会社の防災用毛布は、倉庫に置ける箱数から決めるのではなく、災害時に社内へとどまる可能性がある人数から数えます。社員名簿の人数だけを使うと、出張者を過大に数える一方、来客や外部スタッフを見落とすことがあります。
この記事では、総務・防災担当者へ、毛布を1人1枚として不足数を出し、真空圧縮毛布10枚セットを何箱備蓄するか判断する方法を説明します。
毛布は社内へとどまる人へ1人1枚で数える
内閣府の2026年1月版災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドラインは、企業等が従業員を施設内へ待機させるための3日分の備蓄量について、毛布を1人当たり1枚としています。
計算の起点は、全従業員数ではなく、災害が起きた時点でその事業所にいる可能性がある人数です。固定出社なら一日の最大出社人数、交代勤務なら勤務が重なる時間帯、研修日なら参加者を含む人数を確認します。
複数拠点をまとめて一つの数字にせず、毛布を実際に配れる建物やフロアごとに人数を出してください。別棟の倉庫に全社分があっても、移動経路が使えなければ必要な場所へ届きません。
来客分は10%を起点に実態と比べる
同ガイドラインは、外部の帰宅困難者である来客等のために、例として10%程度を余分に備蓄する考え方も示しています。
最大在社人数が27人なら、10%は2.7人です。人へ配る物なので端数を切り上げ、来客分を3枚として、合計30枚を起点にできます。
27人 × 10% = 2.7人 → 3人分
社員27人分 + 来客3人分 = 30枚
ただし、日常的に10%を超える来客がある受付、研修会場、コールセンター併設施設などでは、実際の最大利用者数を優先します。反対に、自治体との協定により一時滞在施設として外部の人を受け入れる場合は、通常の来客分とは別の計画が必要です。協定や地域の条例、建物の防災計画も確認してください。
既存の使用可能枚数を引いて不足数を出す
必要枚数から、社内にある毛布をそのまま引く前に、配布可能な状態かを確認します。私物、普段使いのひざ掛け、貸出中の寝具は、災害備蓄として常に使えるとは限りません。
防災備蓄として場所が登録され、包装や本体に破損や汚損がなく、点検対象になっている枚数だけを既存数へ入れます。先ほどの30人分に対し、使用可能な備蓄毛布が8枚あるなら、不足は22枚です。
必要30枚 - 既存8枚 = 不足22枚
10枚セットで補う場合は、22を10で割った端数を切り上げ、3箱を候補にします。3箱で30枚増えるため、導入後の合計は38枚です。必要な30枚との差である8枚は、単なる余りではなく、増員、包装破損、別フロアへの分散に使う予備として管理できます。
10枚入り1箱の仕様を保管棚へ当てる
真空圧縮毛布 EB-201BOXの主な仕様は次のとおりです。
- 入数: 毛布10枚
- 毛布1枚の寸法: 縦2000×横1200mm
- 毛布1枚の重量: 930g
- 材質: ポリエステル100%
- 1箱の外寸: 幅310×奥行435×高さ225mm
- 1箱の梱包重量: 約10kg
- 状態: 完成品
不足22枚の例で3箱を置くなら、保管対象は合計約30kgです。棚板の耐荷重は、一段へ3箱をまとめるのか、複数段へ分けるのかで照合します。箱を縦向きや横向きに変える場合も、内容物がずれない置き方を取扱説明書や販売元へ確認します。
幅310×奥行435×高さ225mmは箱の外寸です。棚へ入るだけでなく、手前へ引き出せる奥行、約10kgを持ち上げる動作、扉や棚柱との干渉を確かめます。
箱数より先に配布場所を分ける
一つの倉庫へ全箱を集めると、地震後に通路が塞がれた場合や、担当者が別フロアにいる場合に配布できません。人数計算をした単位に合わせ、執務室、受付、会議フロアなどへ箱を分散します。
たとえば30枚を必要とする事業所で、執務室に20人、受付・会議エリアに10人がいる想定なら、10枚入りを2箱と1箱に分けられます。総数だけでなく、各保管場所の対象人数、箱数、開封担当を台帳へ記録します。
保管場所は、次の条件を満たす位置から選びます。
- 地震後も近づける見込みがあり、高い家具の転倒で塞がれにくい
- 浸水、結露、直射日光などを避け、製品の保管条件を守れる
- 鍵がなくても防災担当者が取り出せるか、非常時の開錠手順がある
- 箱を床へ落とさず、担当者が両手で取り出せる高さである
個包装を開ける順番まで訓練する
真空圧縮品は省スペースで保管できますが、発災時には包装から取り出して配る工程があります。箱の所在を確認するだけでなく、一箱をどこで開け、誰が対象者へ渡すかを訓練で決めます。
すべての包装を点検のたびに開封すると、圧縮状態を元へ戻せない可能性があります。包装の点検方法、開封後の扱い、交換時期は、製品の取扱説明書や販売元の案内に従ってください。外箱や個包装の破損、濡れ、保管場所の変更は台帳へ残します。
配布後は、毛布だけで就寝環境が完成するわけではありません。床の冷えを遮る敷物、休む場所、照明、トイレ、要配慮者への対応などは、会社の施設内待機計画で別に準備します。
難燃性が必要なら別製品として照合する
現行の商品ページでEB-201BOXに記載されている材質はポリエステルですが、防炎認定や難燃仕様の記載はありません。防災用という名称だけで、施設の防火ルールに必要な性能を満たすとは判断しないでください。
宿泊場所の管理規則や用途上、難燃性を条件にする場合は、必要な認定と表示を施設管理者へ確認し、その条件が明記された製品を比較します。販売ページには別商品として難燃毛布も掲載されているため、EB-201BOXと同じ性能だと読み替えず、商品番号ごとに仕様を照合します。
配布後の回収と補充を災害計画へ入れる
訓練や実際の待機で包装を開けた毛布は、未使用の圧縮品と同じ箱へ戻して在庫扱いにしません。使用済み、開封済み、未開封を分け、衛生上の処置と再圧縮の可否を販売元へ確認します。
発災後は、配布記録を基に不足分を台帳へ反映し、通常業務へ戻った後も補充担当が分かる状態にします。箱数だけが帳簿上残り、中身が減った状態を防ぐため、開封した時点で点検対象へ移すルールが必要です。備蓄数を満たすだけでなく、使用後に再び必要数へ戻せる運用まで用意できるかで判断してください。
人数更新と棚の点検を同じ日に行う
毛布は食料とは点検項目が異なっても、人数と保管場所が変われば不足します。組織変更、増員、フロア移転、来客数の変化があったときに、最大在社人数と来客分を再計算します。
定期点検では、台帳上の箱数、実際の箱数、外箱の状態、棚の固定と耐荷重表示、取り出し経路を同時に確認します。毛布だけを数えても、倉庫の前へ別の備品が置かれていれば配布できません。
不足数を10で割って箱数を決める
購入判断を分けるのは、最大在社人数と来客分から使用可能な既存毛布を引いた不足数と、約10kgの箱を必要な場所へ保管・配布できることです。
不足数を10で割って切り上げた箱数を配置できるなら、真空圧縮毛布10枚セットの箱寸法と販売状態を確認すると、会社の共用備蓄へ加える候補にできます。