会議室を換気するタイミングは?CO2モニターで運用を決める

窓のない会議室の換気タイミングを決めたい担当者へ。CO2モニターの置き場所、1000ppmを参照する際の注意、表示を換気行動へつなげる記録方法、NDIR方式と電源の確認点を解説します。

会議室を換気するタイミングは?CO2モニターで運用を決める

窓のない会議室では、空気の変化を見た目だけで判断できません。「何となく息苦しい」と感じた人が扉を開ける運用では、利用者によって換気のタイミングが変わります。

二酸化炭素濃度を表示する機器を置けば、室内の状態を共通の数値として観察できます。この記事では、会議室の換気運用を担当する人へ、LEDの色でも状態を知らせるCO2モニターを例に、置き場所と換気行動の決め方を説明します。

CO2表示は換気を始める合図として使う

人が集まると、呼気によって室内の二酸化炭素濃度は上がります。CO2モニターは、その変化から換気状況を考える材料になります。ただし、表示値だけで室内の安全性や感染リスクを判定できる機器ではありません。におい、粉じん、化学物質などをまとめて測るものでもないため、既存の換気設備を止めてモニターだけ置く使い方は避けます。

導入前に、施設管理者へ空調・機械換気の運転方法を確認してください。会議室の利用者が換気設備のスイッチを切れる場合は、スイッチを入れた状態を通常運用にします。そのうえで、数値や色の変化を追加換気の合図として使います。

1000ppmは適用範囲を確かめて参照する

厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、空気調和設備を設けた特定建築物の居室について、二酸化炭素の含有率を1000ppm以下とする基準が示されています。

ただし、すべての小規模事務所へ同じ法的義務がそのまま適用されるわけではありません。管理する建物に適用される法令、ビル管理会社の基準、空調設備の設計条件を確認し、モニターのしきい値を決めます。商品側の色分けを根拠に施設ルールを作るのではなく、施設ルールへ表示を合わせる順番です。

数値は境界を一度超えた瞬間だけで判断せず、上昇が続いているか、換気後に下がるかも見ます。測定誤差があるため、表示値を精密な合否判定として扱わないことも重要です。

人の息と換気口から離れた代表位置へ置く

測定器を発言者の顔のすぐ近くへ置くと、その人の呼気を強く拾う可能性があります。反対に、外気が入る扉や給気口の直下では、会議室全体より低い値を示すことがあります。

設置候補は、利用者全員が色を見られ、次の場所から離れた卓上です。

  • 発言者の口元や着席者の顔のすぐ近く
  • 開閉する扉、窓、給気口、排気口の直近
  • エアコンの風が直接当たる位置
  • 日光や発熱する機器の近く

一つの会議室に観察位置を一か所決め、利用するたびに場所を変えないようにします。広い部屋や形が複雑な部屋では一台の表示だけで全体を代表できないことがあるため、設備管理者と測定位置や台数を検討してください。

換気前後を一続きで記録する

最初に、無人時または利用開始時の表示を確認します。次に、定員に近い人数で会議を行い、何分後に色や数値が変わるかを見ます。施設で決めたしきい値へ近づいたら、扉や窓を開ける、機械換気を強める、いったん退出するといった、その部屋で実行できる行動を一つに決めます。

換気を始めたら、表示が下がるかを同じ位置で観察します。下がらない場合は、開口部の組み合わせ、換気設備の運転状態、会議室の利用人数を見直します。「色が変わったら扉を開ける」だけで終えず、換気後の変化まで確認すると、機器が行動につながっているかを判断できます。

会議室ごとに、次の四項目だけを運用記録へ残すと比較しやすくなります。

  • 利用人数と開始時刻
  • 表示が変わった時刻
  • 行った換気方法
  • 表示が下がり始めた時刻

NDIR方式と補正機能を確認する

経済産業省と産業用ガス検知警報器工業会の二酸化炭素濃度測定器の選定等に関するガイドラインは、換気状況の確認に使う測定器について、光学式の検知原理と補正機能があることを推奨しています。

今回のCO2モニターは、光学式の一種であるNDIR方式とキャリブレーション機能を備えています。測定器を置いた直後の数値だけで運用を決めず、取扱説明書に従って立ち上げ、補正、動作確認を行います。複数台の値が大きく異なる場合や、換気しても表示が変わらない場合は、設置条件と機器の動作を切り分けます。

AT-C01の仕様を設置場所と照合する

プラスのCO2モニター AT-C01の主な仕様は次のとおりです。

  • 外寸: 幅107×奥行107×高さ86mm
  • 重量: 0.18kg
  • 測定方式: NDIR方式
  • CO2検出範囲: 0~5000ppm
  • CO2測定誤差: ±5%+50ppm
  • CO2分解能: 1ppm
  • 表示: CO2濃度、温度、湿度
  • 調整: CO2濃度のしきい値、LED明るさ3段階、オフモード、エコモード
  • 電源: ACアダプター
  • 付属品: ACアダプター、取扱説明書

本体は360度からLEDの色を確認できるピラミッド型です。会議参加者の誰か一人だけでなく、室内にいる人が変化へ気づける位置へ置けます。

一方、常時使うにはAC電源が必要です。本体の設置面だけでなく、アダプターからコンセントまでのコードを机の端や通路へ垂らさずに配線できるかを確認します。会議のたびに電源を抜いて別室へ移すより、観察位置と電源を固定できる部屋で使うほうが記録を比較しやすくなります。

色が変わった人に対応を任せない

モニターが見えても、誰が換気するか決まっていなければ会議はそのまま続きます。会議の主催者が対応する、受付担当へ連絡するなど、行動する役割を一つ決めます。

扉を開けると廊下の音が入る、窓を開けられない、空調を利用者が操作できない会議室では、色が変わってから方法を考えるのでは遅れます。利用人数を減らす、会議時間を短く区切る、別室へ移るなど、その部屋で選べる代替行動も施設管理者と決めておきます。

色だけでなく数値と行動表示を組み合わせる

LEDは室内の変化に気づく手段になりますが、全員が色の違いを同じように判別できるとは限りません。会議の主催者は色だけで判断せず、数値表示も確認し、施設で決めた換気行動を文字で掲示します。

掲示は「赤なら注意」のような状態説明だけにせず、設備を操作できる担当への連絡、会議の中断、別室への移動など、実際に選べる行動へ結び付けます。LEDをオフまたは暗くする設定を使う会議では、誰が数値を見るかを明確にします。色が見えにくい人へ対応を任せる運用は避けてください。

電源断や移設の後は基準記録を取り直す

AT-C01はACアダプターで動作します。清掃や席替えで電源を抜いた後、別の卓上へ戻した後も、以前の測定記録をそのまま比較対象にしません。取扱説明書に従って起動と表示を確認し、通常の換気設備を動かした状態で利用開始時の値を記録し直します。

商品ページには測定履歴を自動保存する機能の記載がないため、経時変化を運用へ使う場合は会議記録へ手動で残す前提にします。記録が途切れたことを機器の異常と混同せず、電源、設置位置、換気設備の状態から切り分けます。常時記録や遠隔通知が必要なら、その機能が明記された別方式を比較してください。

観察位置と換気行動を固定できるなら候補になる

CO2モニターを活用できるかを分けるのは、呼気や給気口へ近すぎない定位置を作れることと、表示が変わった後に実行する換気行動を決められることです。

この二つを会議室ごとに決められるなら、AT-C01の表示方法としきい値調整を商品ページで確認すると、感覚に頼らない換気運用を始める候補にできます。

参考資料