共有の充電器、工具、撮影機材などが別の棚へ戻され、探す時間が増えているなら、備品と保管場所へ同じルールのラベルを付ける方法があります。ただ名前を印刷するだけではなく、「どの備品を、どこへ戻すか」を同じ表記で対応させることが重要です。
この記事では、小規模オフィスの備品を管理する総務・IT担当者に向けて、ラベルへ載せる情報、テープ幅と貼付面の決め方、少数の備品で運用を試す方法を説明します。
ラベルで解決する問題を一つに絞る
最初に、備品が見つからない原因を確認します。貸出記録が残らず誰が持っているか分からない場合、物理的なラベルだけでは解決できません。貸出表や予約システムを併用し、持ち出した人と返却予定を記録する必要があります。
一方、返却はされるものの似た機器が別の棚へ混ざる、同じ型の充電器を取り違える、収納ケースと中身の組み合わせが分からなくなる場合は、備品ラベルが役立ちます。まず日常的に取り違えが起きる備品を5点選び、すべての備品へ一度に貼る前に表記方法を試します。
管理番号と戻し先を同じ書式にする
ラベルへ情報を詰め込みすぎると、文字が小さくなり、戻すときに読み比べにくくなります。備品本体のラベルには、次の三つを候補にします。
- 備品名
- 重複しない管理番号
- 戻し先の棚や区画
たとえば本体を「USB充電器/IT-023/棚B2」としたら、棚側にも「IT-023/USB充電器」と表示します。管理番号の採番規則と現在の所在は台帳を正本にし、ラベルだけを資産台帳の代わりにしません。
電話番号、個人名、社外秘の管理情報は、社外へ持ち出す可能性がある備品へ印刷しないようにします。紛失時の連絡先を載せる場合は、個人ではなく会社が管理する窓口を使います。
貼れる面を測ってからテープ幅を選ぶ
キングジム テプラPRO SR750は、幅4・6・9・12・18・24・36mmのPROテープカートリッジに対応しています。対応範囲が広くても、太いテープがすべての備品に合うわけではありません。
備品の通気口、操作ボタン、ふた、可動部、メーカーの型番や注意表示を避け、平らに貼れる範囲の短辺を測ります。同じ幅に切った紙へ実際の管理番号を書き、手に持った距離と棚へ戻す距離の両方から読めるかを試してください。
棚の見出しと小型備品で同じ幅を強制すると、どちらかが読みにくくなります。文字の書式と管理番号の順番は統一しつつ、テープ幅は貼付面に合わせて分けます。
貼付面に合う粘着タイプを決める
ラベルを貼る前に、ほこりや油分を拭き取り、乾いた状態にします。まず目立たない場所へ試し貼りし、表面の変色、はがした跡、粘着力を確認します。会社から借りている機器やリース品は、管理元の許可なく直接貼らないようにします。
キングジムの「キレイにはがせるラベル」は弱粘着で、貼り替える表示に向きます。ただし、メーカーは再生紙や段ボールなどの目が粗い紙、PP製品、凹凸面、曲面などでは自然にはがれる場合があると案内しています。
PP素材やシボのある面には強粘着ラベルという選択肢もあります。強く貼ればよいと決めず、備品の返却・廃棄時にはがす必要があるか、表面を傷めないかを先に確認して、通常、弱粘着、強粘着を使い分けます。
本体を置く場所と更新担当を決める
SR750の本体寸法は約幅204×奥行220×高さ85mm、質量は約1,160gです。ラベルを作るたびに別の棚から出す運用にするなら、本体、ACアダプタ、使用中のテープ、予備テープを一緒に保管できる場所を決めます。
本体のキーボードから入力できるほか、USBでパソコンへ接続してラベルを作成できます。備品名や管理番号を台帳から確認しながらまとめて作る場合はパソコン接続、現場で一枚だけ作り直す場合は本体入力というように、更新作業に合わせて使い分けます。対応OSや必要なソフトウェアは導入するパソコンごとにメーカー情報を確認してください。
管理番号の採番、ラベルデータの保管、テープ補充を行う担当者も決めます。誰でも自由に管理番号を作れる状態では、同じ番号や異なる書式が増え、統一した意味が失われます。
原稿を正本として再発行できるようにする
統一後に困りやすいのが、ラベルが汚れたり備品が入れ替わったりしたときの再発行です。見本のラベルを目視でまねる運用では、担当者ごとに略称、文字順、改行位置が少しずつ変わります。備品区分ごとの原稿を保存し、備品名の表記、管理番号の位置、戻し先の書き方を正本として管理します。
原稿名には対象の備品区分が分かる名称を付け、更新できる担当者を限定します。別の人が印刷するときも、台帳の番号と原稿を照合してから出力できる状態にしてください。大量に印刷する場合は、最初の一枚で文字欠け、余白、貼付方向を確認してから続けると、誤った原稿を備品全体へ広げずに済みます。
色分けを使う場合も、色だけに意味を持たせません。「青はIT備品」と決めるなら、文字でも区分を表示します。テープの在庫切れで色を変えたときや、色を見分けにくい人が使うときにも、管理番号と表記だけで戻し先を判断できるためです。
古いラベルを残さない交換手順を決める
備品の所属部署や戻し先を変えたとき、古いラベルの横へ新しいラベルを足すと、どちらが正しいか判断できません。変更時は台帳を先に更新し、備品側と棚側を同じ作業で貼り替え、古い表示を取り除きます。直接はがせないリース品などでは、許可されたタグやケース側の表示を交換し、旧情報が見えたままにならない方法を管理元と決めます。
廃棄や譲渡の際は、会社名、管理番号、連絡先が残っていないかも確認します。ラベルを貼る担当と廃棄を担当する人が異なる職場では、除却手順へラベル確認を組み込んでください。貼る方法だけでなく、変更と終了の手順までそろえることで、時間がたっても一つの備品に一つの有効な表示を保てます。
少数の備品で返却動作を試す
試行では、ラベルを作った本人ではない人に備品を渡し、説明せずに元の場所へ戻してもらいます。備品側の番号を見つけられるか、棚側の番号と対応できるか、収納中も表示が隠れないかを観察します。
読めない場合は文字を増やさず、管理番号を先頭へ移す、棚ラベルの位置を目線へ近づける、テープ幅を変えるなど、一つの要因だけを修正します。数日使ってはがれや汚れも確認してから、同じ書式をほかの共有備品へ広げます。
備品と棚を同じ番号で結べるなら候補になる
ラベルライターを導入する判断は、管理番号を台帳で一意に管理できるか、備品と戻し先へ同じ番号を表示できるかで分かれます。
この二つを運用にできる場合は、テプラPRO SR750の商品ページで使用するテープ幅と本体の保管場所を確認してください。誰が持っているか分からない問題が中心なら、先に貸出記録の方法を整えます。