようにする

ラックへまとめると機器は探しやすくなりますが、誰でもケーブルへ触れられる状態では、障害原因を増やします。ユニット番号と機器名に加え、各ポートの接続先、電源を止めたときに影響する業務、管理担当を記録し、現物の表示と配置図を一致させてください。使われていないように見えるケーブルも、記録と照合するまでは抜きません。

機器の追加、交換、棚位置の変更を行うときは、作業前の配線状態を残し、変更理由と確認結果を配置図へ反映します。作業後に通信できなければ、闇雲に別ポートへ挿し替えず、変更した範囲を元へ戻せるようにします。設定のバックアップや復旧方法は機器ごとに異なるため、ラックの導入作業とは別に各機器の管理手順で確認が必要です。

オープンラックを選ぶ場合は、ラックへ近づける人も決めます。来訪者や一般社員が通る場所で接触を防げず、周囲を施錠管理できないなら、搭載量が収まっても扉付きラックや専用室を比較します。容量だけでなく、変更履歴とアクセス管理を維持できることが、集約後に障害対応を早める条件です。

10Uで足りるかは二つの条件で決まる

このラックを候補にできるのは、マウント機器と棚置き機器を合わせた配置が10Uの範囲へ収まり、通常位置から点検位置までケーブルを張らずに動かせる場合です。

どちらかを満たさないなら、15Uなど容量が異なるラック、奥行が合うラック、扉付きの機器収納と比較します。条件を満たせる場合は、10Uネットワークラックの商品画像と販売状態を確認するとともに、搭載する全機器の仕様書を並べて配置図を完成させてから選んでください。

参考資料