会社のLANケーブルが接続できない|断線確認へ進む前の切り分け

会社の有線LAN不調を端末・ポート・短いケーブルから切り分け、LAN-TST3Zで敷設配線を調べる段階を解説。両端の接続、LEDとG表示の読み方、ペア割れや速度を判定できない限界も確認します。

会社のLANケーブルが接続できない|断線確認へ進む前の切り分け

会社のパソコンが有線LANにつながらないとき、ケーブルを取り替える前に、どの部分を調べる必要があるかを絞ります。端末、ハブのポート、机上の短いケーブルのどれを替えても同じ経路で不調が残るなら、敷設済みの配線を調べる段階です。

LANケーブルテスター LAN-TST3Z は、ケーブルの両端へ親機と子機をつなぎ、内部の線がどの番号へ通じているかをLEDで確認する機器です。離れた場所にある配線の導通・断線・結線ミスを調べたい場合に向きます。一方、通信速度やネットワーク設定の正しさまで判定する機器ではありません。原因がまだ広い段階で購入するより、「何を確かめたいか」と「両端へ接続できるか」を先に決めます。

一台だけの不調か、同じ場所で続く不調かを分ける

最初に、隣の席も含めてつながらないのか、一台だけなのかを確認します。複数の席で同時に起きているなら、共通するハブやルーター、回線側を先に調べる方が原因を追いやすくなります。ただし、台数だけで原因を断定せず、発生した範囲と時刻を管理担当へ伝えます。

一台だけなら、今つながっている組み合わせを記録し、変える物を一つに絞ります。壁口からパソコンまでの短いケーブルを、通信できているケーブルへ交換するのが一例です。同じ端末・同じ壁口のまま復旧すれば、外した短いケーブルやその接続部分に疑いが寄ります。壁内の長い配線を引き直す前に調べる価値がある段階です。

短いケーブルを替えても変わらない場合は、管理担当が利用条件を確認した別のポートや端末で比較します。社内では席や端末ごとに接続条件が決まっていることもあるため、別の端末がつながらないという一回の結果だけで、配線不良と断定しません。比較先が業務上使える組み合わせかも含めて記録します。

例えば、同じパソコンが別の経路では通信でき、元の壁口では確認済みの短いケーブルに替えても通信できないなら、元の壁口から先が調査対象として残ります。ここで初めて、その経路の導通をテスターで確かめる意味が明確になります。端末とケーブルとポートを同時に替えると、改善してもどこが違ったか分からなくなるため、結果を一つずつ残してください。

リンクランプが点灯しているか、業務で使う接続先だけが開けないのかも、最初の記録に含めます。「接続できない」という言葉だけでまとめず、ケーブルを認識しない状態と、認識しているが目的の通信ができない状態を分けると、検査後に戻るべき確認先を失いません。

両端の形と場所を見て、テスターを接続できるか決める

LAN-TST3Zは、RJ-45コネクタを備えるUTP・STPケーブルに対応します。RJ-45は一般的な有線LANで使う差し込みプラグで、UTPはシールドのない配線、STPはシールドを備える配線です。電話用RJ-11にも対応しますが、本記事ではオフィスのRJ-45経路を対象にします。メーカー製品情報で対応ケーブルとコネクタを確認できます。

親機から子機を取り外せるため、一方を執務室、もう一方を配線収納部へ持っていけます。長いケーブルを外して机の上へ集める必要がないことが、この構成を選ぶ利点です。ただし、ケーブルのどちら側にも作業者がアクセスでき、機器へ差し込める接続口が必要です。壁内で終端が分からない配線を、この機器だけで探し出す使い方ではありません。

床下や壁を通る経路では、両端がプラグではなく、壁口やパッチパネルの差し込み口になっていることがあります。テスター側もソケットなので、その場合は間をつなぐ短いLANケーブルを用意します。付属品はテスト用電池、収納ケース、説明書であり、補助ケーブルは付属品欄に含まれていません。

この補助ケーブルには、あらかじめ動作を確認した物を使います。そうしないと、壁内配線を調べたつもりでも、追加した短いケーブルの不良を拾う可能性が残ります。検査している範囲が「壁内だけ」なのか「短いケーブルと壁口を含めた一つの経路」なのかを記録すると、異常が出た後に調べる場所を絞れます。

稼働中のネットワークから外せる経路だけを検査する

LAN-TST3Zの取扱説明書には、ネットワークが動作中の回線へ接続しないという注意があります。ハブやパソコンへつながったままの回線に追加し、通信を監視する製品ではありません。対象の両端を機器から外し、親機と子機だけを接続する準備が必要です。

作業前には壁口とハブ側ポートの表示、利用端末を対応させます。一方を外した時点で通信が止まるため、使っている席の作業を止められる時間に合わせます。片側が不明なまま順番にポートを抜いて探すより、既存の配線表や管理担当の記録を確認する方が先です。

LANケーブルで機器へ電力も送るPoEの測定機能もありません。給電中の機器や回線へつないで状態を測りたいなら、必要な機能がこの製品と異なります。今回の目的が停止できる一本の結線確認であれば候補になりますが、稼働中の監視が必要なら、この製品を選ぶ理由にはなりません。

LEDは番号の対応を一巡見て読む

両端へ接続して電源をONにすると、LEDが順番に点灯します。速くて番号を追いにくい場合はSのスローモードを使います。説明書には、点灯が必ず1番から始まるわけではないとの記載があります。開始直後の一瞬で判断せず、一巡を見てから親機と子機の番号を対応させます。

通常のストレート結線では、親機の1〜8に対して子機の同じ番号が順に点灯するかを確認します。例えば親機側が3を示すときに子機側の違う番号が点灯するなら、線のつながり方が想定と異なる可能性があります。単に「順番がおかしい」と記録するより、親機と子機の対応番号を残すと、結線を調べる担当へ伝わります。

断線の検出例では該当LEDが消灯し、ショートの検出例では親機側だけが点灯する様子が示されています。消灯した番号を見て即座に壁内の断線位置を決めるのではなく、説明書の検出例と照合します。この機器が示すのは線の対応や導通の異常であり、ケーブルのどの地点に原因があるかという距離ではありません。

クロスケーブルは意図的に番号の対応を入れ替えた配線です。親子機の点灯順が違うというだけで、すべてを結線ミスにしないでください。対象がストレートかクロスかを確認し、想定している結線と比べます。用途の分からない既存線は、元の施工情報も判断材料になります。

Gはグランドを表し、説明書ではシールド部分が導通している場合に点灯するとされています。8本の芯線の点灯とは別の情報です。シールドのないUTPでGが点かないことを、それだけでケーブルの故障と判定しません。逆に、Gの点灯だけで通信性能や設備全体の接地状態を確認したことにもなりません。

全番号が通っていても、速度やペア割れは判定できない

メーカーの仕様表では、ペア割れの検出は非対応です。ペア割れとは、端子の番号どうしが通じていても、組にするべき芯線の組み合わせが崩れた配線です。このような違いは、番号の導通がそろっていることだけでは見分けられません。自作や施工後の配線でそこまで検査したい場合は、必要な検出機能がある別方式を検討します。

また、対応ケーブル長300mという仕様は、テスターで調べられる対象の長さです。「300mまで業務通信ができる」「その距離で一定の速度が出る」という意味ではありません。ケーブル長を測って表示する機能もないため、不具合箇所までの距離を知りたい用途には合いません。メーカーの仕様表では、結線・断線の確認と、これらの非対応項目を分けています。

LEDが正常なら、その時点の検査範囲で大きな結線異常が見つからなかった、という結果として扱います。パソコンの設定、ネットワーク機器の状態、通信品質の確認は残ります。「テスターで正常だったのでケーブルには一切問題がない」と調査を閉じず、最初に行った組み合わせの記録へ戻って次の確認を決めます。

表示を確認してから、元の業務通信へ戻す

親機は006Pの9V乾電池1個で動き、付属する電池はテスト用です。説明書では、LEDが暗い、点灯が非常に遅いといった症状に電池交換が案内されています。スローモードを選んでいる状態と、電池不足による表示の変化を混同しないよう、検査前に確認済みのケーブルで表示を見ると比較しやすくなります。

結果を残したら、異常が見つかった経路は番号の対応、両端の表示、補助ケーブルを含む検査範囲をまとめて管理担当へ渡します。断線の検出だけで、修理場所や交換範囲がすべて確定するわけではありません。

利用へ戻す経路は、開始前のポートと端末の組み合わせへ復元し、リンク表示と実際の業務通信を確認します。テスターの点灯と、利用者が仕事に使えることを分けて確かめれば、検査だけで作業を終えてしまうことを避けられます。

両端を外せるRJ-45経路で、知りたいことが導通や結線の確認なら、LAN-TST3Zの商品画像と販売状態を確認する から親子機の構成を照合してください。速度の保証や断線位置の距離測定が必要なら、その目的に合う検査方式へ進みます。

参考資料