会議椅子が机の下に収まらない|固定肘と幕板の高さを測る

固定肘付きの会議椅子が机下へ収まらない人向けに、利用時の座面高を先に決め、肘掛け上端と幕板下面、有効幅、収納奥行を実測する順序を解説します。

会議椅子が机の下に収まらない|固定肘と幕板の高さを測る

肘掛け付きの会議椅子は、座っている間だけでなく、使わない間の収まり方も確認が必要です。椅子の横幅がテーブルの脚間へ入っても、固定肘が天板裏や幕板へ当たれば、背もたれと座面が通路側へ残ります。

この記事では、会議椅子をテーブルの下へ収めたい総務担当者へ、肘掛けと机下の高さを測る順序を説明します。候補にするのは、固定肘と座面昇降を備えたデザイナーズチェア ローバックです。

椅子の幅より先に固定肘の干渉を疑う

椅子を机下へ押し込めないときは、当たっている場所を横から見ます。固定肘が天板の下面へ当たる場合と、天板より低い位置にある幕板や配線受けへ当たる場合では、測る高さが変わります。

机下の開口高は、床から天板までの高さではありません。床から、椅子の進行を止める最も低い部材の下面までを測ります。幕板、補強材、中央の配線ボックスがあるなら、それぞれを測り、椅子を入れる位置の最小値を使います。

横方向も、天板幅ではなく脚、フレーム、配線部品の間に残る有効幅を測ります。固定肘の外側が通っても、五本脚のキャスターがテーブル脚へ当たることがあるため、床付近も別に確認します。

座面高を決めてから肘掛け上端を測る

紹介する椅子の座面高は420〜505mmで、85mmの範囲を昇降できます。座面を下げれば固定肘も低くなりますが、机下へ入れるためだけに最低位置へ固定すると、着席時にテーブルとの高さが合わない場合があります。

先に実際の利用者が座り、足裏が床へ着き、肩を上げずに腕をテーブルへ置ける座面高へ合わせます。その状態で、床から固定肘の最も高い場所までを垂直に測ってください。

CCOHSの椅子調整ガイドは、固定高の机では脚を机下へ入れられることを確認し、肘がおおむね作業面の高さになるよう椅子を調整する考え方を示しています。会議で筆記やパソコン操作をするなら、「机下へ入る高さ」と「着席して腕を置ける高さ」を同時に満たす必要があります。

商品ページにない肘高は全高から推測しない

商品ページで確認できる本体寸法は、幅640×奥行655×高さ880〜965mmです。座面高、全高、固定肘であることは掲載されていますが、床から肘掛け上端までの寸法は掲載されていません。

全高と座面高の差だけで肘高を計算することはできません。全高は背もたれ上端の位置であり、肘掛けの形状や最上部の位置を表さないためです。購入前は販売者へ肘高を問い合わせるか、展示品と同型品を、使用予定の座面高へ合わせて測ります。

テーブル側も図面の天板高だけで決めず、現物の幕板下面を測ります。肘高と開口高が同じ数値なら、床の不陸、キャスターの向き、製品差で接触する可能性があります。数値だけで「入る」とせず、同じ高さの箱や板で肘の位置を再現し、接触せずに押し引きできるか試してください。

収めた後の奥行きは横から確認する

高さが通っても、椅子全体が天板の内側へ隠れるとは限りません。この椅子の奥行は655mmです。テーブルの奥行から椅子が入る量を差し引き、背もたれが天板端からどこまで出るかを横から確認します。

向かい合わせに椅子を置く会議テーブルでは、両側の椅子を押し込んだときに、中央で脚部や座面がぶつかる場合もあります。片側だけで判断せず、向かい側にも同じ奥行の型紙や箱を置いて再現します。中央に配線ボックスや配線カバーが下がっている場合は、その手前までが実際に使える収納奥行です。

完全に隠れなくても、椅子を使用位置から何mm戻せるかが分かれば、残る通路を計算できます。設置前に床へテーブル端、収納時の背もたれ端、通路の境界をテープで示し、人が通る動作と扉の開閉を試します。

固定肘を下げる代わりに椅子の種類を変える

この商品は固定肘のため、肘掛けだけを下げたり後ろへ逃がしたりできません。利用者に合わせた座面高では肘が幕板へ当たる場合、座面を不自然に下げて収納を優先するのではなく、肘なし、肘跳ね上げ、または高さ調整できる肘の椅子と比較します。

OSHAのワークステーション評価項目も、肘掛けが机下への椅子の位置決めを妨げないこと、机下に太ももと脚の空間があることを確認項目にしています。会議でパソコンを長く使う場合は、収納寸法だけでなく、着席した状態で肘掛けが前腕を支え、肩が上がらないかも一脚で試します。

固定肘には、使うたびに高さが変わらず、左右を同じ位置で支えられる分かりやすさがあります。その代わり、机側の幕板や配線受けを避ける調整はできません。会議室のテーブルを今後入れ替える予定がある場合は、現在の机へ収まるかだけで固定肘を選ぶと、次の机では同じ問題が起きる可能性があります。

椅子を長く使い、机の構成を変える可能性が高いなら可動肘を、テーブルと椅子を組み合わせたまま運用するなら固定肘を候補に残す、という順で比較すると判断がぶれません。肘なし椅子は干渉を避けやすい一方、パソコン作業中に前腕を支えたい会議には別の課題が残ります。

共用後に座面高を戻す運用に頼らない

利用者が変わる会議室では、座面を下げれば収納できるという確認だけでは不十分です。前の利用者が着席しやすい高さのまま退出すれば、次の人が押し込んだときに固定肘が幕板へ当たります。毎回「最低位置へ戻す」という掲示を増やしても、急いで退出する場面では徹底しにくくなります。

一脚で試すときは、座面を利用範囲の上側にした状態でも、肘が机下へ入るか確認します。収まらない場合は、椅子の戻し位置を机下ではなく壁際に定める、固定肘ではない椅子へ替える、幕板のない別のテーブルと組み合わせる、のいずれかを先に決めます。購入後の注意書きで製品同士の不適合を補わないことが、通路へ椅子が残る状態を防ぐ近道です。

キャスターと床の組み合わせも一脚で試す

商品はナイロンキャスターを備え、販売ページではカーペット上で動きやすいと説明されています。硬い床へ導入する場合は、同じ挙動になるとは決めず、座るときに椅子が逃げないか、押し込むたびに床へ傷や跡が付かないかを確認します。

本体重量は14kgです。持ち上げて収納位置を直す運用を前提にせず、着席位置から机下まで、キャスターを床につけたまま直線的に動かせる経路を作ります。ケーブルを床へ垂らしている場所では、キャスターが横切らないよう先に配線を移してください。

試す一脚は、実際に置く床とテーブルで確認します。ショールームで肘の高さが合っても、会議室では床見切りやケーブルカバーにキャスターが止まり、斜めに入れた肘が幕板へ当たることがあります。退出時と清掃時の両方で、椅子を正面から戻せるかを見てください。

固定肘付き会議椅子を選べるのは、利用者に合わせた座面高で肘上端が机下の最も低い部材を通り、向かい側の椅子や配線部品ともぶつからない場合です。商品ページで固定肘の形状と寸法図を確認する前に、テーブル側の有効高、有効幅、収納奥行を現物で測っておくと照合できます。

参考資料