肘掛けが机に当たるときに確認したい6Dアームチェアの調整条件

オフィスチェアの肘掛けが机に当たり、椅子を十分に寄せられない方へ。机下の採寸、6Dアームの調整順、着座時と収納時の適合確認を解説します。

肘掛けが机に当たるときに確認したい6Dアームチェアの調整条件

肘掛けが天板や引き出しに当たり、椅子を入力しやすい位置まで寄せられない。この場合は、椅子全体の高さだけでなく、肘掛けのどこが机のどの部材に当たるかを確認します。肘を下げるだけで解消する接触と、前後や横方向へ位置を変える必要がある接触では、選ぶ条件が違います。

SIHOO エルゴノミクスチェア S300-OC は、上下80mm、前後45mmなどの調整を備えた6Dアーム付きの候補です。ただし、多方向に動くことは、どの机の下にも収まるという意味ではありません。作業中に腕を置いて机へ寄せられる位置と、離席時に収納する位置の両方を作れるかで判断します。

天板の高さではなく、最初に当たる部材を測る

机側で測るのは、床から肘掛けが通る場所の下面までの高さです。天板上面が高くても、その下に引き出しや補強材があれば、肘が通れる空間は狭くなります。机の中央の寸法だけで済ませず、左右の肘が入る位置をそれぞれ確認してください。

たとえば、床から天板上面まで720mm、天板厚が30mmなら、天板下面は690mmです。しかし、引き出しの下面が630mmなら、その位置では使える高さがさらに60mm小さくなります。これは採寸を説明する仮の例です。実際の机では、肘が先に触れる部材を基準にします。

椅子を少し寄せたところで止まるのか、奥へ入れる途中で当たるのかも見ます。前縁は通っても、奥の幕板や配線カバーで止まる場合があるからです。必要な収納の深さまで、左右の肘が通る経路を確認します。

横幅も同様です。肘を内側へ回したときに引き出しへ当たり、外へ向けると机の脚に当たる場合は、高さ調節だけでは解決しません。接触点が上下、前後、左右のどこにあるかを書き出すと、次に見るべきアームの機能を絞れます。

商品画像の肘高615〜695mmを、机下との比較の出発点にする

S300-OCの商品寸法図には、床から肘上面までの高さとして615〜695mmが示されています。肘の外側を結ぶ幅は650mm、アームパッドの長さは260mmです。数値が本文の仕様欄に見当たらなくても、寸法画像にある情報を含めて判断します。

ただし、この図では肘高を測ったときの座面設定が説明されていません。別に公表されている座面高440〜505mmと組み合わせて、すべての調整状態の肘高が615〜695mmに収まるとは断定できません。図の下限615mmを、普段の座面位置でも必ず作れる高さとして扱わないことが大切です。

寸法図と後述する肘の上下調整80mmは、机との大まかな比較に使います。最終的には使用する座面高で肘を下げたときの床からの高さを確認します。座面の昇降幅と肘の昇降幅を足し引きして、資料にない最低・最高値を作る方法は避けてください。

幅650mmも、全調整状態で一定の外幅を保証する表示ではありません。パッドを回転させれば、机の脚や引き出しに近づく部分が変わります。また、脚部まで含む本体幅は720mmなので、肘の幅だけで机下全体を通れると判断することもできません。

机下面と肘上面に数mmしか余裕がない組み合わせは、寸法図だけで決めず、現物で確認する対象です。商品画像にはサイズに多少の誤差がある旨の注記もあります。床材やチェアマットを含め、実際に置く床から測った値で比べます。

6Dの調整を、接触点を避ける動きに読み替える

公式の商品画像では、アームの機能を次のように示しています。

  • 上下昇降:80mm
  • 前後調整:45mm
  • 内外回転:75度
  • 肘パッドの回転調整:70度
  • 肘パッドの上下角度調整:30度
  • 座面との連動

これらは六つの独立した直線移動を意味するものではありません。高さを変える機能、パッドをずらす機能、向きを変える機能、座面の動きに連動する機能が含まれています。「左右に動く」という紹介だけから、任意の肘間隔まで狭められるとは考えないでください。

前縁に当たるなら、上下と前後を分けて試す

肘上面が天板の前縁に触れているなら、肘を下げることで通るかを確認します。一方、作業用の肘高を保ちたい場合は、パッドを後方へ移して、天板に入る先端の位置を変えられるかが判断材料になります。

前後45mmという可動量には限りがあります。長い引き出しの下を大きく避けられる機能ではありません。パッドを後ろへ動かしたあとも腕を置けるか、椅子を必要な位置まで寄せられるかを一緒に見ます。接触しなくなっても、入力機器から遠いままなら目的を満たしません。

横の接触は、回した途中の範囲まで見る

パッドの向きを変えると、角が内側や外側へ動きます。終点で机に触れないだけでなく、向きを変える途中で引き出しや机の脚をこすらないかも確かめます。狭い机下へ入れたまま無理に回すのではなく、いったん椅子を引いた位置で動かしてから寄せ直します。

上下角度30度の機能は、肘掛け全体を背もたれ側へ大きく跳ね上げて収納する機能とは異なります。肘を完全に退避させたい用途なら、「6D」という呼び方だけで跳ね上げ式と同じ働きを期待しないことが選定の分かれ目です。

これらの動きは、6Dアーム付きチェアの商品詳細を確認する 際に、寸法図と可動説明の画像を並べて見ると分かりやすくなります。一般のS300という名称の資料には仕様が異なるものもあるため、購入対象のS300-OCの表示を基準にします。

座面を決めてから、作業用と収納用の位置を作る

机との干渉を調べるときは、先に普段使う座面高を決め、そのあとに肘を調整します。座面高を変えると肘と机の相対的な位置も変わるため、肘だけを先に合わせると確認をやり直すことになります。

座面の前後位置も同じ順序で決めます。このチェアは座面スライドを備えていますが、座面を前へ出すことと、椅子全体が机へ近づくことは同じではありません。座面だけを動かして接触が解消したと考えず、座った位置からキーボードとマウスを操作して確かめます。

作業用の位置では、腕をパッドに置いた状態で机へ寄せます。片方の肘だけでなく、マウス側とキーボード側の両方を見ます。上下、前後、回転を一度に変えず、一つ動かしたら机に寄せ直すと、どの変更が接触を避けたのか分かります。

離席時の収納位置は、作業用の設定と別でも構いません。肘を下げる、パッドを後方へ動かすといった手順で収納できるなら、その操作を毎回再現できるかを試します。収納のために座面高も変える場合は、次に座るときに座面から戻す手順が増えることも判断に含めます。

座面との連動機能があるため、背を倒すなど座り方を変えた状態でも、肘の位置が同じとは限りません。机へ深く寄せた位置で調整を始めず、周囲の空間を確保した状態で動きを確認し、普段の入力位置へ戻したあとに干渉を再確認します。

幅720×奥行700mmの本体が動く床面も確認する

肘が机を避けられても、脚部が机脚やワゴンに当たれば椅子は寄せられません。本体は幅720×奥行700mm、重量25.34kgです。肘の調整とは別に、この大きさの椅子を置き、引き、回転させる場所を確保します。

机下の収納確認では、キャスターの向きが変わったときや、少し斜めに椅子を入れたときも見ます。本体幅と同じ幅の隙間があれば、自由に出し入れできるとは限りません。普段の動かし方で机脚、隣席、足元の収納物に当たらないかを確認してください。

ポリウレタンキャスターを採用していますが、床との組み合わせを一律に保証するものとしては扱いません。設置予定の床やマットで、出し入れの際の転がり方を試します。重量のあるチェアなので、何度も別の階や部屋へ持ち運ぶ計画なら、その移設作業も含めて検討します。

複数台を導入するときは、まず一台で、着座中の入力、離席、机下への収納、再着座まで通して試すと適合を判断できます。机の型番や引き出し構成が違う席へ、一席の結果をそのまま広げないことも大切です。

元の位置へ戻せることまで含めて選ぶ

共有席では、前の利用者と同じ設定を使う前提にせず、座面から順に調整して机へ寄せる手順を確認します。肘をどちらへ何度回したかを細かく暗記するより、作業位置と収納位置を利用者自身が作り直せるかを試します。多機能でも毎回調整に迷うなら、共有する使い方には合わない場合があります。

アームパッドが想定と違う動きをする場合は、可動する仕様なのか、取り付けや部品の状態によるものなのかを、付属説明書と販売元の案内で確認します。机に押し当てて止めたり、独自に締め込んで動きを封じたりはしません。組み立て後の確認やねじの点検も、実物に付属する説明に従います。

S300-OCを候補に残せるのは、公表されている可動範囲で接触点を避け、腕を置いたまま入力位置まで寄せられる場合です。収納時には別の設定が必要でも、無理なく戻せることまで確認します。肘を低くしても引き出しに当たる、脚部が机脚の間へ入らないといった条件が残るなら、調整方向の多さだけで選ばず、肘なしや跳ね上げ式など別方式を比較します。

参考資料