小規模オフィスでは、ルーター、ONU、光電話の機器、電源タップが電話台の周りや床へ集まりがちです。空いている箱や書庫へ入れるだけでは、ケーブルを強く曲げたり、機器の放熱条件を満たせなかったりする可能性があります。
この記事では、会社のルーターの置き場所を整えたい総務・IT担当者へ、幅30cmの収納ラックに機器が入るかを測る方法と、配線、点検、Wi-Fiの確認方法を説明します。
候補にするのは、鏡面モデム収納ラック KR-RACKです。上下二つの扉内へ通信機器や電源タップを分けて収められ、背面はコードを出せるオープン仕様です。
収納する機器とケーブルを先に書き出す
置き場所を決める前に、現在つながっている物を一台ずつ確認します。ルーターだけを測っても、ONU、光電話アダプター、LANハブ、電源タップが残れば、床や電話台の周辺は片付きません。
各機器について、本体名、電源アダプター、接続中のケーブル、壁の端子から外せるかを記録します。どの機器につながっているか分からないコードは、抜いて試すのではなく、両端をたどってラベルを付けてください。通信を止められる時間帯も決めてから移設します。
上下の収納場所は、機器の接続関係で分けます。たとえば、上段にONUとルーター、下段に電源タップと余ったコードを置くなら、上下を結ぶ電源線とLANケーブルが背面を通れるかまで一組として考えます。
外幅300mmより入口幅235mmを先に見る
KR-RACKの主な仕様は次のとおりです。
- 外寸: 幅300×奥行295×高さ800mm
- 上部扉内: 幅260mm、入口幅235mm、奥行230mm、高さ310mm
- 下部扉内: 幅260mm、入口幅235mm、奥行255mm、高さ310mm
- 本体重量: 9kg
- 棚板: 上下とも固定
- 背面: 背板のないオープン仕様
- 配線用部品: コードを巻き付けられる金具付き
- 材質: 合成樹脂化粧繊維板、プリント紙化粧繊維板
設置場所には幅300mmの本体が収まっても、機器を扉から入れられるとは限りません。扉内の幅は260mmですが、入口は235mmです。ルーターのアンテナ、台座、横へ張り出すコネクターを含めた最大幅が235mm未満かを確認します。
機器を斜めにすれば入る場合でも、収納後にケーブルを抜き差しできるとは限りません。入口の正面に機器を持って立てる空間があり、扉を開いた状態で両手を使えるかも設置場所で試してください。
奥行はコネクターと曲げない部分まで測る
本体の奥行だけでなく、背面へ挿したプラグとケーブルの曲がり始めまで含めて測ります。上部は奥行230mm、下部は255mmなので、同じ機器でも下部にしか収まらないことがあります。
たとえば、本体奥行が200mmで、背面プラグと曲げない部分に40mm必要なら、必要奥行は240mmです。この場合、上部の230mmには数値上収まらず、下部の255mmなら残りは15mmです。実際には前面の表示やボタンを扉へ押し付けない間隔も必要なため、15mmだけで足りるかは実機で確かめます。
ケーブルを直角に折って寸法内へ押し込まないでください。電源コード、光ファイバー、LANケーブルでは許容される曲げ方が異なります。機器とケーブルの説明書にある注意事項を優先し、背面から壁の端子までの経路をひもやメジャーでたどります。
背面が開いていても放熱条件は機器ごとに確認する
このラックは背面が開いていますが、扉を閉めた収納内で、どの機器でも問題なく使えると保証するものではありません。ルーターやONUの吸気口・排気口の位置を見て、メーカーが指定する周囲の間隔を確保できるか確認します。
機器を重ねると、下の機器の上面や上の機器の底面をふさぐことがあります。棚が固定されているため、背の高い機器を入れる目的で上下を一室につなげることもできません。各段の高さ310mm以内で、機器を重ねずに置ける配置を紙へ描いてから移します。
移設後は、扉を閉じた通常の状態で機器の警告表示や通信の不安定さがないかを確認します。異常に熱い、再起動する、通信が途切れるといった変化があれば使用を続けず、機器の説明書と管理者の判断に従って置き方を見直してください。
Wi-Fiは扉を閉めて仕事をする場所で試す
ルーターが収納できても、Wi-Fiの届き方が以前と同じとは限りません。収納場所を床に近い隅へ移す、周囲を家具で囲む、アンテナの向きを変えるといった条件が重なるためです。
購入前には、候補位置の近くへルーターを仮置きし、普段使う会議室、執務席、受付で接続を試します。設置後は扉を閉めた状態でも同じ場所を確認します。速度の数値だけでなく、Web会議、クラウドへのファイル送信、業務システムへの接続など、普段の操作が安定するかを見てください。
通信範囲を優先して高い位置や部屋の中央へ置く必要があるなら、高さ800mmの床置きラックは置き場所の候補から外れます。見た目を隠すことより、業務で必要な接続を維持することを優先します。
幅30cmの設置面に配線分を足す
床に必要なのは幅300×奥行295mmの長方形だけではありません。背面からコードを出すため、壁へ密着させず、電源プラグや通信端子に力がかからない位置まで前へ出します。
床へマスキングテープで本体の輪郭を作り、背面の配線を含む実際の前端を示します。幅木、壁のコンセント、電話線の端子、デスクの脚に当たらないかを見ます。高さ800mmの天板上に電話機などを置く場合は、その機器の底面が幅300×奥行295mm以内に収まるかも別に測ってください。
扉を開く側には、人がしゃがんで機器を点検できる空間が必要です。通路へ扉が張り出す配置や、家具を動かさなければ電源タップへ手が届かない配置は避けます。電源表示とケーブル接続を定期的に確認できる向きに置きます。
扉を開けてよい人と復旧手順を決める
機器を隠すと、通信障害時にどの扉を開け、どの表示を確認するかが分かりにくくなります。上下それぞれに収納した機器名を管理図へ記録し、扉を開けてよい担当者と連絡先を決めます。見た目を整えるためのラックでも、誰でも電源を抜ける共用収納にはしません。
清掃時は背面から出るケーブルを引っ張らず、ラックを動かす必要がある場合は、通信を止められる時間と接続状態を記録してから作業します。移動後は扉を閉めた状態で機器の表示、Wi-Fi、有線接続、電話など必要な機能を確認し、異常があれば元の位置と配線へ戻せるようにします。
通信できないときも、熱が原因だと決めて扉を開け放したり、電源を繰り返し抜き差ししたりしません。警告表示、影響している場所、直前の変更を記録し、機器の管理担当へ引き継ぎます。点検のために扉を開けても通路を塞がず、配線へ触れずに状態を見られることが、収納後の運用条件です。
入口幅とWi-Fiを通過したら候補にできる
このラックを候補にできるのは、最も大きい機器が入口幅235mmと各段の奥行に収まり、扉を閉じた通常位置でも必要なWi-Fi接続を確認できる場合です。どちらかを満たさないなら、幅30cmという外寸だけで決めず、開放型の棚や別の設置場所を比較してください。