会議が終わって椅子を戻すと、肘掛けが机の縁に当たり、背もたれが通路へ出たままになる。椅子の幅が脚の間に入っても、机下の高さが足りなければ奥へ押し込めません。買い替え前に比べたいのは、天板の高さと椅子の全高ではなく、机下の障害物の下面と肘掛けの上端です。
デザイナーズチェア ローバック
は固定肘付きで、座面高を420〜505mmに調整できます。商品サイズ図にある座面から肘上端までの寸法は205mm。座面高と足すと、床から肘上端までは参考計算で約625〜710mmとなります。この範囲を、椅子を入れる経路の最も低い部分と照合するのが最初の判断です。
ただし、最低位置で入れば会議室で使いやすいとは限りません。利用者が座面を上げた後にも戻せるか、向かいの椅子と脚がぶつからないかまで、一続きの収納動作として確かめます。
天板高ではなく、肘が通る経路の低い部分を測る
まず、今ある椅子が止まる位置を横から見てください。肘が天板の手前で当たるのか、少し入った後に幕板へ当たるのかを分けます。幕板とは、天板の下に付いた板状の部材です。天板裏より低く張り出していると、その下面が椅子を入れられる高さを決めます。
机の仕様が「高さ720mm」でも、床から天板下面まで720mmあるわけではありません。天板の厚みを除いたところへ、幕板、補強フレーム、配線受けがさらに下がっている場合があります。机の上面だけを測った数字では、肘が通るか判断できません。
椅子を戻す席を一つ決め、床から各部材の下面までを垂直に測ります。手前の縁だけで終わらず、肘が入り込む予定の位置まで見て、経路上の最小値を記録してください。中央にだけ配線ボックスがある机なら、その手前まで入れる場合と、下を通そうとする場合で使える高さが変わります。
複数の席がある長いテーブルでは、中央の席と脚に近い席を分けて測ります。一か所で入った結果を全席へ広げると、フレームのある席だけ椅子が残ることがあります。配線カバーの位置を変更した席も同じ条件とは限りません。
記録するのは「机下650mm」のような数字だけでなく、「右端席、手前から何cmの位置にある幕板の下面」といった測定場所です。あとで別の担当者が照合するときに、違う場所の寸法を使わずに済みます。
座面高に205mmを足して、収納できる設定を絞る
この椅子の肘掛けは座面と一緒に上下する固定肘です。肘だけを下げたり、跳ね上げたりする機構ではありません。座面昇降の範囲は85mmなので、肘上端の高さも座面の設定に応じて変わります。
商品サイズ図の205mmを使うと、座面高420mmでは肘上端が約625mm、460mmなら約665mm、505mmなら約710mmという参考値になります。全高880〜965mmは背もたれ上端までの寸法で、この照合には使いません。
たとえば、実測した机下の最小高が680mmなら、座面高460mmでの計算上の差は15mmです。一方、座面を505mmまで上げると肘上端の参考値は710mmとなり、同じ場所を通せません。これは架空の机での計算例ですが、同じ椅子でも座面設定によって収納の可否が変わることが分かります。
商品図には寸法に多少の誤差がある旨も記されています。計算上で数mmの差があるだけなら、それをそのまま余裕と考えず、実物の肘上端を測って押し引きの動作まで確かめます。座面の沈み込みを当てにして、座った状態だけで通過を確認するのも避けます。退出後は人が座っていない椅子を戻すからです。
先に会議で使う高さを決めておくと、収納のためにどれだけ下げる必要があるかも見えます。実際のテーブルで筆記やパソコン操作をして、使う座面高を記録。その設定のまま人が離れた状態で肘上端を測り、机下の最小高と比べてください。
逆に、机下の最小高が参考計算の最低肘高625mmより低い場合は、座面を下げる操作だけで解決する見込みはありません。天板高が十分に見えても、幕板の位置が変わらない限り同じところに当たります。図面で候補を絞る段階でこの条件を確認すれば、合わない組み合わせの試用を繰り返さずに済みます。
最低位置だけで入る組み合わせは、「どの高さでも収納できる組み合わせ」とは扱いを分けます。毎回レバー操作が必要になることを含めて選ぶ必要があります。
肘が通ったら、脚まわりの幅と収納奥行を確かめる
上下の干渉がなくても、椅子が目標の位置まで戻るとは限りません。本体の外寸は幅640×奥行655mmです。天板幅と比較するのではなく、机の脚やフレームの間に残る幅と照合します。座面の幅だけを見ていると、外へ広がる脚部やキャスターの位置を見落とします。
床の近くにも横桟や配線カバーがないか見てください。上では肘が通っているのに、下ではキャスターが止まっていることがあります。押し込みにくいときは無理に斜めへ回さず、何が当たっているかを横と床付近から確認します。
奥行655mmは椅子全体の寸法で、机の中へ655mm入るという意味ではありません。背もたれ、肘、座面、脚部のうち、どこが先に机側の部材へ当たるかで収納位置が決まります。天板の奥行から椅子の全奥行を単純に引くだけでは、通路へ残る量を正確に求められません。
向かい合わせの席では、両側の椅子を同時に戻してみます。片側だけを奥まで入れられても、向かいの脚部や座面が来ると同じ位置へ収まらない場合があります。中央の配線ボックスも含め、会議後の配置で確かめるのが確実です。
戻せる位置が決まったら、天板の縁から背もたれの最後端までを横から測ります。その位置を床のテープなどで仮に示し、人の通行と扉の開閉に必要な場所が残るかを確認してください。椅子が天板内へ完全に隠れることを必須にするか、少し出ても通路を使えることを条件にするかも、ここで決められます。
共用後にそのまま戻せるか、一脚で試す
会議室では、利用者が変わるたびに座面高も変わります。最低位置で収納できた一度の確認だけでは、導入後に肘が当たる問題を防げません。いつも使う高さに加え、利用者が上げる可能性のある設定でも戻す動作を試します。
確認は「座る、作業する、立つ、戻す」の順で行います。会議終了時の動作の中で、肘やキャスターが止まるところがないかを見てください。収納するための座面調整が必要なら、調整後にどこまで下がったかが分かり、無理なく毎回行えるかまで確認します。
不特定の人が使う部屋で、「必ず最低位置へ戻す」という掲示だけを前提に一括購入するのは慎重に考えたいところです。使いやすい座面高のまま収めたいなら、その高さで通る机との組み合わせが条件になります。条件を満たさない場合は、この固定肘モデルをその席の候補から外す判断も必要です。
足元の動きも実際の床で試します。この商品はナイロンキャスターで、販売ページではカーペット上での動きやすさが説明されています。会議室が硬い床なら、同じ押し引きの感覚とは限りません。床見切りや配線カバーをまたぐ戻し方になっていないか、清掃のために動かすときも含めて確かめます。
本体重量は14kgです。毎回持ち上げて脚をよける方法より、キャスターを床に付けたまま戻せる位置と経路を選びます。きれいに並べることだけでなく、利用者が通常の動作でその配置へ戻せることが、共用の会議室では大切です。
固定肘を残せる条件を決めてから注文する
このローバックチェアを机下へ収めて使うなら、まず座面から肘まで205mmという寸法を使い、使用予定の座面高で机下を通る見込みがあるか絞ります。その後、実物で肘上端と障害物下面の差、脚まわりの幅、両側の椅子を戻したときの奥行を確認します。
測定メモには、席の位置、机下の最小高、使用する座面高、無人時の肘上端高、戻した背もたれの位置をまとめます。単位をmmにそろえ、計算値と実測値を区別しておくと、机の移設後にも再確認しやすくなります。
「一番下なら入る」「普段の高さでも入る」「高さは通るが脚が当たる」は、それぞれ対応が違います。席ごとに測定結果を残せば、購入する脚数と配置を決める際にも混同しません。
商品ページで固定肘の形状と寸法図を確認する
際は、商品コードOC-CH-NW01Lのローバックであることを照合してください。テーブル側の測定値と、会議で使う座面高を手元に用意すると、デザインだけでなく「会議後に戻せるか」を条件に選べます。