脚付きホワイトボードを置く床面がない会議室では、壁掛け型が候補になります。ただし、大きな板面を空いている壁へそのまま付けると、着席者から見えない、上端へ手が届かない、壁が重量を支えられないといった問題が起こります。
検討するのは、幅1800×高さ900mmのホーロー製壁掛けホワイトボードです。会議で使う書き込み範囲を紙で再現してから、取付高さと壁面条件を施工担当者へ渡します。
書く内容を1800×900mmの紙へ再現する
大きいほどよいと決める前に、会議で一度に残したい内容を分けます。たとえば、議題、意見、決定事項の三列を横に並べるなら、一列あたりの幅は単純計算で600mmです。
1800 ÷ 3 = 600mm
同じ大きさの紙や、マスキングテープで囲った壁面へ普段の文字サイズで書いてみます。進行役一人が書くのか、参加者三人が同時に付箋を貼るのかでも必要幅は変わります。
短い連絡事項しか書かない場合は、幅1200mmなど別サイズも比較します。板面を使い切れることを確かめてから、壁面の検討へ進みます。
着席者の視線から下端と上端を決める
取付高さは、床から上端までの数値だけで決めません。会議テーブルの最も後ろに座る人と、左右端に座る人の位置から、板面の四隅が見えるか確認します。
壁へ900mmの高さを持つ紙を仮留めし、下端がテーブル上のモニターや着席者の頭で隠れない位置まで上げます。その状態で、主に書く人が上端へ自然に届き、下端へかがみすぎず書けるか試してください。
視認のために高くすると書ける範囲が狭くなる場合は、板面全体を使う前提を見直します。上段を見出しや掲示専用、中央から下を記入欄に分けるなど、見える範囲と書ける範囲を重ねます。
幅1800mmの周囲に扉と設備を入れない
本体の奥行は10mmですが、必要な壁面は板面の長方形だけではありません。左右には施工や取り外しの作業域が必要で、下側にはペントレーが付きます。
予定位置へ幅1800×高さ900mmの輪郭を示し、扉、照明スイッチ、空調操作器、コンセント、点検口、カーテンが重ならないか確認します。扉を全開にし、取っ手やドアクローザーの動きも見ます。
プロジェクターを併用する会議室では、投影面と書き込み面を同じ壁へ重ねない配置も検討します。マーカーを持つ人の影が投影を遮る場合は、板面を横へ分けるか、別の壁を選びます。
重量9.8kgを支える方法は施工担当者へ確認する
商品には取り外しできない吊金具が付属しますが、壁側の固定具や下地条件は商品ページに記載されていません。石こうボード、コンクリート、木下地など壁の種類によって固定方法は変わります。
施設図面だけで決めず、施工担当者に現場を確認してもらいます。伝える情報は本体重量、外寸、吊金具の形と位置、使用時に人が板面を押すこと、マグネットで資料を掲示する予定です。
見た目が平らでも、十分な下地がない場所へ自己判断でねじ止めしないでください。固定具の種類、必要数、施工手順、定期点検、取り外し時の原状回復を、建物管理者と施工担当者の間で決めます。
マグネット掲示は書く場所と分ける
板面はマグネットに対応します。会議資料や図面を掲示できますが、紙を全面へ貼ると書き込み範囲が不足します。
左端を掲示、中央を意見、右端を決定事項といった役割を紙の試作段階で決めます。掲示物の厚みや磁石が、書く人の腕に当たらない位置へ分けてください。
磁石で固定する資料の大きさと重さも一定ではありません。使用する磁石が資料を保持できるかは実物で試し、落下すると困る原本や重量物は掲示しません。
ホーロー板面は日常の消去方法も決める
ホーロー製は耐久性と耐摩耗性を特徴とする一方、適合しない筆記具を使えば運用上の問題は残ります。専用マーカーだけをペントレーへ置き、油性ペンや他用途のペンを混ぜない保管方法を決めます。
会議終了時に誰が撮影・転記し、誰が消すかも決めてください。機密情報を残したままにしないこと、消しにくさが出たときは製品の説明に沿って手入れすることを、利用ルールへ含めます。
投影にも使うなら対応品を選び直す
板面が白く平らに見えても、プロジェクターの投影面として適するとは限りません。この商品の販売ページはホーロー板面、マグネット対応、横向き使用を示していますが、プロジェクター対応とは記載していません。投影と筆記を一枚で兼用したい場合は、設置後の工夫で補わず、プロジェクター対応を明記した別製品と比較します。
投影面とホワイトボードを別にする場合は、スクリーンを下ろしたときに板面を隠す配置と、横へ並べる配置を会議の進行で比べます。投影中にも決定事項を書き続けるなら横並び、投影と筆記を時間で切り替えるなら重ねる配置も候補になります。ただし、スクリーンや昇降機構の施工条件はこの商品には含まれないため、別設備として確認が必要です。
さらに、取り外しできない吊金具が付属する商品なので、将来プロジェクター対応品へ入れ替える可能性が高い会議室では、壁への施工を先行させないほうが安全です。必要な使い方を確定してから板面の種類と固定位置を決めます。
商品仕様を施工条件と照合する
壁掛けホワイトボードの主な仕様は次のとおりです。
- 本体: 幅1800×奥行10×高さ900mm
- 重量: 9.8kg
- 板面: ホーロー、片面、マグネット対応
- フレーム: アルミニウム
- 構造: ハニカム構造
- 付属品: イレーサー付きマーカー、ペントレー、吊金具
- 組み立て: 購入者による組み立て
- 使用方向: 横向きのみ。縦向きでは使用不可
購入前に、吊金具の寸法と取付位置、壁側に必要な固定部材、施工人数を販売元へ確認します。梱包状態で搬入できる廊下、曲がり角、入口も採寸してください。
視認範囲と固定方法が決まれば候補にする
このボードを候補にできるのは、着席者から見える範囲と立って書ける範囲が重なる高さを実地で決められ、施工担当者が壁下地と固定方法を確認できる場合です。
二条件がそろったら、板面と吊金具を商品画像で確認すると、床面を使わない会議室の書き込み面として比較できます。