掲示物や案内をラミネートすると、フィルムが斜めに進み、端へしわが寄る。大切な原稿で試すほど、詰まりや巻き込みも心配になります。
ただし、斜めになる原因がフィルムの向きや原稿の収め方なら、機械を替える前に直せます。この記事では、社内や店舗でA3までの掲示物を作る総務・運営担当者へ、原因の切り分け方と、6本ローラー・オートリバース付きラミネーターを候補にする条件を説明します。
斜めになり始める場所を見分ける
最初に、失敗しても困らない印刷物を使い、入口と出口を分けて観察します。重要な原稿を繰り返し試験へ使わないでください。
フィルムを差し込んだ時点で左右どちらかが先に吸い込まれるなら、入口に対して斜めに置いている、原稿がフィルム内で片側へ寄っている、手で押す力が左右で違うといった投入前の条件を疑います。
入口ではまっすぐでも、途中から曲がる場合は、ローラーに付着した糊、フィルムの厚さ設定、機械の設置面などを確認します。毎回同じ方向へずれるのか、特定のフィルムや原稿だけで起きるのかも記録すると、原因を絞りやすくなります。
フィルムは接合部から入れる
パウチフィルムには、二枚がつながった接合部と、三辺の開いた側があります。アコ・ブランズ・ジャパンは、誤った方向から入れると詰まりが起きやすいため、接合部から挿入するよう案内しています。
原稿はフィルムの中央へ収め、左右の透明部分が極端に偏らないようにします。小さな原稿を大きなフィルムの片側へ寄せると、左右で厚みが変わり、まっすぐ送りにくくなります。フィルムに対して原稿が小さく、透明な余白が多い場合も詰まりの原因になるため、原稿に合うフィルムサイズを選びます。
加工前のフィルムを必要寸法へ切る方法も避けます。小さな原稿を加工したい場合は、メーカーが案内する捨て紙の使い方を取扱説明書で確認し、加工後に切ります。
手で押し続けず、接合部をまっすぐ合わせる
ラミネーターを水平で安定した台へ置き、入口と出口の前を空けます。電源コードや文具がフィルムの進路に触れる配置では、出口側で引っ掛かり、まっすぐ入れても仕上がりが曲がる可能性があります。
準備完了の表示を確認したら、フィルムの接合部を入口と平行に合わせます。ローラーがフィルムをつかむまでは接合部の左右を同じ高さで支え、つかんだ後は押し込んだり、出口から引っ張ったりしません。次の一枚は、前のフィルムが完全に出てから入れます。
この方法で同じ原稿を数枚試し、ずれる方向と回数を記録します。投入する人を替えると結果も変わるなら、機械よりも置き方や手の動きが原因である可能性があります。誰が使っても同じ方向へ曲がるなら、清掃と機械側の状態を確認します。
ローラーに残る糊を加工後に除く
ラミネートでは、加熱された糊がフィルムの端からわずかにはみ出し、ローラーへ付着することがあります。メーカーFAQでは、糊が蓄積して粘着性を持つと、フィルムを正しく入れてもローラーへ巻き付く場合があると説明されています。
使用後は取扱説明書に従い、本体が熱いうちにクリーニングペーパーを通します。クリーニングペーパーがない場合についてもメーカーFAQに代用方法がありますが、機種ごとの説明を優先してください。分解してローラーへ触れたり、内部へ道具を差し込んだりはしません。
清掃前後で同じフィルムと原稿を使い、斜めになる回数が変わるか比べます。清掃後に改善するなら、使用枚数だけでなく、加工終了時の清掃を運用へ組み込むことが再発防止になります。
斜行と温度による仕上がり不良を分ける
端が入口に対して斜めに進む現象と、波打ち、白っぽさ、気泡などの仕上がり不良を同じ原因として扱わないでください。フィルムがまっすぐ通過しているのに表面だけが乱れる場合は、投入角度ではなく、フィルム厚に対する設定や原稿・フィルムの状態を取扱説明書に沿って確認します。
反対に、温度設定を変えても毎回同じ側へ寄っていくなら、設定変更を繰り返す前に入口の合わせ方、設置面、ローラーの清掃状態へ戻ります。症状ごとに変更する条件を一つへ絞ると、何が改善につながったかを判断できます。原因が分からないまま高温側で再加工したり、同じフィルムを再投入したりしません。
共用機では停止後の引き継ぎ先を決める
途中停止やオートリバースが起きたとき、利用者がその場を離れると、次の人が通常待機中だと思ってフィルムを追加するおそれがあります。異常時は電源や表示を取扱説明書どおりに確認し、使用停止であることを本体の近くへ示して、管理担当者へ引き継ぎます。
清掃通知を消す操作と、実際に清掃を終えたことも分けて管理します。通知だけを解除して作業を先送りすると、次の利用者には清掃時期が分かりません。最後に加工した人がクリーニングまで行うのか、管理担当者が再開判断をするのかを決め、異音や臭い、巻き付きがあった機械は自己判断で再開しない運用にします。
M360CAの仕様と機能を一度確認する
GBC ラミネーターM360CA(GLMM360CA)は、A3までの掲示物を扱い、フィルムが斜めになった際の備えも比較したい職場で候補になる機種です。判断に使う主な仕様は次のとおりです。
- 本体寸法: 幅515×奥行179×高さ115mm
- 質量: 4.4kg
- 加工サイズ: A3、最大330mm
- 最大ラミネート厚: 0.8mm
- 対応フィルム厚: 75~150ミクロン
- ローラー本数: 6本
- 加工速度: 1000mm/分
- ウォームアップ時間: 約1分
- 消費電力: 1200W
- 機能: オートリバース、ローラークリーニングお知らせ
6本ローラーであることは、フィルムを適切な向きと位置で入れなくてもよいという意味ではありません。フィルム準備と投入をそろえても現在の機械で斜行が続く場合に、ローラー構成を比較する材料として使います。
オートリバースも、すべての詰まりを取り除く保証ではありません。フィルムが戻らない、内部へ巻き付いた、異音や煙が続く場合は使用を止め、無理に引き抜かず、販売店またはメーカーの修理窓口へ相談します。
本体の奥行だけで置き場所を決めない
設置には本体が載る面に加え、入口でA3フィルムをまっすぐ支える場所と、出口から加工物が平らに出る場所が必要です。候補の台へ実際に使う未加工フィルムを置き、前後の端が壁、棚、パソコン、通路上の物へ当たらないか確かめます。
また、消費電力の大きい機器を同じ電源タップで同時に使う場合は、ラミネーターだけでなく接続機器の表示を合計し、タップや回路の定格内か確認します。加工中に動かす前提にせず、入口と出口を正面から確認できる常設位置を決めてください。
導入前は同じ条件で結果を数える
現在の機械を清掃し、同じ原稿、同じフィルム、同じ投入方向で複数回試します。記録するのは、斜めになった枚数、ずれた方向、詰まりや停止の有無です。原稿やフィルムを途中で変えると、機械の差と材料の差を分けられません。
新しい機種を試せる場合も同じ条件を使います。仕上がりだけでなく、フィルムが斜めになったときに加工物を取り出せるか、清掃の通知から実際の清掃まで担当者が迷わず行えるかを確かめます。機能名があるだけで決めず、日常の操作へ落とし込めるかで判断します。
正しい投入でも斜行が続くなら候補になる
接合部からまっすぐ入れ、原稿に合うフィルムを使い、清掃しても同じ方向への斜行が続くなら、M360CAを比較候補にできます。もう一つの条件は、フィルムが戻らないときに無理な取り出しをせず、使用停止と修理相談へ切り替える運用を決められることです。
この二つを満たす場合は、M360CAの商品ページで使用するフィルム厚と設置場所を照合してください。投入方法の修正だけで斜行が止まる場合は、先に作業手順を統一するほうが適切です。