会社のUSBメモリを捨てる前に|台帳・データ消去・物理破壊を分ける

会社で使い終えたUSBメモリやSDカードを廃棄する総務・IT担当者向けに、台帳照合、データ消去、物理破壊、処理済み媒体の回収を分けて記録する方法を解説します。

会社のUSBメモリを捨てる前に|台帳・データ消去・物理破壊を分ける

会社で使い終えたUSBメモリやSDカードには、顧客情報や社内資料が残っている可能性があります。データを削除したつもりでも、承認や処理記録が残らないまま一般ごみへ混ぜる運用にはできません。

この記事では、総務・IT資産管理担当者に向けて、資産台帳との照合、データ消去、物理破壊、処理済み媒体の回収を分ける方法を説明します。物理破壊の候補にするのは、USBメモリ・SDカード対応のマルチカットシュレッダー U600です。

最初に廃棄対象と保存義務を照合する

物理破壊から始めると、誤って選んだ媒体を元へ戻せません。最初に、媒体へ貼られた管理番号と資産台帳を照合します。ラベルがない場合も外観だけで判断せず、使用部署、保管者、型番や容量など、確認できる情報から対象を特定してください。

台帳には、少なくとも管理番号、媒体の種類、使用部署、廃棄承認者、処理担当者、処理日、処理方法を残します。会社の規程で別の項目が決まっている場合は、その様式を優先します。

媒体の中に保存期限が残るデータ、訴訟や監査のために保持するデータ、引き継ぎが必要なデータがないかも確認します。必要な情報を適切な保管先へ移し、廃棄承認が終わるまで、破壊機の近くへ持ち込まない流れにします。

データ消去と物理破壊を別の工程として記録する

ファイルを画面上で削除する操作と、媒体そのものを読めない状態へ変える作業は同じではありません。会社の情報セキュリティ規程に論理的消去の方法が定められているなら、その作業を実施し、担当者と完了時刻を記録します。

ただし、認識しない、故障して読み書きできない、管理用ソフトで処理できない媒体もあります。その場合に担当者の判断だけで工程を省略せず、「論理的消去を実施できなかった理由」と、物理破壊へ進める承認を記録します。

暗号化されている媒体でも、暗号化だけを廃棄完了の代わりにするかは社内規程によります。パスワードや回復情報の管理を含め、社内IT担当者が定めた方法を優先してください。

未処理・承認済み・処理済みを混ぜない

机上へ媒体をまとめて置くと、どこまで確認したか分からなくなります。置き場所は「未照合」「照合・承認済み」「物理破壊済み」の三つに分けます。それぞれふた付きの小箱を使い、同時に開く箱は一つだけにすると、未処理媒体の混入を減らせます。

作業は一件ずつ進めます。台帳の一行を開き、媒体の管理番号を読み、承認済みであることを確認してから、破壊機へ持ち替えます。処理後の破片を確認して台帳を更新し、その後に次の媒体を取り出します。

複数人で行う場合は、照合する人と機械を操作する人の間で、管理番号を声だけで伝えません。媒体と処理票を一組にして渡し、処理前後の件数が一致するようにします。

U600の媒体対応を購入前に実物へ当てはめる

U600の商品名と商品画像では、USBメモリとSDカードの物理破壊に対応すると案内されています。別の説明画像では、CD・DVD・カードを4.3mmのストレートカットで細断し、USBメモリ・SDカードは物理的に破壊する構成が示されています。

ここで重要なのは、「USB」と呼ぶ物がすべて同じ形ではないことです。一般的なUSBメモリでも、金属製の外装、回転式のカバー、極端に厚い筐体などがあります。SDカードにも標準サイズと小型の種類があります。購入前に、廃棄予定の媒体の種類と外形を一覧にし、対応する投入口、投入方向、処理できる形状を取扱説明書または販売元へ確認してください。

USBケーブル、外付けSSD、カードリーダーなどを「USB機器」として投入してよい意味でもありません。対応が確認できた記録媒体だけを対象にし、電池を内蔵する機器や対応不明の物は別の処理方法へ分けます。

44.4kgの本体は管理区域へ常設する

U600の本体外寸は幅460×奥行338×高さ845mm、重量は約44.4kgです。使うたびに一人で運ぶ前提にはせず、処理権限のある担当者が管理できる場所へ常設します。

設置候補の床へ460×338mmの長方形を作り、高さ845mmまで棚や天板が干渉しないか確認します。本体に収まる面積だけでなく、上面の投入口へ媒体を持ち込む手の動きと、前面の引き出しを開けてくずを回収する空間を残してください。

キャスター付きですが、使用中に動かすための機能とは限りません。床の段差や傾きを確認し、電源コードが通路を横切らない位置へ置きます。消費電力は400Wです。同じ回路や電源タップへ接続する機器との合計が定格内かも、施設管理担当者と確認します。

紙の能力と記録媒体の処理件数を混同しない

紙については、A3対応、定格細断枚数が50Hzで22枚・60Hzで21枚、定格使用時間が60分、ダストボックスが55.7Lと記載されています。これらは文書を処理する能力を判断する数値です。

一方、USBメモリやSDカードを一度に何個処理できるかは、紙の定格枚数から計算できません。記録媒体を束にして投入せず、取扱説明書に示された一回の個数と操作手順を守ります。導入時は対応する廃棄予定品を一個だけ用意し、販売元へ確認した方法で試してください。

紙とメディアを分別するボックスがあっても、異なる媒体の破片を同じ廃棄記録へまとめてよいとは限りません。処理件数を台帳で照合し、社内規程に沿って破片を回収・保管・廃棄します。

少数の媒体で工程全体を試す

導入初日は、たまっている媒体を一括処理せず、三件程度で工程を試します。台帳を開いてから処理済み箱へ移すまでの時間を測り、次の状態を確認します。

  • 媒体と台帳の管理番号を取り違えない
  • 承認前の媒体が機械の近くへ来ない
  • 対応する投入口と投入方向を迷わない
  • 破片を回収し、処理記録を完了できる

処理後に未処理箱の件数、台帳の完了件数、回収した処理済み件数が一致すれば、対象を少しずつ増やせます。合わない場合は、媒体を追加せず、どの受け渡しで件数がずれたかを先に修正します。

破壊できなかった媒体は未処理へ戻さず隔離する

投入しても筐体が割れない、途中で止まる、破片に記録部分が残っているなど、完了と判断できない媒体が出ることがあります。この状態を処理済み箱へ入れると、台帳だけが先に完了し、読める媒体が廃棄工程へ流れるおそれがあります。

異常が起きたら追加投入を止め、電源操作や詰まり除去は取扱説明書に従います。手で引き抜く、工具で投入口を広げるといった独自の対処はせず、媒体と処理票を「要確認」として施錠できる場所へ隔離します。台帳には完了ではなく、停止した工程と外観、次に判断する担当者を記録してください。

再処理するか委託へ切り替えるかが決まった後も、最初の記録を消して書き直しません。異常記録に再処理日や引き渡し先を追記して履歴をつなぐと、媒体の所在と判断の経緯を後から確認できます。

破片を搬出するまで管理を終えない

細断直後でも、破片が通常のごみ箱へ移った時点で担当外とする運用は避けます。回収容器を閉じ、処理した台帳の範囲と回収担当者を記録し、社内規程で定めた保管場所へ移します。外部業者へ渡す場合は、受渡日時、担当者、容器の状態、受領記録を残し、社内の廃棄完了条件を満たした時点で台帳を閉じます。

対応形状と記録の流れを確認できれば候補になる

廃棄予定のUSBメモリ・SDカードがU600の対応形状に含まれ、約44.4kgの本体を管理区域へ常設でき、照合から処理済み回収までを一件ずつ記録できるなら、社内の物理破壊機として検討できます。

対応形状を確認できない媒体が多い、または処理証明を含む委託手順が社内規程で必要な場合は、機械の導入を先に決めず、指定された廃棄方法を優先してください。条件が合う場合は、U600の商品画像で投入口と本体形状を確認すると、設置場所と作業手順を具体化できます。

参考資料