休憩室の冷蔵庫を転倒防止ベルトで固定できる?壁面と150mmを確認

休憩室や給湯室の冷蔵庫へ転倒防止ベルトを付けたい総務・防災担当者向けに、壁から150mmの対応距離、壁面強度、冷蔵庫容量、粘着固定と原状回復の確認方法を解説します。

休憩室の冷蔵庫を転倒防止ベルトで固定できる?壁面と150mmを確認

オフィスの休憩室にある冷蔵庫は、重いから地震でも動かないとは限りません。東京消防庁は、冷蔵庫の底に移動用キャスターがあり、揺れで大きく移動する場合があると案内しています。背面上部のベルト取付部分と壁をベルトで連結することは、その転倒・移動対策の一つです。

ただし、壁に穴を開けない粘着式でも、どの壁へ貼ってよいわけではありません。この記事では、総務・防災担当者へ、冷蔵庫と壁の両方を粘着パッドで固定する転倒防止ベルトを例に、壁面、壁までの距離、冷蔵庫容量を確認する順番を説明します。

TPF-5075Vの仕様を購入条件へ置き換える

ティープレート冷蔵庫用 TPF-5075Vの商品ページで確認できる主な仕様は次のとおりです。

  • 取付可能物: 容量約800Lまでの冷蔵庫
  • 対応距離: 壁から最大150mm
  • ベルト: 2本。1本あたり幅25×奥行350×高さ3mm
  • プレート: 4枚。1枚あたり幅75×奥行50mm、厚さ1.6mm
  • 耐荷重: 約200kg
  • 粘着部: 両端ともVHBのアクリル系粘着剤
  • 主なセット内容: ベルト、プレート、組ねじ、ワッシャー、アルコールパッド
  • 耐用年数: 約8~10年
  • 生産国: 日本

商品ページには阪神・淡路大震災の震度7相当の加振試験をクリアした旨もありますが、実際の地震動、建物、冷蔵庫、施工状態は設置場所ごとに異なります。この表示だけを根拠に、被害を防げると断定しないでください。

ベルトとプレートの内容を商品画像で確認する

冷蔵庫の固定位置をメーカー資料で探す

最初に冷蔵庫のメーカー名と型番を確認し、取扱説明書の「転倒防止」「地震への備え」「設置」などの項目を読みます。背面上部に固定用部品やベルト取付部がある機種は、その位置とメーカーが指定する方法を優先してください。

説明書が見つからない場合は、メーカー公式サイトで型番を検索します。固定用部の位置を確認できないまま、放熱口、配管、電源コード、薄い外装板などへ器具を付ける判断はできません。機器側の取付可否は冷蔵庫メーカー、建物側はビル管理会社や内装担当者へ分けて確認します。

壁から最大150mmに収まるか測る

候補のTPF-5075Vは、壁から冷蔵庫まで最大150mmに対応し、ベルト穴で2段階に調整できます。この距離は、床面の巾木から測るのではなく、実際に冷蔵庫側と壁側のプレートを貼る位置同士で確認する必要があります。

まず冷蔵庫を現在の使用位置へ置き、取扱説明書が求める放熱距離を保ちます。その状態で背面上部と壁の関係を確認してください。壁の下部だけに巾木がある、上部に梁や配線モールがある、冷蔵庫の背面が平らではないといった場合、床付近の隙間とプレート取付位置の隙間は一致しません。

採寸しにくい場合は、冷蔵庫を一人で動かして裏へ入らず、施設管理や設置業者へ依頼します。測った距離が対応上限を超える場合は、ベルトを斜めに引いて届かせるのではなく、別の固定方法を冷蔵庫メーカーや施工担当者へ相談してください。

穴を開けないことと壁を傷めないことは別

この商品は、冷蔵庫側と壁側の両端をVHB粘着パッドで固定するタイプです。ねじ穴を開けない点は賃貸オフィスで検討しやすい一方、商品ページには、粘着力が強く、剥がすときに取付面を損傷するおそれがあると記載されています。

購入前に、取付予定の壁について次の情報をビル管理会社へ伝えます。

  • 冷蔵庫と壁を地震対策用ベルトで連結したいこと
  • 壁側へ強力なアクリル系粘着パッドを貼ること
  • プレートを複数箇所へ付けること
  • 取り外し時に表面材を損傷する可能性があること

壁紙、塗装、化粧板など、表面の見た目だけでは下地の強度や粘着との相性を判断できません。「穴を開けないから申請不要」と決めず、社内の施設管理ルールと賃貸借契約上の原状回復条件も確認します。

壁面強度は外観では判定しない

商品ページは、取付前に壁の強度を確認するよう注意しています。粘着パッドが壁紙へ付いていても、地震時に壁紙や塗膜ごとはがれれば、冷蔵庫と建物を連結したことにはなりません。

壁の構造、表面材、下地の状態を確認できない場合は、写真だけで自己判断せず、ビル管理会社や内装施工者へ相談します。結露、水分、油汚れが生じる場所では、表面の清掃だけで解決できるかも確認が必要です。

内閣府の家具固定に関する解説でも、ベルトを粘着させる面は、ほこりや油汚れを落として強度を発揮させることが案内されています。ただし、清掃は弱い壁面を強くする方法ではありません。取付面そのものが適切だと確認した後に行う準備です。

容量と耐荷重を別々に照合する

「容量約800Lまで」は冷蔵庫の仕様表にある定格内容積と照合します。一方、耐荷重約200kgを、冷蔵庫全体の許容重量や、200kgの冷蔵庫なら必ず転倒しないという意味へ置き換えてはいけません。冷蔵庫の重量、形状、取付部、壁面の条件を販売元へ伝え、組み合わせとして使えるか確認します。

2本分の取付面を確保する

セットにはベルト2本とプレート4枚が含まれます。冷蔵庫側と壁側に、それぞれのプレートを説明書どおり配置できる面が必要です。一か所だけ平らな面があっても、セット全体を指定どおり取り付けられるとは限りません。

取付候補位置では、プレートが段差、曲面、継ぎ目、放熱部へ重ならないかを確認します。冷蔵庫の扉を開けたときに本体が動く、清掃時に前へ引き出す必要があるといった普段の運用も販売元へ伝えます。ベルトを付けた後は、清掃や点検のために冷蔵庫を動かす手順も変わるためです。

設置作業は、冷蔵庫と壁面の両方を確認できる担当者または業者へ依頼し、付属の説明書に従います。重い冷蔵庫を一人で傾けたり、通電中のまま無理に移動したりしないでください。

設置日と交換時期を設備台帳へ残す

耐用年数の目安は約8~10年です。外観だけでは取付時期を判断しにくいため、設置日、冷蔵庫の管理番号、製品型番、取付場所を設備台帳へ記録します。

定期点検では、ベルトの亀裂や伸び、プレートの浮き、粘着部周辺の壁紙や塗膜の変化、組ねじの緩みを確認します。冷蔵庫を買い替えたとき、壁を張り替えたとき、レイアウトを変更したときは、以前の取付条件を引き継がずに再確認します。

地震後にベルトへ大きな力が加わった可能性がある場合も、見た目だけで継続使用を決めません。冷蔵庫メーカー、製品販売元、建物管理者へ、機器側、器具側、壁側をそれぞれ確認します。

ベルト固定を扉や収納物の対策へ置き換えない

TPF-5075Vが連結するのは冷蔵庫本体と壁です。現行の商品ページには、冷蔵庫の扉を閉じた状態に保つ機能や、庫内の物の飛び出しを防ぐ機能は記載されていません。本体を固定しただけで冷蔵庫周りの対策が完了したとは考えず、冷蔵庫メーカーが案内する地震対策を確認します。

休憩室では、冷蔵庫の上へ電子レンジや箱を載せていることがあります。上置き物はベルトの対応範囲だと決めつけず、それぞれの機器の設置説明と施設側の対策へ分けて判断してください。冷蔵庫前に倒れやすいワゴンや避難を妨げる物がある場合も、ベルトとは別に配置を見直します。

清掃で動かす前に再設置の責任者を決める

背面清掃、修理、買い替えのために冷蔵庫を動かすと、壁との距離やベルトの状態が変わります。清掃担当者の判断で外して元に戻す運用にせず、誰が使用停止を指示し、再設置を確認するかを設備台帳へ記録します。

粘着部を一度外した後に再利用できるかは自己判断せず、販売元へ確認します。冷蔵庫を元の位置へ戻した後は、放熱条件、電源コード、扉の開閉、固定器具を一続きで点検し、確認が終わるまで使用を再開しないようにします。

壁面と距離を確認できた場合に候補にする

この転倒防止ベルトを候補にできるのは、冷蔵庫の固定用部と強度のある壁面を確認でき、両者の距離が商品の対応範囲に収まる場合です。壁に穴を開けないことだけでは、取付可否も原状回復も判断できません。

ビル管理会社と冷蔵庫メーカーへ確認できたら、TPF-5075Vの商品画像と注意事項を見るへ進みましょう。

参考資料