オフィスデスクに引き出しが必要か迷ったら、保管したい物の量ではなく、「席を立たずに取りたい物」と「足元に残したい空間」を分けて考えると決めやすくなります。
ペンや付箋、印鑑、充電ケーブルなど少量の文具だけなら、袖机ほどの収納量は不要かもしれません。この場合は、天板下に浅いセンター引き出しが一つある平机が候補です。この記事では、引き出し付きデスクが合う人、引き出し内寸の確認方法、幅800mmの机を置く前に測る場所を説明します。
引き出しが必要なのは「毎日使う小物に定位置がない」とき
デスクの引き出しは、書類を大量に保管するためだけのものではありません。筆記具や小型の事務用品を天板から片づけ、仕事を始めるときにすぐ取り出せる定位置として使えます。
まず、現在デスク上に置いている物を次の三つに分けます。
- 作業中に常時使う物: キーボード、マウス、電話など
- 毎日使うが、常時は出さない物: ペン、付箋、印鑑、ケーブルなど
- 使用頻度が低い物: 予備の文具、ファイル、個人の備品など
センター引き出しへ入れるのは、主に二つ目のグループです。使用頻度が低い物まで詰め込むと、必要な物を探しにくくなり、浅い引き出しの利点が薄れます。
引き出しなしでも困らないケース
次のような席では、引き出しを付けないほうが使いやすい場合があります。
- ノートパソコンとマウスだけで仕事が完結する
- 文具を共用収納から必要なときだけ持ってくる
- フリーアドレスで、席へ私物を残さない
- 天板下へキーボードスライダーや機器を取り付ける
- 車椅子や大柄な利用者のため、天板下の高さを最大限確保したい
引き出しがあると、天板下の一部が低くなります。「付いていれば便利」と考える前に、膝や太ももが当たらないかを確認してください。
浅いセンター引き出しが向く物
内寸高さ45mm程度の引き出しは、厚みのない文具を一段で見渡して置く用途に向きます。
入れやすい物
- ボールペン、鉛筆、蛍光ペン
- 付箋、消しゴム、クリップ
- 薄型の電卓
- 印鑑や名刺入れ
- 短い充電ケーブル
- A4用紙を少量まとめた書類
入れにくい物
- 厚いファイルやバインダー
- 背の高いペン立て
- 大型のテープカッター
- 箱入りの予備文具
- 飲料や食品
- 重い工具や大量の用紙
収納したい物を机上へ並べ、最も厚い物の高さを測ります。仕切りケースを使う場合は、ケースの外寸も加えてください。内寸と同じ高さでは開閉時に引っかかるため、余裕が必要です。
引き出し付きデスクを選ぶ条件
収納量だけでなく、机全体の使い方を次の順で確認します。
引き出し内寸と耐荷重が合う
幅、奥行、高さの内寸を確認し、毎日使う小物が重ならずに収まるか考えます。耐荷重は収納物の合計重量と比較します。
引き出しへ物を詰めすぎると、奥の物が見えず、開閉もしにくくなります。現在使う小物をすべて入れるのではなく、一段で見渡せる量に絞ります。
下肢空間へ体と椅子が収まる
机の外寸が部屋へ入っても、利用者が座れるとは限りません。天板下の幅、高さ、奥行を確認し、椅子の肘、太もも、膝が当たらないか見ます。
センター引き出しの下端は、天板裏より低くなります。普段使う椅子へ座り、床から太ももの上までを測り、靴や座面クッションを含めても余裕があるか確認してください。
幅800mmの天板で作業が収まる
幅800mmは、一人用としてはコンパクトです。ノートパソコン中心なら収めやすい一方、大型モニターを複数置く、紙資料を横へ広げる、電話機を常設するといった使い方では狭くなることがあります。
床へマスキングテープで幅800×奥行600mmの範囲を作り、実際の機器を置くつもりで配置を確認します。天板奥のトレーやモニタースタンドを活用する場合も、画面との距離とキーボードの操作場所を残します。
配線が引き出しと干渉しない
電源や映像ケーブルを天板下へ垂らすと、引き出しの開閉部に挟まることがあります。配線口、コード受け、引き出しの位置を確認し、ケーブルを可動部から離します。
昇降デスクでは、机を上下させるための余長も必要です。今回紹介する机は固定高さなので、昇降機能が必要な人には向きません。
浅型引き出し付きの幅800mmデスク
コクヨ リーン デスク DLE-H0806-WHは、少量の文具を天板下へしまい、幅800mmの一人席を作りたい場合の候補です。
オフィスコムの商品ページで確認できる主な仕様は次のとおりです。
- 本体外寸: 幅800×奥行600×高さ720mm
- 天板: 奥行500×厚さ25mm
- 引き出し内寸: 幅425×奥行332×高さ45mm
- 引き出し耐荷重: 5kg
- 天板耐荷重: 60kg
- 下肢空間: 幅722×奥行545×高さ638mm
- 引き出し: 開閉ラッチ付き
- コード受け開口部: 48mm
- 付属品: トレーブロック2個
- アジャスターの床傾斜調節範囲: 18mm
天板奥には配線トレーがあり、その下のコード受けへケーブルをまとめられる構造です。付属のトレーブロックはトレー上へ置き、モニターやタブレットの台として使えます。
外寸奥行600mmでも作業天板は500mm
本体の奥行は600mmですが、仕様上の天板奥行は500mmです。奥側の100mmは配線トレーとして使う構成なので、書類やキーボードを置く平らな作業面を奥行600mmとして考えることはできません。
奥行500mmへモニタースタンドを置く場合は、台座の手前にキーボードと手首の場所が残るか確認します。付属のトレーブロックへモニターを載せれば配線スペースを使いやすくなりますが、画面が高くなるため、座ったときの目線も合わせて確認します。
引き出しによって天板下は82mm低くなる
デスク高720mmに対し、下肢空間の高さは638mmです。単純な差は82mmあり、その範囲に天板と引き出し部分が収まります。現在使っている机の天板裏で膝に余裕がない人は、外寸の高さ720mmだけを見て選ぶと、引き出しへ太ももが当たる可能性があります。
椅子へ座った状態で床から太ももの最も高い位置まで測り、638mmとの差を確認します。座面クッションを使う人や、肘付き椅子を机下へ入れたい人は、その状態で試す必要があります。引き出しを使わない時間にも、この高さは変わりません。
A4用紙は平置きできても書類保管には浅い
A4用紙は210×297mmなので、内寸425×332mmの引き出しへ平らに置けます。ただし、高さは45mmしかなく、クリアファイル、封筒、文具トレーを重ねると残りは少なくなります。処理中の書類を一時的にしまう場所と、長期保管する場所は分けます。
また、この引き出しには鍵の記載がありません。個人情報を含む書類を離席中に保管する目的では、寸法が収まるだけでは不十分です。社内規程に合う共用書庫や鍵付きワゴンを別に用意します。
引き出しを付ける価値は毎日の出し入れ回数で決まる
毎日何度も使うペン、付箋、印鑑を天板から隠し、座ったまま取り出すなら、浅型一段でも役割があります。反対に、収納したい物が数点しかなく、フリーアドレスで毎日持ち帰るなら、持ち運べる小物ケースのほうが机を固定せずに済みます。
引き出しを個人の保管場所にするか決める
固定席へ引き出しを付けると、利用者は翌日も同じ物を残せると考えがちです。しかし、引き出しに鍵がなければ、離席中の私物や機密書類を守る保管場所にはなりません。社内で残置を認める物と、退勤時に持ち帰る物を決めます。
共有席で使う場合は、前の利用者が残した文具が次の利用者の物と混ざります。引き出しを空にして終えるルールにするなら、清掃時に忘れ物を確認する担当と、見つかった物の届け先も必要です。席へ個人の物を残す運用がないなら、引き出しなしの机と持ち運び用ケースを組み合わせるほうが管理を単純にできます。
開閉ラッチを使う人へ操作を共有する
商品ページでは、引き出しの手前にある板を押し上げて開く開閉ラッチが案内されています。一般的な取っ手を引く感覚で無理に開けようとすると、故障と勘違いしたり、引き出しへ余計な力をかけたりする可能性があります。
導入時は利用者へ開け方を伝え、引っかかる場合に強く引かないようにします。共有席では、初めて使う人にも分かる案内を用意します。引き出しの有無だけでなく、毎日の操作が利用者に受け入れられることも、机を選ぶ条件です。
配線トレーと引き出しの担当を分ける
天板奥のトレーを小物置きとして使い始めると、引き出しへしまう物との区別が曖昧になります。トレーはモニター周辺と配線、引き出しは使用中に出し入れする文具というように役割を分けます。
ケーブルの上へ書類や小物を重ねず、引き出しへ充電中の機器を入れたまま閉じない運用も必要です。収納を増やすことより、作業面、配線、文具の戻し先を分けられることに、浅型引き出しを付ける価値があります。
大量の書類を収めるために引き出し付きを選ぶのではなく、内寸425×332×高さ45mmへ一段で見渡せる物だけを残すのが、この机に合う使い方です。それ以上の収納量が必要なら、足元を狭める前にワゴンや共用収納と比較してください。